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アンキモの方がフォアグラより美味い。それは真実

「美味しんぼ」という漫画があって、その中で主人公が「フォアグラより美味いアンキモ(アンコウの肝)を食わせてやる」って言ってアンコウを釣りに行くという有名な話がある。

実際問題、最上のアンコウの肝は多分フォアグラより美味い。

フォアグラが出てくる漫画に関しては気になる漫画があって、僕が大好きな「スナックバス江」の中(7巻/127話)で、常連客の山田が、友達の結婚式でフォアグラを食べたら苦かったという話が出てきて、「そんなワケあるか」とどこにもささらないツッコミを入れるしかないのである。

もしも苦いフォアグラが出てきたのだとすれば、そのフォアグラは腐ってるのでそんなものを出す結婚式場には保健所の調査を入れるべきだ。シミったれた香りのするトリュフともども、そんな紛い物の存在を許しては行けない。

もしかして北海道(スナックバス江の舞台は札幌なので)のフォアグラは腐っているものしかないのか?それともフォアグラという名前の違う食べ物なのかわからないが、とにかくフォアグラが苦かったら一大事である。ヤングジャンプの編集部にフォアグラの味がわかる編集者は一人もいないのか。

僕はフォアグラがすごく好きというわけでもないのだが、フォアグラは産地で食べるものが一番美味いと思う。フォアグラの産地といえば南仏だ。

ゲームで有名なカルカソンヌという城塞都市では新鮮なフォアグラを食べることができる。

新鮮なフォアグラは、黄色味がかっている。肝臓なので苦いと思い込んでる人もいるかもしれないが、極上のレバ刺しに全く臭みがないのと同じ以上に、ちゃんとしたフォアグラには臭みは一切ない。

そして舌触りが滑らかで、これがフォアグラをフォアグラたらしめる特徴となっている。良いフォアグラは産地でないと食べられないので、東京で食べることのできるフォアグラは必然的に二級品以下ということになる。いくら空輸しようが絶対的な距離の差はどうにもならない。パリの星付きレストランですら鮮度が高いフォアグラは滅多に出てこない。

しかし極上のアンキモは、最上のフォアグラを易々と上回る滑らかさと濃厚なコクがある。

僕にとって年に一回だけ、友人に頼み込んで連れてってもらうふぐ料理屋でアンキモを食べるのがほとんど唯一の生きる希望なのである。この世にうまいと言われるものは数あれど、極上のアンキモほど美味いものはそう滅多にないのではないか。

ただまあ、おいそれと食えないという意味ではカルカソンヌのフォアグラもアンキモもあんまり変わらないのかもしれない。

ところで最近、テクノエッジ松尾さんとフラっと立ち寄った「ラムちゃん」の野菜がうまい。

うますぎて泣けてくるのである。

浅草橋のラムちゃんが美味すぎて感動していたらそのままインフルエンザになってしまった。

インフルエンザになると体力が一気に持っていかれるので、人並みに食欲が湧いてくるようになるまで難儀した。一日一食も厳しかった。

麻婆豆腐とチャーハンを出前して、いざ食べようとすると全然食べられなくて、残すのが怖くて吉野家にさえ行けなくなった。

でも忘年会シーズンなので毎日のように凄い美味いものが出てくるから、食べないと申し訳ないし実際美味い。

でも病み上がりのせいかやっぱりちょっと少食になったかなあ。
暴飲暴食がしたいわけでは決してないのだが。

「スナックバス江」にはトリュフの話も出てくるが、「トリュフをガッツリ食べたい」という話が出てきて「そんな食い方する奇人はいない」ということをヤングジャンプの編集部の人は誰か教えてあげてほしい。

トリュフは食べ物にかけて食べる

トリュフを松茸みたいに食べるということはまずなくて、普通は薄くスライスして香りだけを楽しむ。

ごく稀に、トリュフを丸齧りしながら赤ワインを飲む、みたいな奇特なお作法のお店もあるにはあるが、白トリュフって100gで15万円くらいするから、普通はそんなの齧る人いないのよ。齧ってもそんなに美味しいものでもなし。

僕が本当に一番訳変わんない三大珍味はキャビアで。キャビアはカスピ海産のものだと25gで2万円くらいする。これをパンとかに乗せて食べる訳だが、正直、キャビアだけはありがたみがよくわからない。

同じ魚卵なら、きっかわのいくら醤油漬けの方がうまいのではないかと思うのだ。

いつの日かキャビアの美味しさに目覚めてしまう日が来てしまうのだろうか。今のところちょっとわかんねえなあ。

まあ結局、日本はフォアグラとキャビアよりアンキモとイクラが美味いという話でしかないのだが