中国語学習5年これまでの学習履歴を振り返る。中国語学習におススメな書籍紹介!を兼ねる。
はじめに
端的に言うと、私の中国語学習は、悪戦苦闘苦労の歴史。それは今も変わらない。もともと語学学習が得意でなかった私が、28歳にして初めて海外(北京)生活を経験し、以降5年にわたってなんとか学習を継続・積み重ねたきた。今般、現在の自己の認識及び今後の目標設定、アクションプランの構築のため、以下まとめる。
1.現状の私の中国語レベル
先日、HSKの最高峰である6級の試験を受験した。結果は、どうにか合格ライン(6割)に達したというレベルであった。HSK5級は、2017年3月に合格していたが、HSK6級というとリスニングレベル、語彙レベルがぐんと上がり、5年中国で仕事・生活しても、HSKのスコア(300点満点)上では、恥ずかしながらこのレベルである。
さすがに中国に5年以上生活しているので、基本的な生活会話、書面・口頭含む基本的なビジネス上のやりとりは一応できる。例えば、中国人と完全中国語で会食したり、中国企業と中国語で採用面接に臨む等である。しかし、自分の専門と異なる分野(私は、会計税務行政手続きの分野で仕事をしてきたので、これ以外の例えば機械電子等の技術分野)の通訳は駄目だし、通じる中国語は作文できるが、ネイティブ並みの表現力は大いに欠いている。形容詞や四字熟語等の語彙力が圧倒的にまだまだ不足している。そして時折これらのネガティブな感情(自分は中国語ができない)がネイティブとの円滑なコミュニケーションを邪魔することも多い。
2.これまでの中国語学習履歴
①北京時代(2016年4月~2018年3月)
ここでこれまでの中国語学習履歴を振り返る。元々は、大学の第二外国語で中国語を勉強して、四声、ピンイン等の発音の基本概念は理解していたが、新卒で5年間、全く中国語とは関係のない職場(地方公務員)でキャリアを開始したため、全く中国語には触れていないなかった。そんな中、社会人5年目に中国北京の赴任が決まり、28歳にして北京での海外生活が始まる。
北京では、駐在という身分であったため、業務時間外を利用して、中国語のマンツーマンレッスンを受けることができた。1時間100元の単価で、2時間のレッスンを週3回程という頻度である。使用したテキストは、上記の()語会話301(上・下)及び北京語言大学の「汉语口语速成」(入門編・基礎編)シリーズ、おそらく多くの中国語初学者が手に取る定番テキストである。日本人は元々、欧米人と異なり、漢字に慣れているため圧倒的なアドバンテージがあり、HSK5級はこれらのテキストとマンツーマンレッスンを使うことで、中国駐在1年目の2017年3月に合格することができた。しかし、語学試験とは異なり中国語を使うという自体はからっきし駄目であった。まずそもそも職場の公用語が日本語であった(中国人スタッフも日本語ができる中国人を採用していた)。という理由で、実践能力というよりもむしろ語学試験に偏重した勉強方法であったと総括できる。
②深セン時代(2018年4月~2021年5月)
個人的にはそんな物足りない環境下で、全く中国で完全燃焼できなかった私は、2018年4月、現地採用で南の広東省深セン市の日系コンサルティングファームに現地採用で転職する。中国語を用いなければ生き残れない環境下で生活勤務することで中国語のレベルを上げたかったからだ。
現地採用での民間企業での経験はこれまでの公務員との経験とは全く異なった。会計税務のコンサルティングを日系企業に行うのが転職した会社の主な業務であった。会計税務等の基礎的な素養は大学時代に学んでいたことから抵抗なく仕事に入ることはできたが、中国語を用いる頻度が全く前職と異なった。20人程の職場ではあったが、日本人は2名、他は中国人、かつ会計士・税理士等社内の中国人メンバーは日本語が喋れないという環境。当時、職場では古参の会計士も多くいて、一部の中国人からは良く「你的发音,听不懂」等と発音の悪さをよくからかわれた。
(1) スピーキング/リスニング
幸い、職場では会計・税務の数字の世界なので、最低限のことはこの分野のプロトコルに従いメール等の書面でも何とか交流できる。しかし、これを超え中国人(顧客先を含む)と効率的にコミュニケーションするのには、抜本的に勉強方法を改善するしかない。この問題意識のもと、当時頼ったのが、中国語コーチングの第一人者、三宅 裕之氏の書いた「HSK・中国語検定 最強の学習法」である。この本を読んで、いまさらながら『シャドーウィング』の重要性を痛感する。
基本的な四声、各音の理解を徹底させる必要性を痛感し、これを手軽にトレーニングできるアプリ「中国語ピントレ」に出会う。このアプリでは、母音、子音のピンイン表に従って、各音を四声別に聞くことができる。特に重宝したのが似ている音(例えば、ZuとZe、FuとHu、ZhanとZhang等)を2択で答えていく機能だ。1回10問で2択式で答えていく「聞き分け・10問」という機能を当時多用した。但し今でも前鼻音(n)と後鼻音(ng)を正確に聞き分けれるかというとはっきり言ってできていない。
