アフォーダンスとは?
アフォーダンス=そのものの役割を支えること
シグニファイア=アフォーダンスを伝えるサイン、記号
例えば公園にベンチがあったとする。ごく普通のベンチで、座ることができます。
ここに肘掛を追加したとする。
するとどうだろう、通りがかったひとが肘かけに空き缶を置いていきました。
するとさらに、便乗するようにまた通りがかった人が空き缶を置いていきました。
あっというまに座るために置かれたベンチが、空き缶を置く場所になってしまいました。
なぜこんなことが起こってしまったのでしょうか?
それは、「肘掛けが何か物を置けそうな場所に見えたから」が答えです。
では肘掛が丸いポール状の形をしていたらどうでしょうか?
また人がやってきました。
今度は空き缶を置かずに、持ち帰ってくれました。
このように、そのものを見たとき人が「〇〇できそう」と感じることをアフォーダンスと言います。
日常で見かける物はこのように人が無意識的に「〇〇できそう」と感じるようにデザインされています。
例えば駅にあるゴミ箱。
捨てるものによって穴の形が違っています。これは無意識に人が●=空き缶やペットボトルなど丸いものを捨てる場所、ー=本や書類など薄いものを捨てる場所、と判断させるためにデザインされています。
これをゲームに置き換えると、
・奥に高くそびえ立った山がある。なんだかわからないが、そこに何かがありそう(脳や本能的な仮説)
・蜘蛛の巣があって先に進めない。自分は木の棒をもっていて、近くに火がある。松明を作って、蜘蛛の巣を焼くんじゃないだろうか(記憶や経験からの仮説)
など、見た目からいろんな点をつなぎ合わせて「〇〇するのかな?」とプレイヤーが仮説をたて、行動に移すようにデザインすることができます。
アフォーダンスやそれを伝えるシグニファイアをとてもわかりやすく丁寧にまとめている本は、
「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ 玉樹 真一郎 (著) https://ux.nu/egXrz
元任天堂の玉樹 真一郎さんが書かれた本ですが、
マリオやゼルダを例に使って、なぜ人はゲームを「おもしろい」と感じるのか? なども書かれています。
言葉では簡単ですが、実際にやろうとすると難しい。
あるあるなのは、
ゲ ームという商品を企画するとき 、デザイナ ーはいつだって 「プレイヤ ーに認められなかったらどうしよう 」という不安に駆られます 。不安に負けてしまったデザイナ ーは 、ゲ ームをゴテゴテと無駄に装飾してしまうでしょう 。その結果としてでき上がるのは 、何をすればよいかもわからないゲ ーム 、要はダメなゲ ームです 。
本に書かれている内容ですが、本当にこれに陥ってしまい愕然とした経験があります。。。(現在進行形です笑)
他に、アフォーダンスについて普遍的な概念を説明してくれている本
誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論 (日本語) D. A. ノーマン (著) https://ux.nu/isTO0
というわけで、アフォーダンスについての記事でした。少しでもお役に立てれば嬉しいです!