欧州でアップル(Apple)に制裁金、音楽アプリとiPhone/iPadに理由があった
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3月4日、米アップルが競合音楽配信サービスとの競争を阻害したとして、同社に約18億ユーロ(約2900億円)の制裁金を科しました。
アップルはこの決定を受け不服申し立ての手続きを行う考えを示しています。
今回はアップル関連のニュースとその背景について調べていきたいと思います。
アップルに制裁金を課す欧州委員会の決定
アップルは今回、iPhoneやiPadのアプリ制作会社に、高い販売手数料を課したことで、消費者に損害を与えたと見なされました。
Appleのアップルストアでは手数料がかかる
Appleでは、アプリ配布手段を自社のアップルストアに限定していました。
つまり、iPhoneやiPadにアプリという形でサービスを提供するには、アップルストアへアプリ登録する必要があったのです。
そしてアップルストアのアプリについて、アップルは最大30%の手数料を課していました。
しかし今後、アップルは他社アプリストアからも、iPhoneやiPadにアプリをダウンロードできるようにすると明らかにしました。手数料の率を10〜17%に引き下げ、また、他社アプリストアを通じて配布されるアプリについては、手数料を支払う必要がないと説明していました。
しかし一方、アプリがアップルストアを使うか、競合アプリストアを使うかにかかわらず、年間インストール件数が100万回を超えるアプリについては、手数料を徴収する制度を導入しようとしているようです。
音楽配信アプリ側が苦情を申し立て
これに異を唱え、欧州委に苦情を申し立てたのが音楽配信大手のスポティファイ・テクノロジーです。
こちらは欧州ではなく日本のデータですが、音楽配信サービスの利用者数はスポティファイがトップで、2番手はアップル・ミュージックでした。
なかなか難しい問題ですね。
アップルが音楽配信サービス(アプリ)を運営する場合、アプリの手数料を払う側と貰う側が同じ会社になります。
つまり手数料の分だけコスト面で、アップルが有利になります。スポティファイ側は当然気に入らないでしょう。
しかしこれまで苦労して、iPhoneやiPadを開発してリリースしてきたのは間違いなくアップルです。アップルは手数料を当然の権利と考えているのかもしれません。
ヨーロッパ諸国の他、他の国々がどのような決断を下すのか、また機会があったら調べてみたいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
こちらの記事もオススメ