若者のすべて

余命一年の僕が余命半年の君と出会った話の主題歌が若者のすべてだった。

なんだか悲しかった。
こんなことを言っていたら、素敵な曲がたくさんの人に届かないという難儀があるかもしれないけど、フジファブリックの「若者のすべて」ではなく、割と若い世代の人たちに支持されているアーティストがカバーした「若者のすべて」であることが無性に悲しかった。

作品は見ていないけど、作品の感じからするとカバーをしたアーティストの爽やかな感じとかさっぱりした感じが、きっと作品との相性も抜群で、素敵なのだろうけど、私としては悲しかった。
作品も見ていないのに、誰がいうてんねんという感じではあるけれど、今の風潮的にこのエモい感じがみんな好きなんでしょ?ツボにハマるでしょ?っていう感じに勝手に私が捉えてしまって、そのエモさのために「若者のすべて」が使用というか利用されているようで、悲しかった。

あともう一つ、何が悲しかったかと考えると、フジファブリックの「若者のすべて」ではなく、何年後、時間が経った時にカバーしたアーティストの「若者のすべて」みたいになってしまうのも少しだけ悔しさがあるからなのかもしれないなと思う。
私も昔の曲で、この曲はもともと〇〇が制作したものだけど、人気アーティストがカバーすることで、その人の曲みたいになってしまって、そう思い込んでいたことがあったから、「若者のすべて」でもそれが起きてしまうんじゃないかという悲しさもある気がする。
この素敵な曲を制作したのはフジファブリックという素敵なバンドなんだと全世界に叫びたい気持ちだ。

また、このタイミングでフジファブリックが活動休止してしまうのも、悲しい。
これまでフジファブリックの歴史を辿っていくことしか知らなかったけれど、リアルタイムで自分の身に好きなバンドがもしかすると目の当たりにできないかもしれないという危機が訪れるとは、全く考えもしていなかった。
どうかどこまででも続いてほしい。

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