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インサイドセールスのテクノロジー活用について考える

この記事は【インサイドセールス Advent Calendar 2023】の5日目の投稿です。次回は小池さんの記事が公開予定です!

インサイドセールス Advent Calendar 2023

こんにちは、スマートキャンプCOOの阿部 ( @shiabe1204 )です。スマートキャンプ全体の事業・組織戦略や新規事業に加え、インサイドセールスアウトソーシングサービス「BALES(ベイルズ)」とセールスエンゲージメントSaaS「BALES CLOUD(ベイルズ クラウド)」の責任者をしています。

2023年9月末にはインサイドセールスの組織づくりについてまとめた『最高の成果を出し続けるインサイドセールス組織の作り方』を出版しました。読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!

インサイドセールス Advent Calendar 2023

大変お世話になっている茂野さん ( @insidesales_job ) 企画のインサイドセールスに特化したアドベントカレンダーということで参加させていただきました。貴重な機会をありがとうございます。

インサイドセールスのプロフェッショナルの皆さんから早速素晴らしい記事が発信されており最高の企画だと感じます。初日のLayerX 松本さんの記事では私の書籍にも触れていただき嬉しかったです。


本記事のテーマ

本記事ではインサイドセールスにおけるテクノロジー活用について取り上げます。実はまだまだ発信が少ないテーマではないかと思います。

セールスエンゲージメントSaaS「BALES CLOUD」の提供を通じて改めてインサイドセールスこそテクノロジーの力を活用すべきだと感じており、本記事を通じてインサイドセールスのテクノロジー活用を個人やチームで考えるきっかけにしていただけたらと思っています。

本記事を読んでいただきたい方

上記テーマになりますので、インサイドセールスに関わる方を前提として、

  • インサイドセールスの成果を高めたい方

  • インサイドセールスの効率を高めたい方

に読んでいただけたら嬉しいです。

インサイドセールスと生産性

インサイドセールスにおける顧客との関係構築の特徴

そもそもインサイドセールスとは、電話やメール、オンライン商談といった各種ツールを活用して顧客との接点構築や商談の創出を担う仕事です。

接点構築や商談創出といった成果を出し続けるためには、常に多くの顧客と1to1で関係を深めていくことが必要であり、これがインサイドセールスが生産性に向き合わなければいけない所以になります。

関係構築の対象と方法の整理

上表はマーケティング、インサイドセールス、セールスの顧客との関係構築における対象と方法をまとめたものです。

インサイドセールスが登場する以前は、マーケティングが多数の顧客と接点を作り、セールスが1社1社と商談を進めていくというシンプルなものでした。しかし、マーケティングとセールスの対象、方法が正反対になるために、受注につながらないリードにアプローチしてしまう、せっかく多数のリードを獲得してもセールスがアプローチしきれないなど、機会損失や非効率が生まれていました。

そこでマーケティングとセールスをつなぐ役割としてインサイドセールスが登場し、多数の顧客に対して1to1のアプローチを行うことで構築した接点を滑らかに商談につなげていく役割を担うことになりました。電話やメールによって顧客の状況把握や興味喚起を行い、営業活動全体の機会の最大化や効率化に繋げていきます。

インサイドセールスに求められる生産性の視点

しかし、インサイドセールスが多くの顧客と1to1で関係を深めていくにあたっては、やはり時間が壁になります。時間は有限であり、その限られた時間の中で同時に多数の顧客と関係を構築していかなければなりません。

そのため、投下した時間に対していかに成果を高めるかという生産性の視点が求められるのです。

生産性の構造

例えばインサイドセールスアウトソーシング「BALES」では、以下のような生産性指標を重視してウォッチしています。

  • CPH(Call per hourの略。1時間当たりのコール数)

  • SPH(Sales per hourの略。1時間当たりの商談獲得数)

上記は一例であり、1時間当たりの商談金額や実際に受注につながった金額などを指標にすることもあるでしょう。

テクノロジーによる生産性の最大化

行動の量と質の改善

インサイドセールスの生産性を最大化するためには、投下する時間に対する行動の量と質の改善がテーマになります。改善に向けてはオペレーションの見直しやメンバーの育成など様々な施策が考えられますが、その中でも注目したいのがテクノロジー活用です。

インサイドセールスの仕事の中心は顧客とのコミュニケーションであり、その主役はもちろん人になりますが、人がテクノロジーを活用することで成果を何倍にもすることが可能になります。

例えばテクノロジーによって本来人力で行わなければならなかった業務の代替や自動化ができれば、その分時間を捻出することができます。捻出した時間は単純に行動量の増加に充てることもできますし、1つ1つの行動により多くの時間をかけることで質を高めることもできます。また、行動に関するデータの収集と分析を行えばさらなる改善に向けた課題や打ち手も見えてくるでしょう。

