地区計画
今、日本では物流倉庫が非常に多く建設されている。
この物流需要過大によると思われる地価の高騰も見られる。
取引先であるA社の課長からの相談。
課長「○○市の××工業団地の我が社の工場なんだけど、隣のB社さんが廃業するので土地を買ってくれないかって。」
課長「間に大手のC銀行が入ってるんだけど、ここで物流倉庫やれば利回り最高だって、めちゃめちゃ高い見積もりでさ、」
見積書には物流倉庫の事業計画案、取引事例が複数列挙されていた。
鑑定士「そうですか。ちょっと調べてみましょう。」
鑑定士は現場、そして市役所へ
市役所 都市計画課「ここは地区計画あるから倉庫業はできませんよ。」
鑑定士「えっ。」
鑑定士「(A社へ電話)課長、ここ物流倉庫出来ないそうです。」
課長「えっ、で、でも見積もりでは物流倉庫の事業計画に取引事例、だからこんなに高いんだって、、」
鑑定士「課長、これ見積作成者が地区計画を見落としていたとすると極めて重大な落ち度です。」
鑑定士「まさかとは思うが、知っていて価格をつりあげるために物流倉庫を列挙していたとしたら、、、これは、犯罪ですよ。」
課長「すぐに電話して差し替えさせましょう。」
鑑定士「課長、ちょっとだけ小芝居しましょうか。」
数日後
司会「皆様、本日は××工業団地 土地売買契約調印式に御足労頂きありがとうございます。」
司会「それではA社長様、契約書に御署名、御捺印をお願いします。」
A社長「はい、、、ん、課長、この見積書「物流倉庫」ってあるが、この工業団地 倉庫業出来るのか?ちょっと電話で聞いてみろ。」
課長「はい。」
A社長「スマホをスピーカーにしてB社長とC銀行さんにも聞いて頂きなさい。」
課長「もしもし、すみません。××工業団地は倉庫業出来ますか?」
市役所 都市計画課「ここは地区計画があるから倉庫はできませんよ。」
沈黙。
A社長「B社長、あなたはこの事実を知っていたのですか。知っていて我が社に高く売りつけようとして見積もりに物流倉庫を列挙したんですか。」
B社長「い、いえ。私は、、、C銀行さんに言われるがまま、、はんこを押しただけです。」
A社長「大手都市銀行、C銀行融資部長、あなたはこの事実を知っていたのですか。」
C銀行 融資部長「ちょっとすみません、電話を一本かけてきます、、」
A社長「ちょっと待って、かけるならここで、スマホをスピーカーにしてかけて下さい、、、さぁかけて。」
C銀行 融資部長「もしもし、君は××工業団地は倉庫が出来ないことを知っていたのかね。」
C銀行 担当者「何言ってるんですか、部長にそう報告したじゃないですか。」
沈黙。
A社長「電話をお切りください、ちっ、話にならんな。」
A社長「ではこうしましょう。この見積書と今日の一部始終を録音したICレコーダー、これを週刊誌に持ち込みましょう。」
A社長「・・・・若しくは、この土地を半額で我が社が譲り受けるか、」
A社長「どうする」