八兆にそ
YouTuberの八兆にそさんのモノマネとそのふざけ方のバランスがちょうど良くてそのクオリティは目を見張るものがあります。
タモリさんがやってたような四か国後麻雀のネタを彷彿とさせる言語感覚の解体をギリギリ会話や意味理解として通じる範囲に留めています。ベースは柳原可奈子さんや清水ミチコさんなどの人物描写を出発点としているはずですがそこから加速度的に音や響きなどのノリ方の領域に突入するギアチェンジが半端ないです。
この芸が生まれている背景はオンラインの発達により受け手に顔を見せてはいないしその上で音声的なメディアを介していたとしても例えばラジオスタッフなどがその場にいない事により完全なる一人芸をダイレクトに提示している状態にあります。つまり誰とも対面していない工程で届けられているわけで、その純度の高い密室芸そのものが支持を得ているという凄みがあります。
プラス完全なる音声メディアでなく捕捉説明的に画像が挟み込まれる事でその対象の概念化にも一役買っています。これにより聴覚のみだけだと伝わらない可能性があるタイプの受け手もその共有範囲を獲得する事ができそれによってよりカオス感のある領域に混沌を押し進める事を達成させています。わけわからん事のレベルと伝わる人数がちょうど半々のポイントをおさえているという事です。声質とその使いこなしはラーメンズの小林賢太郎さんに似ています。