Qwen2.5-Maxがすごいらしい/文章も動画も作れる
DeepSeek-R1が話題を席巻する中、しれっとリリースされたQwen2.5-Maxもすごいらしい。
これまでQwenは基本的に重みを公開してきたが、Qwen2.5-Maxは重みは公開されていないようだ。
ただ、HuggingFace SpacesのQwen2.5-Maxを見ると、いろいろなLLMやVLMの組み合わせをMaxと呼んでいるだけなのかもしれない。ここら辺はよくわからない。
Qwen2.5 Maxを使う一番簡単な方法はQwen-Chatに登録することである。動画生成や静止画生成、Web検索、アーティファクトで一緒にプログラムやドキュメントを編集する機能もある。
テトリスは簡単に作れたが、ぷよぷよは作れなかった。
Qwen-Chatは、無料で使用できるほか、OpenAI互換のAPIも提供されている。
HuggingFaceのQwenの項目を見ると、72BのQwen2.5-Instructと、Qwen2.5-Mathなどを組み合わせたものがQwen2.5-Maxなのかもしれないが真偽不明
とりあえず、実力はどんなもんかと思って非常に簡単なプロンプトを与えてみたが、結構いいのではという結果が返ってきた。
以下がその結果
プロンプト:量子宇宙が舞台のショートSF小説を書いて
結果:
タイトル: 「観測者の選択」
宇宙は静かだった。いや、正確には「静けさ」という概念さえも存在しない場所だった。ここは量子宇宙――物質とエネルギーが確率の波として漂い、現実そのものが未確定な状態で揺らめいている空間。
エリスはその中心に立っていた。彼女自身、物理的な存在ではない。むしろ、彼女の意識は量子ビットの集合体であり、無数の可能性の中を漂うために設計された存在だった。彼女は「観測者」としてこの宇宙に送り込まれたのだ。
「目標地点まであと30秒……準備はいい?」
耳元で響くのはAIアシスタントの声だ。しかし、エリスは答えなかった。彼女にはすでに覚悟ができていた。
今回の任務は単純なようで、非常に危険だった。量子宇宙では、観測行為自体が現実を決定づける力を持つ。エリスの役割は、特定の量子状態を選んで固定すること――つまり、未来の可能性から一つの「現実」を選ぶことだった。
だが、問題があった。
過去5回の試みすべてが失敗に終わっていたのだ。
最初の観測者が狂気の淵に追い詰められ、二番目は自己矛盾により消滅した。三番目以降の詳細は記録すら残されていない。それでも、人類は諦めなかった。なぜなら、この作業が成功すれば、人類は完全な予知能力を得られるだけでなく、自分たちの運命さえ書き換えることができるからだ。
「開始します。」
エリスの目の前に、光の粒子が浮かび上がる。それはただの光ではない。量子波動関数――無限の可能性を秘めたデータの塊だ。それを凝視するだけで、彼女の頭の中には無数の未来が流れ込んでくる。
ある未来では、地球は繁栄し、人類は星々へ進出している。別の未来では、戦争と飢餓で文明が崩壊している。さらに別の未来では、太陽系全体がブラックホールに飲み込まれている。
「どれを選ぶべきなのか……」
エリスは唇を噛んだ。これが彼女の最も難しい決断となるだろう。
「エリス、時間がない。すぐに決定を!」AIが警告する。
しかし、エリスは迷っていた。選択肢が多すぎるのだ。どれが正解なのか? そもそも、「正しい未来」とは何なのか?
そして、突然、彼女の中に異変が起こった。思考が混濁し始め、異なる未来同士が衝突するような感覚に襲われる。まるで、彼女の意識が量子的な重ね合わせ状態に入り込んだかのようだった。
その瞬間、彼女は理解した。
自分が選ぶ必要などないのだ。
エリスは両手を広げ、全ての未来を受け入れるように叫んだ。「私は観測しない! 全ての可能性をそのままにする!」
すると、驚くべきことが起きた。光の粒子が爆発的に広がり、彼女の周囲に無数の平行世界が展開される。それぞれの世界線が独立して動き出し、互いに干渉することなく存在し続ける。
AIの声が遠くで響く。「ミッション失敗……観測者が……崩壊しました……」
しかし、エリスはもうそこにいなかった。彼女の意識は量子宇宙全体に溶け込み、全ての可能性を同時に生きる存在となったのだ。
その後、人類は再び同じ実験を行うことはなかった。というのも、彼らの住む現実が急速に安定し始めたからだ。原因は不明だが、宇宙全体が調和を取り戻したように見えた。
一部の科学者はこう推測した。
「観測者エリスは、私たち全員のために『選択』という呪縛から解放してくれたのではないか?」
そう。彼女は究極の犠牲を払い、人類に自由意志を与えたのだ。そして今もなお、どこかの量子レベルで、彼女は笑っているのかもしれない――無限の可能性の中で。
(完)