乾沐浴(全身摩擦法)
乾沐浴(全身摩擦法)
これは両掌で全身の皮膚を摩擦する導引法です。この摩擦法は、皮膚を清潔にすると同時に、体表の血行をよくし、細胞の賦活作用を盛んにします。さらには皮膚の色つやをよくし、キメを細かくするので、美容上にも良い効果をもたらします。また体温を上昇させて交感神経、副交感神経の切り替えを促進するので、食欲を増進させ、安眠が得られます。簡単なやり方の割に、すべての病気の補助療法として効果が期待されます。とくに、東洋医学で言う陰性の病気、たとえば低血圧、腎臓病、便秘などには大きな効果が期待されます。
体内に精気(内元気)の充実している人が、病者の患部に手のひらをあてると病気がなおる、いわゆる手当療法という療法がありますが、どんな人でも掌からは気が出ていて、病気を治す力を持っています。人間には自然治癒力というものがあって、まだ医術と呼べる体系がなかった太古の時代から、各自が自分で病気を治していました。
その場合手は有力な手立てでした。だれでも痛いところへは自然に手がいきます。頭が痛いときには頭に手をあて、歯が痛いときには頼に手がいきます。病気の治療を手当てというのもこの動作から来ています。