空き家問題 ~街並み、思い出、カネ~
まず「街並み」です
空き家が多くあること、そして更に増加することで景観が損なわれる、不審者等が住み込む、火災、倒壊等の災害が生ずる、不法投棄などもありうる
次に「思い出」
子供が生まれた、小学校に上がった、就職が決まった、お嫁に来た等々数えきれない思い出のつまった家は、そう簡単には取り壊すことはできないのが心情で、この「思い」は誰にも、どうすることもできないものです
最後に「カネ」
「思い出」の後だけに、やけに響きが悪くドロドロした感じがしますが、これも空き家問題の一つとして避けては通れません
以下、箇条書きします。
①固定資産税の問題
戸建住宅等、居住用建物の敷地となっている土地は、本来かかる税金の5/6が軽減され、今納めている税金は本来の納税額の1/6になっているのです
ところがこれに慣れてしまうと、軽減後の納税が本来と勘違いしてしまい「軽減されている」ではなく、建物を取り壊すと「固定資産税が増税される」という感覚になってしまいます
②取り壊し費用
取り壊しにも当然費用は掛かります、昨今の建設物価高騰で、解体費もめっちゃ高いです
③アスベスト等の発生
木造住宅などはあまり心配いりませんが、工場や倉庫等を所有されている場合、アスベスト等の有害物質が発生することがあり、解体費が「目ん玉飛び出るほど」高くなることがあります
これらの空き家問題解決に向けて、行政側でも諸々の対応をしており、解体費補助や空き家への入居促進等、苦肉の策をひねり出しているようですが、現実は中々成果に結びつかないようです
何故成果に結びつかないのか?
偉そうなことを言わせていただきます
この問題解決に向けての「優先順位」と「覚悟」が足りないのだと思います
上記問題点のうち「思い出」には手を付けられませんが、その他の2つ、「街並み」と「カネ(税収増)」のいずれのために空き家問題を解決しようとするのかの優先順位をつけるべきだと思うのです
そしてそれが「街並み」のためであるならば「カネ(税収増)」については目をつむる覚悟が必要だと思うのです
全くの私見ですが、現在居住用建物付きの土地の固定資産税を1/6まで軽減しても、何とかその税収でやっていけているのなら、空き家を取り壊しても現在のままの納税額を維持し「税収増は期待せず、まず街並みをきれいにしよう」という方向性を明確にし、負担調整をすべきではないでしょうか
今の施策は、解体費の一部は負担しますが納税額は本来の6倍に戻しますよというもので、タネを明かせば一時的なカネは補助しますが、継続性、永続性のある税収はちゃんといただきますよ、という形がみられます
終わりの見えない物価高の中、家計の可処分所得は日々厳しいのが現実です
固定資産税の大幅な増額に加え、何百万円単位で解体費が掛かっては、そりゃ壊したくても壊せない心情はわかりますよ
本気で空き家問題を解決するのならそのくらいの覚悟がないと難しいと思います