ちゃっかり屋のハードモード恋愛事情
秋めいてきて、冷えてくると心の奥底にしまい込んでいた「寂しい」「恋しい」感情がぽっと芽を吹きます。
正直、バイトが終わって真っ暗な誰もいない家に帰るのはだいぶ寂しいです。
冷え性の私は寒がりなので柴犬の抱き枕との密着度が最近高くなってきました。
柴犬の抱き枕より彼氏のほうが満たされるのかもしれません。
彼氏より柴犬の抱き枕のほうが心に傷を負うリスクは低いはずです。
今年の秋は学生最後の秋だから?友達にどんどん彼氏ができていくから?
世界に自分だけ取り残されてしまった気になってきて。
センチメンタルになり、ぐるぐる考えているうちに、もう丑三つ時です。
今日、約半年ぶりに大学の友達と会いました。
感性が合う、居心地がいい大切な友達です。自然体でいられる。
ゆるゆると流れるままに生きてるように見えますが、就職活動ではみんなが本腰を入れる時期に「学校推薦で内定もらった♪」っていう感じのちゃっかり屋さんの女友達。
「お久しぶり~!元気だった?」
全く変わっていない彼女ですが、この後爆弾発言を聞くことになります。
「最近どー?彼氏とかできた?」
今までだったら『いやーなかなか』『ないよー』と即返事が返ってきたのですが今回は、やけに間が長い。嘘、まじ?ついに?え、まさか!!!
「…できたの?!」
『…まあ。あ~~~~恥ずかしい!!』
人生初彼氏なんだって。もう、ほんと、おめでたいじゃないですか。
最近私の周り、お付き合いしすぎじゃない?
『でも、ちょっと、かなり、やばい』
意味が分かりませんが、「ヤバい」を連呼する彼女。
詳しい話は本人が話す気になったらゆっくり聞くことにしましょう。
近況やゼミ、部活、推しの話をしてその時を待ちます。
『あんま周りに聞かれたくない。密室になれるところがいいかも。』
ということだったのでカラオケに移動。
出会ったきっかけはマッチングアプリなんだそうです。
「共通の趣味とかあるの?」
『…どっちの?』
「いつから付き合ってんの?」
『どっちの話?』
「歳離れてんの?」
『どっちの話?』
妙に会話がかみ合いません。どっちの話?…どっち…which…?
…待てよ。彼氏、ひとりじゃない…?
優しくて押しに弱い彼女ならやりかねません。
もう分かりません。私がこの話をここに書いていいのかも正直。
彼女から話を聞いていいのかも。
世間から見て「良い友達」は彼女を咎めたり、浮気はよくないよ!と止める人のことを言うのでしょうか。
ただ彼女は悪い子ではないと知っているのできっと理由があるはず。
今日はとりあえず、聞く。全部受け止めて、彼女がつらい道に行こうとしたら「本当にそれでいいの?なんで?」と立ち止まるきっかけを作る。
私達はきっと「悪友」なんだと思います、言葉通り。
経緯を聞いた結果
「A君もB君も友達として好きで告白されるなんて思ってなかったんだけど。告白断ったら、もう会えなくなるわけじゃん?それは嫌だったんだよね。」
「A君に告白されてOKした3日後に、もう前からB君との約束が入ってて。レンタカーとかもいろいろ借りてたから連絡するタイミング見失って遊びにいったら告白されちゃって。流されてOKしちゃった」
みたいです。
でも彼女ならほんと、ニコニコして「い~よぉ付き合お~」って言ってそう。
「それで〇〇は今、どう?つらくない?幸せ?」
『う~ん、すごく満たされる。もう彼氏なしの生活には戻れなくなるよ。
でも罪悪感もあるし、記念日3日違いだからさ。間違えそうになる。
あと忙しい。卒論どころじゃない。』
心を亡くす、で「忙」と書きます。
彼女が恋愛に溺れないか、少し不安です。
そこからは、惚気話を浴びて幸せのおすそ分けを頂きました。
彼氏の気持ちを考えると、喜べるものも喜べない気もします、が。
この記事に出てきた友達は「論理的」に恋を捉えていましたが、今回の友達は100%「感覚的」です。
いつもニコニコしてる可愛い子ですが、今日はデレデレでさらに口角が上がってます。
『添い寝してるときが一番幸せ~。ほんと満たされるんだよねぇ』
周りはどんどん私の知らない幸せを味わって報告してくれます。
「添い寝」ってものはそんなに満たされるんですね。
みんな口をそろえて絶賛してきます。冬はあったかいんだろうな。
ただ、彼女には必ず試練というか、つらい時がやってくるんだと思います。
クリスマスも彼女の誕生日も365日のうちどちらも1日しかないし。
『二人とも、好きなの。お別れのことを考えると寂しい』
と彼女は寂しそうな顔をするけれど。
幸せになってほしいと願うしかないけれど。
いつでも助けられるようにそばにいることしかできません。
ところで初彼氏が複数人って、いきなりハードモードすぎない?
マッチングアプリを始めた経緯は、
『友達がマッチングアプリやってて、そのデートについて行ったら楽しくてさぁ、私も出会いを求めてインストールしたのよ。
異性と二人きりでデートするのとかも苦手だったけど場数で慣れるし、いい練習になった!彼氏もできたし♪』
とのことで、突っ込みどころは多いのですが。
どこまでも楽観的な彼女らしい恋愛のカタチだと思いました。
恋愛の仕方って性格がわかりやすくでますね。
さて。私は今宵も柴犬の抱き枕をぎゅーしながら考えます。
異性と二人でお出掛けしたことなんてあったかなぁ。
…1回?いや、あれはノーカンだよな、え、ゼロじゃん。
そういえば先日、美容院で年もそんなに変わらないであろう新人っぽい男性美容師さんにカラーをしてもらいました。
雰囲気はイケイケな感じ。
基本静かな私にたまに他愛のない話を振ってくれました。
非常に緊張してしまったんです。肩上がりっぱなし。
なんでかわかんないけど。話しても噛むし、目、見れないし。
まずい。異性に慣れないと。
もちろん柴犬の抱き枕の跡取りになってくれる彼氏と出会えれば、それは幸せなことですが「男性に慣れる」くらいの感覚で、インストールだけして放置していたマッチングアプリの「いいね!」をさばいてメッセージをしてみることにします。
ところで、あいみょんもツイートしてましたが。
友達から「うちの彼氏」「彼がさぁ」という単語を聞くとドキッてしませんか!?
いつか同じ戦法で友達をドキッとさせたいな〜とか思ってしまう秋の夜長でした。
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