阿佐ヶ谷姉妹
女芸人No.1決定戦 THE W 2018チャンピオン、
「とんねるずのみなさんのおかげでした」の第22回細かすぎて伝わらないモノマネ選手権優勝、
劇団東京乾電池研究所で出会った2人が結成したコンビ阿佐ヶ谷姉妹。
派手な衣装と素朴な風貌、穏やかな話し方でほのぼのとした印象がありますが、コント、漫才、モノマネ、歌唱、フリートーク、と その芸の幅の広さには驚かされます。
2人とも似た見た目なので認識しにくいですが、見てるとけっこう明確に役割分担的なものが分かれいる事に気付きます。
妹の美穂さんの方が、阿佐ヶ谷姉妹のあのふんわりとした独特で不思議な空気感を維持し どこか掴ませない 何とも言えない可笑しみを常に管理してて
かと思えば、
いきなり突拍子のない事を言ったり
相方の江里子さんをいじる様な発言などをしたりして、
穏やか空気感を穏やかな空気感のまま、微妙に停滞させないように意図的な規則性のなさをさり気なく入れ込んでくるのが感じられます。
阿佐ヶ谷姉妹が阿佐ヶ谷姉妹として
バラエティ番組の中での立ち位置を確保出来ている理由の、その震源地は美穂さんから発生してるのだと思います。
姉の江里子さんも、
そのふんわりとした空気感を醸しながら、ただこちらは美穂さんより率先して前面に出て対人的に場を取り繕いつつ、
上品さのある言葉遣いや高貴さを感じる立ち居振る舞いで、コンビの雰囲気をより多層的に展開させていると思います。
加えて
ツッコミ役、進行役、だけに留まらず
そのハスキーで色気のある声色を駆使して、バラエティ番組で芸人さんが披露する歌の想定レベルを超えた歌唱力を見せ付けてインパクトを残したりしています。
阿佐ヶ谷姉妹が素人のご婦人的なニュアンスを面白がられていた原始段階の殻を破って、まず最初に外交を行ったであろう江里子さんのおかげで今現在の 芸人・阿佐ヶ谷姉妹のブランディングが形作られたのだと感じています。
この タイプの微妙に異なる2人が組み合わさった上で似た見た目に施す事で、阿佐ヶ谷姉妹の広範囲を網羅した縦横無尽な面白さが構築されていると感じています。
ふんわりとした空気感でくすぐるような面白さを漂わせるコスプレ芸先行の芸風かと思いきや、
テンション高めで身体を動かすハイテンポの漫才、大喜利的なボキャブラリを絡めたギャグの応酬、声真似や顔真似に歌唱力を塗した座敷芸、ご婦人的なキャラクターを活かしながらも2人暮らしを続ける事で生まれる変則的な日常エピソード、などなど
その球種の豊富さは枚挙に問いません。
役割分担が分かれてるけど、見た目やテンションを似せる事で、2人の空気は共同的に周囲から明確に分離させることが出来ているため、可動域が広がっているのだと感じています。
アンガールズやオズワルドと近いバランスのフォーメーションだと思います。