心読
修真三法の一つ目は識天法になります。
中国の思想では、全てのものを天地人に分けます。頭から上を天、胴体を人、下肢を地というように、様々なものを3つに分けて考えます。この場合の天とは一に大と書き、一つの大いなる存在である宇宙のことを指します。宇宙と呼称していますが、単に地球外であるという意味ではなく、宇宙の根源(ビッグバン)や宇宙に於ける全ての原理原則を含めたものを表し、これを仙道では道(dao)と呼びます。西洋神秘主義のアカシックレコードがイメージしやすいかもしれません。
識は知ること。即ち識天は宇宙の原理原則を知ることになります。ではどのようにして道を知るのか。数学の定理、公式は先人の数学者が残した既知のものがありますから、それを利用して新たな問題に挑むことができます。仙道でも同様に「老子」(老子道徳経)や「荘子」を古典としてベースにします。現存する仙道家や気功師のものも参考になるものがありますが、現代社会に合わせたものが多く、そのまま参考にできないものも多いです。ですから、これから行おうとする方は「老子」と「荘子」をまずは良く読んで下さい。
しかし、老子の言葉は特に抽象的で独特な言い回しが多く分かりにくいかもしれません。そもそも道という五感を超越した存在を言語化しているのですから、どうしても難しい書き方になってしまいます。その為、筆者の考えを読み解くためのいわゆる行間を読む必要があります。これを心読と呼びます。
心読には、繰り返し読むことと、常に心を謙虚にして新たな書と接する気持ちで読むことが必要です。