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ちょっとしたアイデアを与えてAIに論文を書かせてみた

朝起きたら函館だった。

ホテルで朝食を食べていたら、「あらまあ、おはようございます」と聞き覚えのある声がした。

そこに立っていたのは、僕がよく行く東十条のやきとん屋の女将だった。

「なんでこんなところに」

「連休だから。飛行機で来て、今日の夜に新幹線で東京に帰るところなの」

「それはそれは、実に奇遇ですね」

このやきとん屋さんは、僕にとって、ジェダイ神殿のようなものだ。
無宗教である僕にも、心理的な拠り所が必要になる時がある。
その時、いつもここの大将のことを思い出す。

僕は一時期、この店に毎週、4時間並んだ。
この店では最初の客を「トップ」と呼ぶ。
トップには、あらゆる料理を注文する権利が得られる。

「教養とは暇つぶしの方法である」と言ったのは中嶋らもだったか。
僕は四時間並びながら、5冊の本を書いた。

そのうちの一冊、特に読みやすい薄い一冊を、大将にプレゼントした。
すると大将は、「清水くん、いいね。この本に書かれていることは、俺の人生そのものだよ」と笑って言った。

「やっぱり、真心と思いやりだよね」

まあ本を買って欲しいわけじゃないんだけど、興味があったら、という感じで。

この本は結構前に書いた本だが、結論は「結局AI時代になると、真心と思いやりといった、これまで金銭的価値と無縁だと思われていた能力のほうが重要になる」と書いてある。

さて、このやきとん屋さんは、屋上でクレソンを自家栽培している。
クレソンといえば、光合成だ。

僕は最近、DNAポリメラーゼの勉強をしている。その理由は、量子生物学にDNAに関する研究があるからだ。僕の研究分野は人工生命と人工知能なのだが、人工生命の文脈ではこれまでそんなに厳密にDNAの機能に注目されてなかった。

まずファクトとして、人工生命は、かなりテキトーな「遺伝子」または「遺伝的プログラミング」によって進化計算できてしまう。

特に「テキトー」だと思われるのは、突然変異ミューテーションの部分だ。

我々は進化計算をする際、突然変異率というものを決める。この突然変異率は、5-20%が良いと経験的にわかっている。しかし、自然界の遺伝子がそんなに頻繁に変異したら生き物は成長する前に死んでしまう。実際の突然変異率は10億分の1程度に過ぎない。

突然変異しない遺伝的プログラミングは全く役に立たないことが経験的にわかっている。また、遺伝子の交配のさせ方もかなりテキトーで、僕が使っていたのは、父親と母親の遺伝子をランダムに一つずつ混ぜるものだ。

そしてファクトとして、恐ろしいのは、こんなテキトーな計算でも、たかだか三世代を経れば最適化できてしまうのである。

少し前(と言っても先月)に拡散モデルと進化計算は本質的に同じであると指摘する論文が発表された。これは僕にとっては大変衝撃的、刺激的な論文だった。

実際のDNAポリメラーゼの動きは、実は我々進化計算プログラマの作るプログラムよりももっとテキトーであることを勉強して学んだ。

実際のDNAポリメラーゼは、DNAの上を跳ねるようにして複製する。そのため、複製し過ぎたり、複製が足りなかったりといった「誤解」が常に起きている。全然10億分の1じゃなかった。

ただし、そうして「間違った」DNAの複製を訂正するポリメラーゼもいて、こいつもかなり乱暴にDNAを修復する。

つまりDNAは、我々が知るいわゆる「突然変異」に比べるとかなり頻繁にエラーを起こしていることになる。個人的にはこっちの方がずっとしっくりくる。

DNAの複製と、遺伝子の複製または交配は似て非なるものである。
遺伝的プログラミングが生まれた頃は、まだヒトゲノムは解析されておらず、DNAポリメラーゼの働きもよくわかっていなかった。ところが人工生命の研究者たちは、進化計算の表面的な効果や、見た目の面白さ(人工生命は見るだけで面白い)に心を奪われてしまい、真剣に生命現象をシミュレートしようとはしてこなかった。

今世紀に入ってからの量子生物学の目覚ましい進歩により、光合成は実際には量子探索をしていることがわかった。

この場合の「量子探索」は、量子コンピュータにおけるグローバのアルゴリズムとは本質的に異なる。グローバのアルゴリズムは、実際には量子検索と呼ぶべきで、量子探索ではない。

