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次に期待なんてしたくない


「また、来年来たらいいじゃん」

あなたのそんな気休めの言葉なんて欲しくない。
今、この時を私はあなたと全力で楽しみたい。そう、思っていたのに。
そのことにあなたは気づかないで笑う。

「来年またあなたとこれる保証なんてないじゃない」

私の精一杯のか細い言葉は、口から出て行ったのか、蝉の声にかき消されたのか、わからなかった。ただ、あなたは振り返らずに歩き続けた。


毎年のようにニュースでは、「去年より〇〇度高い温度で…」「例年よりも…」と
過去と現在を比べたがる。そんなことに意味なんてないのに。

過去と比べて救われるものなんてない。未来を想像したってその通りになる保証なんてない。私たちができることは、今この時をどう行動するかだけだ。


「また、来年来たら」なんて言ってたあなたの居場所はもう知らない。

未来に保証なんてできないんだから、今を私と生きてよ。


そんなこと言う私はわがままですか。


もうすぐ夏も終わる。

季節は繰り返すけど、同じ日は1日もない。

私は今日も太陽に寄り添う雲を眺める。


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しーた
ここまで読んでいただきありがとうございます。 本と友達になります。