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シンクロニシティ

シンクロニシティの漫才も「ツッコミ」的なリズムの取り方を軸に組み立てられていると思います。その上で「回し」と「コメント」の割合が絶妙で聞いている内に段々とトランス状態を引き起こすような癖になってくる聴き心地をしています。


2人とも気質として「ツッコミ」的というか、相手や流れに合わせた上で発言を挟んでいくタイプなのだと感じるのですが、西野さんの方がより抑揚があり助長的で会話のテンポをあまり途切れさせないように繋いでいく意識が聞き受けられます。口の裏に舌が張り付いているような少し篭った声質で常にアップ気味で喋るので大泉洋さんの醸し出すおかしみのような空気感が出来上がっています。


ボケのよしおかさんはボソボソと小さい声で話しているのですが聞き取りづらくはありません。低過ぎず遅過ぎず一言ボケとしてちょうど良いくらいの喋り方をしていると思います。なおかつ割と長めの台詞でも噛まずに言い切ります。句読点を付けずにトーンをズラさず安定感を維持したままコメントを挟み込む集中力のようなものが高いと感じます。


この相手や流れに合わせた上で発言を挟んでいく気質の2人がそれぞれの持ち味が出るベストな言葉のサイズ感で割り振って掛け合っている状態です。西野さんの良さを出すためには同じような抑揚を何度も何度も繰り返す事でおかしみを増幅させ、よしおかさんの良さを出すためには溜めて溜めて期待値を上げてからの一言のスペースを設け続けさせる、というやり方を積み上げてゆく事で徐々に徐々に聞き手を一種の催眠状態のようなゾーンに持って行ってるわけです。

お互いの気質が近いからこその相手に半分ずつ合わせる事で相乗効果が生まれているのではないでしょうか。なのでお互い本来のテンポよりちょっとずつ早いとも感じます。

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