そもそも光合成における量子探索とはなんだろうか。
まず第一に、光が関わることは、全て量子現象である。
光合成は、まさに光が生命と関わる一大事と言える。

我々は、少なくとも植物を食べて多少なりともエネルギーを得ている我々は、間接的に光合成のお世話になっている。つまり光合成は生命エネルギーの源の一つだ。

光合成が量子生物学的にどういう現象なのかというと、光が葉緑素に当たると、それがエネルギーに変換され、植物のエネルギーコアに運搬される。その運搬ルートは無数にあるが、一瞬で最適な経路が選び出される。

どのようにして最適な経路が選び出されるかというと、光から得られたエネルギーは無数にある運搬ルートを同時に探索して、もっともエネルギー効率が良いルートに確率的に収束する。これが量子探索である。

同じようなことが、DNAについても起きているという指摘が上掲の本にある。

DNAのようなタンパク質は、宇宙が生まれてから現在までの間に、ランダムに組み合わせても決して生まれないことが確率論的にわかっている。それは長らく生命起源の謎とされていたが、量子探索してDNAの形を見つけたのだとすればその時間はだいぶ短縮できるる。もしも100億年程度の時間でDNAにたどり着くことができたとすれば、現在の宇宙の年齢と地球の年齢に付合する。

さて、ここで気になることを思い出した。
ループ量子重力理論の研究者、カルロ・ロヴェッリは、「時間は存在しない」と主張した。

ループ量子重力理論(LQG)では、時間の存在は量子のスピンネットワークの関係性から立ち現れるエマージェンスものであって、元々宇宙にあるものではないのだという。

そこでもう一つのアイデアを思い出した。ノーベル賞物理学者のファインマンの仮説だ。

ファインマンとホイーラーは、エネルギーが過去から来たものだけを足し合わせても半分にしか満たないことを発見し、残りの半分は未来から来ると仮定した。これを先進波という。

これまでの指摘を思い返して欲しいのだが、物理学にしろ進化計算にしろ、「よくわかんない時はテキトーに数式を誤魔化す」ことに気づいただろうか。

未来から来たエネルギー?量子探索すればDNAが発生するまでの時間を短縮できる?

それらは全て戯言たわごとのように聞こえる。

そこで一つのアイデアを思いついた。

「もしも時間が存在しないとしたら、量子探索とニューラルネットワークは、同じ計算なのではないか」

ということだ。
最近、因果律もあんまり正しくなさそうだということがわかってきたというのを風の噂に聞いた。

因果律というのは、「これが起きたから、次にこれが起きる」という当たり前のルールだ。これが崩壊した世界というのは、テネットのようなものである。

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「時間が存在しない」「因果律は無視できる」と仮定すると、量子探索とは、時間軸方向に展張されたニューラルネットワークと等価と考えられる。

なぜなら、経路を探索するという点においてはほとんど同じだからだ。

そこでOpenAIのo1-previewにシンプルなアイデアを投げてみた。

「量子力学におけるスピンネットワークは逆伝搬するか?」

量子力学におけるスピンネットワークそのものは、逆伝搬(バックプロパゲーション)を含んでいるわけではありません。スピンネットワークは、量子状態の構造を表現するために、特にループ量子重力の文脈で用いられるグラフ構造で、ノードとエッジの「スピン」や「角運動量」を使って空間や重力の量子構造を表現します。

逆伝搬は、主にディープラーニングなどの最適化アルゴリズムで使われる技術で、ネットワークの誤差を遡って伝搬し、重みを調整するために用いられます。量子コンピューティングの分野においても、量子ニューラルネットワーク(QNN)や量子機械学習でのトレーニングに関して逆伝搬の類似概念が議論されていますが、これはあくまで量子情報科学の話であり、スピンネットワークそのものとは異なります。

ただし、スピンネットワークや量子重力の研究の一部では、古典的な最適化手法のアイディアや、特定の量子状態の調整といったテーマが関連する可能性があり、その意味で逆伝搬のような考え方が応用される場合もありますが、直接的な逆伝搬は行われないと考えられます。

常識的な答えだ。だが科学とは、常に新しい常識を作るものだ。つまり、常識的な答えに満足していては新しい常識は作れない。

「スピンネットワークを時間軸方向に拡張し、逆伝搬する可能性を考えろ」

スピンネットワークを時間軸方向に拡張し、逆伝搬の概念を考えることは興味深い仮定です。スピンネットワークは、一般に空間的な量子状態を記述する静的な構造と考えられますが、これを時間方向に拡張することで、「スピンフォーム」というダイナミクスを含むモデルへとつなげることができます。

