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「横尾忠則の不思議の国」を鑑賞in横尾忠則現代美術館【#1予習なし】

横尾氏の作品に触れたが最後、胸のど真ん中に出刃包丁が飛んできて、美術館に串刺しにされると思い込んでいた。

でも、現実は敷地内に入るやいなや、不思議でヤバめな癒しエネルギーに絡め取られ、「あ、あ、このやばい気持ちよさはぁぁ〜♫」と磁石みたいに建物内に吸い込まれてしまった。

美術館に来てこんなふうになるの初めてだ…

前置きが長くなったけれど、今回横尾氏の世界に触れるのは初。
当初鑑賞は1回だけの予定だった。

ところが、某サークル内で「横尾氏の著書10冊くらい読んで予習してから行くつもり」と話したところ、次のような鑑賞法をおすすめされた。

  • まずは予習なしで鑑賞

  • 著書を10冊くらい読む

  • もう1回鑑賞

せっかくなのでいわれた順序で鑑賞してみることに。どうなるんだろう。ウキウキ。

今回は、予習なしの1回目の模様を。

ちなみに私は、アートは物心ついて以来、ずっと鑑賞してる。

でも、知識とかはあまりない。
お作法とか気にしないで広く浅く自分の好きなスタイルで楽しむタイプ。

自分で絵も描くけど下手でございます(どーん)。
でも知らなくても下手でも、好きに楽しめばいいのだ。

横尾さんの世界を垣間見てみたい人はもちろん、「知識もないし上手じゃないけど、アートをもっと楽しみたいなぁ」と気おくれしてる人にも「あっ、こんな楽しみかたでいいんだ」と思ってもらえたらうれしいでーす!

「横尾忠則の不思議の国」を鑑賞in横尾忠則美術館

今回の「横尾忠則の不思議の国」は、こんなコンセプトの展覧会。

横尾作品のなかの「不思議」に着目し、現実の延長にあるもうひとつの世界をルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」になぞらえて紹介する展覧会。
第1章「不思議の国」では、地底や海中、宇宙を舞台にした作品が、第2章では「鏡の国」と題して鏡やミラーイメージを用いた作品が、私たちを異世界へと誘います。そして、第3章「夢の国」では、横尾自身の夢をもとに描いた《夢枕》全43点を一堂に展示します。

『Yokoo in Wonderland―横尾忠則の不思議の国』-横尾忠則現代美術館より引用
入り口にある、タイトルです。黒い壁面に"Yokoo in Wonderland 横尾忠則の不思議の国"という文字。その下に不思議の国のアリスが真ん中にあり、周りを黒や赤の布切れで囲んである作品が飾られています。
入り口から展示室を写しました。奥や右壁面には油絵作品、左側壁面にはネオンカラーのシルクスクリーン作品が展示されています。

「写真撮影NG」と書いてある作品以外は写真撮影OK(フラッシュ撮影、動画撮影は禁止)。

というわけで、気になるやつじゃんじゃか撮影したったでー!

第1章「不思議の国」

最初に気になったのは「愛の岩戸開き」っていう作品。

洞窟の左側に女神様の笑顔。右側には明るいところに背を向けて悩んでいるような人が描かれています

この5年くらい、こつこつ自分と向き合ってきて、なんか「少し岩戸開いて来たかなー」とか思ってるところ。

結局人から愛をもらうとかじゃなく、自分の中に「愛の泉」を湧かすことをした。そしてそれによって新しい悲しみとか孤独も知った。

そんなことを思い出したのかも。

あと、横尾さんをちょっと好きになったのが題名忘れたけどこれ。

左側には泉に飛び込んでいく人。中央下側にワニ。右側には半裸の女性が描かれている。局部に猫の写真が貼ってある。

右下の女の人の…ネコ貼ってある(笑)

