言葉にできない、そんな夜。#22[4/25放送分]
前回に引き続き、「言葉にできない、そんな夜。」というEテレの番組について書いていこうと思う。
なお、番組の詳細については下記からご覧いただきたい。
この番組では、上手く言葉にできない瞬間に当てはまる言葉を模索していく。それに倣って、私も番組内で話題になったシーンを自分なりの言葉で描写してみたいと思う。
1. おいしい!以上のおいしさの表現
これは以前旅先で食べたチキンキエフ(キエフ風カツレツ)についてなのだが、正直に言って食レポは私の不得意分野だ。これに関してだけは夫の方がよほど上手いと断言できる。
きっとそこまで舌が繊細でないことが理由なんだと思う。
前々から思っていたが、文章で描かれる食事は実際に食べるよりもよほど美味しそうに思えるのはなぜなのだろうか。
今回紹介された文章も食事に関する素敵なものが多く、見ているだけでお腹が空いてきた。
その中でも、バターつながりで柚木麻子先生の文章を紹介したい。
この何者にも抗えない感じがすごく共感できるし、特に「舌先から身体が深く沈む」という表現が素敵だなと思う。
2. すごく楽しそうに話しかけられたのに、聞き取れなかったとき
このテーマが出たとき、この悩みは普遍的だったのか!と嬉しくなった。
カクテルパーティー効果とやらを起こしてくれる機関がぶっ壊れてるのか、私は「音が発せられていることはわかるけど、音の種類が認識できない」という状況に度々陥るので、このテーマはみんなどう感じているのだろう、という別ベクトルでの楽しみ方をしていた。
特にシンガーソングライターの吉澤嘉代子さんの表現には、私も覚えがある。
聞き逃してしまったとき、頭をフル回転して正しいリアクションを探りに行っている。それが気軽に「ごめん、聞こえなかった」と言えない相手なら尚更。
大抵、私は曖昧な笑顔で「そうだねえ」と返している。それもあってより共感できた表現だった。
3. 美しい夕焼けを見たとき
これは実際に撮った夕焼け写真を見ながら書いてみた。
大半は夕焼けの美しさにスポットを当てている文章が紹介された中で、太宰治の表現は独特だった。
これは、太宰が生徒と夕日を見ながら会話するシーンが綴られており、富士山から朝日を見たことがあると言った生徒に対しての会話である。
夕日に対するノスタルジーを「なまぐさい」と表現するひねくれ度合いが好きだ。
次からはリアルタイムでこの番組を追っていきたいと思う。
次回は私の好きなハチクロにも触れるようなので、今から楽しみだ。