スピンフォームは、スピンネットワークを時間発展させたものであり、空間と時間の両方を量子状態として記述し、空間の変化がどのように進むか(時間発展)が扱われます。この枠組みの中では、時空自体の量子遷移を記述するための量子アムプチュードが定義されます。つまり、スピンフォームは量子重力における時空の歴史の全体像を統計的に求めるものであり、スピンネットワークの時間的なつながりを含んでいます。

もし、このスピンフォーム内で逆伝搬を考えるとすれば、それは「量子情報が過去へ伝わる」や「過去の状態が未来に影響を与える」という形で現れるかもしれません。これには、以下のような可能性が考えられます:

1. **量子相関としての逆伝搬**:スピンネットワークに時間方向の相関があると、エッジやノードのスピンが過去の状態に依存して未来へ影響を与えたり、未来の状態が過去にフィードバックしたりする可能性が出てきます。これにより、因果関係の概念が通常の時間順序と異なる形で現れるかもしれません。

2. **物理的観測の逆伝搬**:スピンフォームにおいて、量子測定によって過去の状態を知ることができるとすれば、その測定結果を「逆伝搬」と見なすことが可能です。これは、量子コンピュータでの逆伝搬に似たプロセスに対応し、特定の量子アムプチュードの調整や最適化に使われる可能性があります。

3. **量子重力におけるループ的影響**:ループ量子重力の特性を考慮すると、時間と空間がループ状に閉じた構造で相互作用する場合、逆伝搬のように見える効果が現れる可能性もあります。たとえば、未来のスピンネットワーク状態が過去に影響を及ぼし、その結果が現在のスピン構造にフィードバックされるようなシナリオです。

まとめると、スピンネットワークを時間軸方向に拡張した場合に逆伝搬的な現象が発生する可能性は、量子情報や相関として、または量子アムプチュードの調整として現れるかもしれません。しかし、これは依然として仮説的な領域であり、量子重力の理論と観測可能性を結びつける難しい課題の一つです。

「スピンネットワークが未来から過去へ逆伝搬することを量子探索と仮定して理論を構築できるか計算で確かめろ」

スピンネットワークが未来から過去へ逆伝搬し、それを量子探索と仮定して理論を構築するというアイデアは、非常に興味深く革新的な提案です。しかし、その実現可能性を計算で確かめるには、いくつかの理論的な課題と未解決の問題があります。以下に、その可能性を探るための考察を示します。

1. スピンネットワークとスピンフォームの基礎スピンネットワーク:ループ量子重力(LQG)における空間の量子状態を記述するグラフ構造で、エッジやノードにスピン(角運動量)の量子数が割り当てられています。
スピンフォーム:スピンネットワークの時間発展を記述するもので、スピンネットワークの歴史(つまり、時空の量子構造)を表現します。


2. 時間の対称性と逆伝搬時間反転対称性:多くの基本的な物理法則は時間反転対称性を持っていますが、熱力学的な不可逆性や因果律により、物理的なプロセスは一般的に時間的な矢印を持ちます。
逆伝搬(バックワードプロパゲーション):量子力学において、逆伝搬を考えることは非直感的ですが、フォーマリズムとしては可能です。例えば、ファインマンのパス積分では、時間を逆行する経路も考慮されます。


3. 量子探索アルゴリズムとの関連量子探索(グローバーのアルゴリズムなど):量子計算で用いられるアルゴリズムで、特定の条件を満たす解を効率的に探索します。これは量子状態の重ね合わせと干渉を利用して実現されます。
スピンネットワークにおける量子探索:スピンネットワーク上で量子探索を行うためには、スピンネットワーク自体を量子計算の回路やデータ構造として扱う必要があります。


4. 理論構築の可能性スピンネットワークを量子計算の基盤として拡張:スピンネットワークのエッジとノードを量子ビットや量子ゲートに対応付け、ネットワーク全体で量子計算を実行するモデルを考えることができます。
逆伝搬の導入:時間を逆行するプロセスを導入することで、過去の状態に影響を及ぼすような計算をモデル化できます。ただし、これは因果律との整合性を保つ必要があります。