先ほどの作品の女性の部分だけ切り取ったもの

「え?なんでネコなん?」
それが気になった。

「横尾さんにとって”そこ”って、ネコくらい可愛いものなん?」
勝手にそう解釈してうれしくなったのでした。

あと、左の壁面にあったネオンカラーの一団も美しかった。

抽象的な絵。蛍光色が使われていて目を引く。

私は編み物も好きなんだけれど、蛍光色はずっと気になってる。
自分の作品づくりのヒントになりそうなものも、今回の鑑賞でたくさん得られた気がする。

三島氏。この展覧会に数回出てきます。

中央にいろんな男を下に敷いて、日本刀を手にこちらを見据えている三島由紀夫と、周りには古代人や宇宙人の顔が描かれている。

ちなみに私、三島氏の筋肉ムキムキふんどし一丁写真は結構好きです。
篠山紀信氏撮影の、あれすごくよかった。

肉体美とかそんなんより、劣等感むき出しなかんじ。
もやもや、ぎらぎらしたものと、痛み。

それらがひたすら美しいと感じるのですよ。

横尾氏といえばポスターも。

横尾氏のポスター作品4つ


なんばにあるグリコの看板のような横尾氏のポスター作品。

横尾氏の作品を改めてみるのは今回初めてだけれど、この色使いがどこかしら記憶に残ってる。

第2章「鏡の国」

第2章は、鏡を随所につかった作品群。
壁もシルバーの鏡様になってました。

題名忘れたけど赤や黄色の絵の具や布で凹凸が作られている作品。鳥や羽もくっついている。

日本の神様の絵が2枚くらいあったの、うれしかったなぁ〜

こちらは『YOMI NO KUNI』。
多分、イザナギとイザナミの別れの場面だと思う。

黄泉の国を描いた作品。地面の割れや岩、暗い黄泉の国。イザナミとイザナギが描かれています。

愛しあったふたりだけに、別れは悲しかった。
まぁ、その出来事があってアマテラス・ツクヨミ・スサノオが生まれたわけなんだけど。

文句なしにかっこよかったのがこれ。
『KUSANAGI NO TSURUGI』。

やまたのオロチを退治するスサノオノミコト。刀を振り上げ、その下には断末魔の叫び声をあげるヤマタのオロチが描かれています。

スサノオさんのオロチ退治の場面。
オロチたちの断末魔の叫びが聞こえる。

作品の真ん中部分が鏡になっている。
この鏡に反射した光が、床に描いてる模様も美しかった。

作品の一部が鏡になっていて、地面が反射して模様ができている

そして再び三島氏あらわる。

逆さになり、十字架にはりつけになったキリスト?腹部には矢が刺さっている。人物の顔あたりに三島氏の顔が描かれています。

確かにこの絵面には三島氏ですね。
なんか知らんけど、横尾氏の描く三島氏。

すごい好きだなぁ。いいなぁ。

この「いい」という感情の正体はいったいなんなんだろう。
それはこの先、本10冊読んで2回目の鑑賞に行ったらわかるのかも。

楽しみだなぁ。

第3章「夢の国」

最後は、横尾氏の夢に関する絵『夢枕』がピンクの部屋一面に並んでいた。

『夢枕』が飾られていた部屋。ピンク色でおしゃれでした。

ズバーッ!!

人が縦に真っ二つにされている写真。左上には骨盤の絵が描かれています

横尾氏は、何に切り裂かれたのか。
あるいは、何を切り裂いたのか。

下のもまた、わかるようなわからんような。

海の底だか川の中だか、周りにはたくさんの岩や僧侶が描かれていて、真ん中に仰向けに横になって股を開いている女性、少し離れたところに男性が描かれています。

次々に観てみた感想。
「あーあーわかる気がする。こういう夢見る時あるんだよなぁ」って。

4階にはフォトスポットも。
この、目がいっぱいある部屋、目たちはただの絵なのに歩くとちょっとドキドキするんよ。

フォトスポット。カラフルな空間に大きな目がたくさん描いてありました。この先3つの写真はそれをアップで切り取ったもの。

面白いなぁ。

あちこちから見張られてるかんじ。

ちょっと避けたくなる(笑)

本当の目じゃないのに、不思議だなぁ。

おまけ:キュミラズム・トゥ・アオタニからの景色を切り貼りしてあそぶ

なんか最後に鏡の部屋みたいなのがあった。

そこから見える摩耶山がとても美しかったんだけど、その景色がたくさんの鏡に映り込んでいた。

キュミラズム・トゥ・アオタニ  この空間は、2021(令和3)年、建築家の武松幸治の監修でつくられたもので、横尾忠則によって(キュミラズム・トゥ・アオタニ)と名づけられました。窓外に広がる摩耶山麓の風景が不定形なミラーに反映し、まるで万華鏡のような異空間を生み出しています。摩耶山の麓には、新婚時代の横尾夫妻が1957〜1960(昭和32〜35年)の3年間を過ごした青谷町(当時)があります。「キュミラズム」は「キュビズム」と「ミラー」を組み合わせた造語で、思い出深い風景を買いたい・再構成することで横尾作品ならではのめくるめくようなコラージュの世界が実体化されています。

窓からの景色が、写真1枚では取りきれないパノラマ。
そこで、ちょっとずつ横にずらした写真を何枚か撮ってつないでみた。

何せすごくいい景色だったから、おすそ分けしたくて(笑)
じゃーん!!見て見て!

奥に摩耶山麓、手前に文学館や森などの美しい風景が広がっています。

別々の写真をつないだから、ちょっとずれてるけど。
でも素敵な景色。

アブない癒しが心地いい美術館

「不思議の国」ってタイトルの展覧会。

不思議なようで不思議じゃないところが不思議だった。

作品は原色が多くて、優しいかんじのわかりやすい「癒し」ではない。
でも、そこはかとなく不思議でアブない安らぎを感じる美術館でした。

あと、なんだか分からないけど「( ´;゚;∀;゚;)ンフッ」と笑いが出る。

低気圧とか季節の変わり目でよくなかった体調が、すっかり治ってた。

好きなものにひととき全身全霊で没頭して、自分の中に新しい風も迎え入れることができたからかな。

「おい、表現したいものは知ってるんだろ。何描いてつくってもいいんだから、好きにやれよ」

そんな自由なエネルギーをもらいました。感謝感謝。

さーてでは、第2フェーズの「横尾氏の本10冊読む」をやっていきま〜す!

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太陽ししまい
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