トニー谷

トニー谷さんの喋りの繋ぎ方はその流れるようなメロディの乗せ方と語尾で引っ掛からせる「～ザンス」言葉を繰り返すことで独特で癖になってくるグルーヴを生んでいます。

嫌味なキャラ設定を演じているという部分ももちろんあるのでしょうがこの妙に耳に残る声の使い方が良くも悪くも印象が強く、ネタ以外のこの動画のフリートークでも基本そこまで変わりません。そしてまたこの人もそのスタイルがコメント芸的であり自分でターンのテンポを言葉数によって少し捲し立て気味に作り上げていますがベースはタモリさんの進行に合わせています。

キャプテン渡辺さんのネタや武田砂鉄さんのラジオでの一人喋りのような自分で自分にフリ続けて返し続けるような体型の話し方で聞き手を引き付ける手法を取っています。なので自分が中心で他者を巻き込むシチュエーションの時はその台詞量やスピード調整で作り上げた空気とシステムの中に相手側が入ってきてもらう事で成立させています。その開けているスペースに入ってきた瞬間だけ相手に合わせる事で全体のベースを取り戻しまたすぐ自分のターンに戻るという息継ぎみたいな事をして惹き付けの延命をはかる感じです。それによって全体の盛り上げをはかっています。

この高飛車な発言や雰囲気、コメント芸的なものを矢継ぎ早に数珠繋ぎをしてゆく事で場の注目やペースを持っていくスタイルは今の時代だとオリエンタルラジオの中田敦彦さんとかが近いと思います。三四郎の小宮さんの漫才でのツッコミ芸も時たま吹っ掛けるような言い回しや長めのフレーズで掛け合いを埋めたりして少し要素的に似た引っ張り方をしている瞬間があり、現代的なツッコミやエピソードトークでの間合い的なものの原始的な型に関係するような文脈の芸だと感じます。