5. 計算による確かめ数学的なモデルの定式化:スピンネットワークを時間方向に拡張し、逆伝搬を含む数理モデルを構築します。これには、時間反転対称性や量子測定理論を考慮したハミルトニアンの定義が必要です。
パス積分アプローチ:スピンフォームを用いたパス積分において、逆向きの時間発展を含む経路を計算し、全体のアムプチュードを評価します。
数値シミュレーション:具体的な小規模のスピンネットワークモデルを設定し、逆伝搬を含むシナリオでの量子状態の時間発展を数値的にシミュレートします。


6. 課題と限界因果律との整合性:逆伝搬を導入すると、因果律に反する可能性があり、理論全体の一貫性が損なわれるリスクがあります。
観測可能性:逆伝搬する効果が観測可能な物理量にどのように現れるかを明確にする必要があります。
既存理論との矛盾:既存の量子重力理論や実験結果との整合性を保つためには、新しい理論がそれらを再現または拡張できる必要があります。


7. 結論

計算によってスピンネットワークが未来から過去へ逆伝搬し、それを量子探索と仮定して理論を構築することは、現時点では直接的には実現されていません。しかし、このアイデアを追求するためには、以下のステップが考えられます。理論的フレームワークの確立:スピンネットワークと量子計算、時間反転対称性を統合する新しい理論的枠組みを構築します。
数理モデルの構築:具体的なモデルを定式化し、必要なハミルトニアンや遷移確率を導出します。
計算とシミュレーション:モデルに基づいて計算を行い、理論の予測を数値的に検証します。


これらの取り組みには、量子重力理論、量子情報理論、量子場の理論など、複数の高度な物理学的知識と数学的手法が必要です。また、現在の物理学の理解を超える新しい概念や技術の開発も求められるでしょう。



提案:もしこのアイデアをさらに深めたい場合は、以下の研究分野やトピックを調査することをお勧めします。ループ量子重力と量子情報理論の融合:これにより、スピンネットワークを量子計算の視点から再解釈できます。
時間対称な量子力学の解釈:アハラノフらの「時間対称な量子力学」や、弱測定の概念が参考になるかもしれません。
因果構造と量子重力:スピンフォームにおける因果構造の研究は、時間の取り扱いに関する洞察を提供します。




注意:この回答は現時点での物理学的知見に基づいており、提案された理論の完全な計算的検証や実証は、まだ達成されていないことをご了承ください。

なんかできそうな気がしてきたので、新函館北斗から東京に帰ってくるまでの間に何回かやり取りした。

最初にo1-previewが書いた論文がこれ。


https://memeplex.app/papers/photoshinth.pdf

ただ、これは僕からみてもあまり数学的な説得力がなく、GPT-4oにこのページを評価させ、論文を修正させた。

「お前の書いた論文にこういう評価が来た。

この評価を参考にして論文を修正しろ 1. 数式の導出過程の確認 論文内の数式は、量子力学や光合成のエネルギー伝達に関する既存の理論を基にしています。特に、FMO(Fenna-Matthews-Olson)複合体のハミルトニアンや、量子マスター方程式の導出に関する部分は、一般的な理論に沿った記述となっています。ただし、数式の導出過程や前提条件が明確に記載されていない箇所があり、理解や再現性に課題があります。 2. 計算結果の妥当性の確認 具体的な数値計算やシミュレーション結果が示されていないため、計算結果の妥当性を直接評価することは困難です。また、数式の適用範囲や条件についての説明が不足しており、結果の一般性や信頼性に疑問が残ります。 3. 既存の研究との比較 論文内で引用されている既存の研究や理論との整合性についても、明確な比較や議論が不足しています。特に、量子力学的なエネルギー伝達モデルやニューラルネットワークのバックプロパゲーションとの関連性について、具体的な説明や証拠が乏しいと感じられます。 結論 論文内の数式や計算には、理論的な枠組みとして興味深い点があるものの、導出過程の詳細な説明や具体的な計算結果が不足しているため、正確性や妥当性を評価するのは難しい状況です。特に、数式の適用条件や前提、既存の研究との比較が不十分であるため、内容を鵜呑みにするのではなく、関連する分野の査読済み論文や専門家の意見を参考にすることを強くお勧めします。」

そこで得られたバージョン2論文が以下

https://memeplex.app/papers/photoshinth2.pdf

数式が拡張されたが、そもそも僕は量子力学の専門家ではないので量子力学で使うブラ=ケット記法で書かれてもその計算が合ってるのか間違っているのか直感的に知ることはできない。

