寝室を心地よくして寝質を改善しよう
人間にとっての睡眠て、おそらく食べるのと同じくらい大切なんだと思います。
よく風邪をひいた時に食欲はなくても、なぜかいくらでも眠れるっていうことありますよね。それだけ睡眠て生命エネルギーをつくりだす源なんじゃないかと思います。
そこで、人生の1/3~1/4を過ごす空間である寝室に目を向けて、睡眠の質を良くしようというお話です。
睡眠はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を1時間半くらいのサイクルで繰り返し、寝始めのノンレム睡眠が最も深い眠りとなり、目覚めに向かって段々とノンレム睡眠が浅くなっていきます。
睡眠時間を多くとったからと言って身体に効果的とは言えず、寝始めの2サイクル(3時間くらい)が睡眠のカギを握っていると言っても過言ではありません。
いつもよりたくさん寝たのに朝の目覚めがだるいってことあると思います。
逆に3~4時間しか寝てないのにスッキリしていることもあります。
これは睡眠導入がうまく機能しなかったことによって起こることで、いかに気持ち良く寝始めたかに睡眠の質がかかっています。
では、どうすれば気持ち良く寝られるか?
ポイントは大きく2つあって、一つは照明(部屋の明るさ)で、もう一つは温湿度(部屋の快適性)にあります。
まず照明について
人間は本能的に朝日を浴びて目覚め、夕日を見て眠くなる性質があります。
そこで、就寝時刻の少なくとも2~3時間前からは強い光を浴びないことがポイントになります。
なので寝室の照明は電球色(夕方の太陽に近い色)にするのは必須で、さらに夕飯から就寝までを過ごすリビングも電球色の照明にして、寝る時間が近づくにつれて照明の明るさを落としていくのが理想的です。
最近では照明器具に調光機能が付いたリモコンが標準装備されてきていますので、明るさを上手にコントロールして夜のひとときを過ごしてみてください。
どうも体がだるい、なかなか寝付けないという方は事務所で使う蛍光灯(白っぽい光)の照明を住まいでも多用している可能性があります。
仕事を終えて帰った家でも昼間の太陽光をギンギンに浴びてるように脳は錯覚しますから、電球色の照明へ交換してみましょう。
次に温湿度ですが
人間の快適温度は夏と冬でも違いますし、男女でも筋肉量が違うため体感温度が変わります。
部屋中どこでも一定温度にする技術はできつつありますが、プライベート空間を維持する寝室と他の部屋を仕切る必要性からも難しい面があります。
寝室と他の部屋との極端な温度差はヒートショック(温度差による急激な血圧変動からくる血管障害)という家庭内事故の原因にもなりますので、寝室の理想温度は夏で25℃前後、冬で18℃前後というところでしょうか。
これは個人差や年齢差もありますから、暑過ぎず寒過ぎない範囲で心地良く感じる温度に調整してください。
現在ではエアコンに頼っている場合がほとんどでしょうから、エアコンの気流が直接体に当たらないようにエアコンとベッドの位置関係も見直してみましょう。風も体感に大きな影響を与えます。
そして湿度ですが、年間を通して快適と感じる相対湿度は概ね40~60%となります。
日本では地方によりますが、一般的に夏は湿度が高くて冬は低い傾向にあります。
同じ温度でも夏は湿度が低いと涼しく感じて、冬は湿度が高いと温かく感じます。
寝室にも湿度計を置いて湿度を上手にコントロールすることで、外気温との極端な温度差をつくらない快適な環境が可能になります。
自分の好きなアロマオイルを使って加湿したりするのも、良質な睡眠導入にとっての相乗効果となりますね。
また、床には無垢の杉板を使ったり、壁の仕上げ材に漆喰や珪藻土などを塗ると不思議とちょうどいい湿度を保つ効果が得られます。リフォームが可能なら寝室にこのような自然素材の仕上げを採り入れると、森林浴効果や血圧安定効果が同時に得られて良質な睡眠につながります。
以上が寝室の快適環境づくりとなりますが、その他、風水的に観葉植物を置いたり、整理整頓とマメな掃除、定期的な換気といった基本中の基本も押さえておいてください。
環境を整えることが心身の健康の大前提です。
できることから始めてみてください。