そして単語力は、当時知人の中国語コーチがビジネスで使える実用的な単語が豊富に記載されているというアドバイスから「瞬訳中国語・中級編」を用いた。これも単語を覚えるというより、音声を聞きながら書くというディクテーションに集中した。但し、今となっても、聞かれたたらその単語熟語の意味は理解できるレベルであるが、自分がこれらの単語・熟語を使用できる実用レベルにまで至っていない。
また、シャドーウィングについては、三宅 裕之氏の書いた「HSK・中国語検定 最強の学習法」にも紹介のあった「改訂版 耳が喜ぶ中国語」をとにかく多用・実践した。この本は、中国語検定3級レベルの文章、STEP1から2級レベルの文章、STEP3までを、日ごろの生活会話、経済、IT、時事等豊富に記載されている。正確に記録をとっていないものの、当時土日は1日1時間以上は、この本の音声を聞き、自分が発音するという勉強を徹底的に繰り返した。但し、「HSK・中国語検定 最強の学習法」では、シャドウィングについても、①教材を見ないでリスニング、②内容理解、③ピンインを見ながらシャドウィング、④漢字を見ながらシャドウィング、⑤何も見ないでシャドウィングと詳細に手順を分ける等詳細な学習方法が記されているが、忙しい最中もあって大雑把に①、②、⑤(つまり③、④を省いた)の流れで行っていた。どうしても我流で勉強してしまい管理が不足してしまっているため、上述の三宅氏の模範の勉強方法よりも荒くなってしまう。従って、基本的な文章のリスニングは大きな問題はないが、難解な単語、複雑な構文のリスニングは今なお聞き取れないことが多い。
なお、総じてこうした努力もあって、職場や顧客とのコミュニケーションの改善は徐々に改善していった。
(2) リーディング/ライティング
HSK6級レベルは非常に語彙力が求められる。この点、多用したのが、HSK公式公認アプリ「HSK Online」だ。これは日本のみではなくグローバル全世界で中国語を学ぶユーザーを対象にしたアプリで、リスニング、リーディング、ライティングを過去問等を通じてアプリで効率的に学ぶことができる(全部の機能を利用するには課金する必要がある)。隙間時間を用いてひたすらHSK6級の単語を覚えていった。
中国語は、英語に比べ、文法があいまいだと言われる。発音の重要性が強調されしすぎその反面、文法は軽視されがちである。ただ、実際、自分がネイティブに対して中国語でビジネスで書面でやりとりするとなると最低限の文法は覚えなくてはならない。そんな時に、文法を軽視しているので頭を悩ますことになる。そんな時に出会ったのが上記の2冊、「つながる中国語文法」と「中国語の語順を制す」だ。
「つながる中国語文法」は、まずは、中国語が英語と文法が似ているという中国語学習で一見陥る俗説に反駁し、名詞文、形容詞文、動詞文という中国語の文章を3分類に分けた上で各々平易かつ丁寧に解説している点で、今も時々読み返し重宝している。中国語特有な文法用語でもある「補語」(時間補語、様態補語、可能補語、結果補語等)をマスターする上では、「中国語の語順を制す」という本も活用した。この本は、名詞、形容詞、動詞、副詞、補語等の文法の各要素をアニメのキャラクターになぞらえて可視化、解説する本で、これを好むか好まないかで大分評価が分かれる本だと思うが、私にとっては、補語や把構文、是~的構文等を理解する上で「つながる中国語文法」と併せて有用であった。但し、文法についても今になっても完全に中国語のプロトコルをマスターしたという自信はない。多少の構文を遣えたとしても、主語+動詞+目的語の単純な構文をもとに接続詞を用い、とりあえずは通じるというレベルを超える以上のものは自信がないのが現状である。
3.今後の目指すレベル・方向性
以上から現状のレベルは以下の通りまとめられる。
さらに語学を実践していく上で、一番大事なのは実はマインドセットという点である。マインドセットとは、要はネイティブとコミュニケーションするときに自分は中国語が下手等で変に暗示せずに正々堂々とコミュニケーションできる自信力という言葉に書き換えても過言ではない。ただこれはコミュニケーション方法の問題であって、今後の目指すレベル・方向性としてはやはり以下としたい。
将来的に中国語検定準1級、通訳もこなせるレベルへ中国語力を引き上げる。
そのための一歩として、まずは、これまでの自己流我流の勉強から、日本人で中国語を教える経験が豊富な方から、①これまでさぼっていた発音の矯正、及び②作文の実践から重要な中国語文法を原体験として掴む、この2点に絞って、これから8月までの期間、中国語の勉強を続けていきたいと思う。
2021年6月6日(了)
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