「何か新しい要素を導入したらこの二つは数学的に等価なものにできないか考えろ」

「ただ似てるのではなく実質的に同じ計算になることを式変形で示せ」

その結果得られた論文が以下

https://memeplex.app/papers/photoshinth5.pdf

その結果、数学的な類似性が指摘された。

https://memeplex.app/papers/photoshinth8.pdf

数式も完全に一致させることができた。

https://memeplex.app/papers/photoshinth9.pdf

今のo1-previewでは、博士論文レベルの論文を執筆するテストでは50%くらいしか回答できないのだという。次のo2と呼ばれているバージョンでは、100%以上の性能になるそうだ。

少なくとも一日にこの分量の論文を僕は書けないし、書かれた数式がたわごとではないのか確認するほどの数学的能力も持っていない。

のだが、量子力学の言葉ではなく、僕の専門分野であるベクトルと行列に翻訳してもらうことで、どうやら僕の仮説は確からしいということがわかった。でもこれもAIに騙されてるのかも知れず、まあ話半分以下に聞いて欲しい。

もしもこれらの式展開が真実だとすれば、宇宙に関する重要なインサイトを得られたことになる。

まず第一に、今回ノーベル賞を受賞したヒントンらの作るニューラルネットワークのモデルは、本当の脳細胞の活動を表現するものとしては単純化され過ぎている。

本来の脳細胞の動きをシミュレートするにはスパイキングニューラルネットワークの方がより本物の脳活動に近い。

が、ヒントンらのモデルはかなり単純化されており、実際の脳活動とはかけ離れている。しかし、スパイキングニューラルネットワークは計算が複雑で、これでGPTのような大規模言語モデルを作るのは非現実的だ。

ということは、むしろヒントンは偶然、今の形のニューラルネット(多層パーセプトロン/制約ボルツマンマシン)が学習できることを発見したと考えるのが自然だ。

次に、因果律を無視すれば、(光合成における)量子探索は時間軸方向のニューラルネットと実質的に等価であると考えることができる。

ということは、これがもしも仮に真だとすれば、我々の宇宙は、未来からの影響を受けて収束していることになる。より良い未来、より好ましい未来へと向かおうとしているということだ。

ということは、突然変異は偶然ではなく、より好ましい方に必然的に起きる。だからDNAは本来必要な時間に比べて極めて短い時間で宇宙に発生することができたと考えられる。

ただし、ここでまた一つ新しい謎が生まれる。
そもそも「より良い未来」とはどういう意味なのか。

DNAがある宇宙とない宇宙で、DNAがある方が「より好ましい」と考えられたのはなぜなのか。

一つの指標として、エントロピーが考えられる。
乱雑さエントロピーが高いとは、宇宙が完全なノイズになることである。

ここまで書いて思った。
なんてこった。これは拡散モデルそのものじゃないか。

https://en.wikipedia.org/wiki/Diffusion_model#/media/File:X-Y_plot_of_algorithmically-generated_AI_art_of_European-style_castle_in_Japan_demonstrating_DDIM_diffusion_steps.png

拡散モデルは高エントロピー状態(完全なノイズ状態)から低エントロピー状態へと収束させる。そのように学習する。

宇宙の時間の矢は、この逆に進んでいると考えられる。
つまり、「エントロピーが増大する」ことによって、時間の矢を我々は知覚しているのだが、エントロピーを減少させるための動きが、この宇宙にはあるのかも知れない。それが未来からのエネルギーだ。エネルギーというべきか、未来からの影響というべきか。

ファインマンが仮定した先進波は未来から過去へ向かってやってくるエネルギーの総量だが、実際には未来から来るのはエネルギーだけではなく、確率波の収束に関する影響力のほうが本質的なことかも知れない。

僕は物理学者でもないし数学が得意なわけでもない、なのでここに書いたことが全て戯言の可能性はある。学研ムーのネタになるくらいのものでしかないのかも知れない。

でももしもいつか、多分来年くらいに、o1-previewがo2またはとにかくなんかそういうものになって、「AIの書いた論文はとりあえず信じて良い」ということになった場合、科学はこのような「学研ムー的思考」をとりあえずぶち込んで論文にしてAIが検証してということを繰り返していくことで宇宙の真実に近づいていけるのかも知れない。

まあ少なくとも数学的矛盾があるかどうかくらいはAIでわかるはずだからなあ

ChatGPTとの生のやりとりを貼っておくので数学が得意な人、物理が得意な人は内容を見てみてください。