「通関士」像は所属会社が作り上げている!?あなたは「事務系通関士?営業コンサル系通関士?」
私「元」通関士は、現在、「遅すぎる」自己分析を行っております。自らが「独立開業」を行うべく、マインドチェンジを行う中で、自らの通関士人生を振り返り、反省をすることも急務であり、その分析した結果を
「私の『怪しい記事』にたどり着いた読者様に、何らかの情報提供ができれば」
と思い、現在の記事をまとめています。
ここで、皆様にも一度、考えていただきたいのですが、
「通関士になってから、うれしかったことは何ですか?」
ということです。
「通関士を目指している」読者様であれば、
「どういう通関士になってみたいですか?」
を考えていただいても、いいと思います。
「通関件数をバリバリこなしたい。」
「難しい減免の通関をスムーズにこなせるようになりたい。」
中には「お客様の商売を、通関士として一緒に盛り上げたい。」と思っている方もいるかも知れません。
私がこのテーマを考えるにあたり、自らが「通関士になってから、嬉しかったこと」に順位をつけてみました。
1位 自分の通関担当顧客が「営業所の売上1位」となったとき
2位 顧客に提案した「輸送計画」が喜ばれ、ルーティン化することが出来たとき
3位 自分が組み立てた「(前例の少なかった)通関」を税関から「今後の資料としたい」と申し出を受け、提供できたとき
それぞれの詳細を語っていきたい気持ちはあるのですが、「単なる自慢話」となっては意味がありません。詳細は「機会があれば」程度にしておくことにして、ここで、皆様は「ある疑問」を感じたのではないでしょうか?
「これって、通関士の仕事?」
ということです。3位は多少「通関士」色が強い感じであっても、1位、2位は明らかに「営業」色が強い内容となっています。
つまり、私が通関士になってから、「通関士として、やりがいを感じていた仕事」をまとめると、
「自分が通関士をしながら、顧客と話を進め、物流を盛り上げていくのが楽しかった」
ということになります。
そして同時に、「通関士の仕事」には、大きく2パターンが存在することに、皆様は、気づかれたことと思います。
①国際ルールを読み込み、減免税計算等の緻密な数字を扱い、通関書類を自ら作成または作成された通関書類をチェック(=審査)することを中心とする「事務系」通関士。
②通関士を名乗り、自らも通関士業務を行いながらも、顧客と共に物流を一緒に考え、結果として自社の通関件数を伸ばそうとする「営業・コンサルタント系」通関士。
多分、読者様がイメージされている、もしくは実際に従事されている「通関士」としては
①である方が多数派である
と思っています。
しかし、私の実際の「通関士の仕事」としては、
明らかに②のタイプ
であったと、今では思っております。
これは、私が「営業やコンサルタントが好きだったから」というわけではなく、
「会社の方針に従って仕事をする中で、通関士の仕事は、こういうものだ」
と思っていたということです。
つまり、皆様が送っている通関士生活は、会社の方針次第で「事務系通関士」にもなり、「営業コンサルタント系通関士」にもなることで
「現在の皆様が所属する会社が作り上げた通関士像」
とも、言えるのです。
私は、一貫して
「通関士は会社員である」
を主張してきました。異動もあれば、リストラもある。将来、転職を希望する人であれば「同業(通関士)、異業種(商社やメーカー)」。「貿易コンサルタントとして独立」を考えている人もいるかも知れません。
そして今回、コレだけは確実にお伝えしたいと思います。
「会社員として思考停止することなく、自らの通関士の仕事はキチンと分析しておきましょう。」
そして、
「通関士になってから、嬉しかったこと、楽しかったことを真剣に自問してみれば、あなたの今後の行動は自然と決まってきませんか?」
皆様が「通関士として」何らかの迷いが生じた時に、一度考えていただきたく思いました。
ちなみに、私は、通関士でありながら、営業・コンサルタントすることを兼ねており、結果として、楽しかったので、「行政書士を目指したことは、やはり必然であった」と自己分析しています。(道半ばなので「偉そうには」言えませんが・・・)