キングダムーー!〜最後の観劇〜
もちろんこの日の舞台も迫力あって、戦国の世を生きている感じがして痺れたけれども、家に帰ってからよりキングダムを噛み締めた日だった。
家に帰ってベッドの中に入ってから、紫夏の言葉が不意に思い浮かんで、両親のことを思い出して1人でおんおん泣いた。
私の家は裕福な家庭ではなかったが、私を大学まで進学させてもらった。
当時はそのありがたさとどれだけの苦労があったかなんて知らず、世間の家庭と自分の家が違うことに腹を立てて両親に文句を言ったり、自分の理想としていることが手に入らず両親のことを疎んだり憎んだりする時期もあった。
それが今になって考えれば、私を大学まで進学させ幸せになって欲しいからと、きつい体に鞭を打って身を粉にして働いてくれていたのだろう。
どれだけの恩恵を私は両親から受けていたのかと、考えるだけでもありがたさに涙してしまうが、その恩恵に対して私は果たして報いることができているのかと問われれば即答ができない。
紫夏は、父から受けた恩恵をまだ変えせていないと言っていたことが自分にも当てはまるようで、悲しくなってないてしまった。
恩恵は次のものへ。
私が受けた恩恵は両親のものだけではなく、気づいていないだけで、多くの人からの施しと恩を受けてきていると思う。
それをまた別の誰かにまた私が与えられるように人間として、もっと成長したい。
強くかっこいい人間に私はなりたいんだ。