成果のブレイクダウン

セールスエンゲージメントツールとは

私たちが提供しているセールスエンゲージメントツール「BALES CLOUD」がまさにインサイドセールスの行動の量と質を高めるためのツールですので、ここからセールスエンゲージメントツールを例にテクノロジー活用について話を深めていきたいと思います。

まず「セールスエンゲージメント」とは、顧客との関係を構築し、より深めていくための戦略的なアプローチやプロセスのことです。顧客とのコミュニケーションを通じて属性やニーズを理解し、それらに合わせたコミュニケーション、ソリューションを提供していくことを目指します。

そして「セールスエンゲージメントツール」は、顧客との効果的なコミュニケーションや関係構築を支援するためのツールです。CRMと一緒に活用されることが一般的で、セールスプロセス全体の効率化、自動化、改善に役立ちます。

電話やメールといった顧客とのコミュニケーションを予め「型」として設計しワークフロー化することで、ToDoの自動設定や1to1メールの自動送信を行っていくシーケンスと呼ばれる機能が特徴的です。

シーケンスの画面。展示会で獲得したリードに対する例

例えば展示会で獲得したリードに対して以下の流れを基本的なアプローチとして考えたとします。

  • Day 1:お礼メールを自動送信

  • Day 2:電話で1回目のアプローチ

  • Day 3:未接続の場合、電話で2回目のアプローチ

  • Day 5:未接続の場合、カスタマイズメールを手動送信

  • Day 6~:返信が無い場合、2~3日ごとにフォローメールを自動送信

これをシーケンスとして設定しておくことで、最適なタイミングに電話や手動メールは自動でToDoとして設定され、自動メールは手を動かさなくても自動で送られていきます。

セールスエンゲージメントツールの効果

このシーケンスの機能によって、主に以下の効果を期待できます。

  • インサイドセールスアプローチの自動化

  • インサイドセールスアプローチの型化

それぞれ簡単に説明していきます。

インサイドセールスアプローチの自動化

シーケンスによって自動化できることは、主にToDoの設定とメールの送信です。

まずToDo設定の自動化は、次のToDoを考えたり作成したりする時間の削減や設定漏れの防止などにつながります。インサイドセールスは1日に大量のToDoに向き合う仕事ですのでこれだけでも大きな効果が期待できます。

そしてメールの自動送信に関しては、電話で顧客にアプローチしている間に同時並行で別の顧客にメールでアプローチを行うといったことができるようになります。

例えばLTVの大きな顧客に対してはToDoの自動設定機能を活用して電話やカスタマイズメールを組み合わせて時間をかけてアプローチし、LTVの小さな顧客にはメールの自動送信機能を活用してメールだけで商談を創出する効率重視のアプローチをするなどが考えられます。

インサイドセールスアプローチの型化

設定したシーケンスから結果としてどのような成果が得られたのかについてはデータとして蓄積しますので、そのデータを基にシーケンスのPDCAを回していきます。

また、シーケンスはインサイドセールスのメンバー1人1人が考えていくものですので、ハイパフォーマーとそうでないメンバーのアプローチの違いも見えてきます。

PDCAサイクルによるシーケンスの最適化やハイパフォーマーのアプローチの可視化を通じて組織としてのインサイドセールスアプローチの型化が進み、組織全体のパフォーマンスの底上げや再現性の担保を実現できるのです。

テクノロジー活用と文化醸成

セールスエンゲージメントツールの効果として自動化や型化について説明しましたが、もう1つ重要な効果として「どのようにアプローチするか」をしっかりと考える文化を醸成できることが挙げられます。

実際に私たちが自社でセールスエンゲージメントツールを活用していて感じるのは、新しい属性やリードソースの顧客にアプローチをする際に、いつ、どのようなアクションを取っていくべきかについて議論することが圧倒的に増加したことです。

インサイドセールスのアプローチの自動化や型化を促進するツールを活用しているからこそ、インサイドセールスのアプローチについて議論する文化が生まれたと言えます。

セールスエンゲージメント以外のツールももちろん同様で、そのツールを最大限活用しようとすることで文化がアップデートされるのです。そのため、文化を作るためにまずツールを導入するということもお勧めしたいです。

最後に

テクノロジーの活用は、テクノロジーと一緒に仕事をするという感覚で向き合うのが理想だと思っています。テクノロジーをパートナーとして、強みや足りない部分を補い合いながら仕事をしていく。そういう世界が素敵だなと思います。

ちょうど年末年始の休みを迎えますので、ぜひ本記事をお供にして、インサイドセールスにおけるテクノロジー活用について考えてみていただけたら嬉しいです。2024年にテクノロジーによって生産性が劇的に改善したといった発信が増えたら最高ですね。

そしてスマートキャンプでは一緒に挑戦してくれる仲間も募集しています。アウトソーシングを中心にインサイドセールスの募集もしていますし、事業企画やマーケティング、セールス、メディア、エンジニア、コーポレートなど様々なポジションで募集しています。スマートキャンプでの挑戦に少しでも興味を持っていただけたらぜひご連絡ください!


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