シャトルバスドライバーは本日も快走中です!!#17
7月9日(火)22:38 最後バスを利用する乗客は「暗黙の了解が成立」している人たち?
現在のダイヤでは、最終バスはショッピングモール22:38発のターミナル駅行きだ。
利用者は、およそ3名程度がお決まりであり、私は当然に気づいているのだが、この人たちは「ショッピングモールのお客様」でも「ショッピングモールの従業員」でも『ない』ことがほとんどである。
この時間のショッピングモールは、電気がフル点灯されていることで、まだまだ明るい。
一方で、近隣の商業施設(飲食店、ドラッグストアー、ホームセンター等)は閉店時間を迎えていくことで、徐々に寂しい状況となっていく。
その「人通りが少なくなった夜道となっているショッピングモールの『敷地外』」から、シャトルバスのバス停に向かって、一人、また一人と現れてくるのが、この時間の乗客となる人たちだ。
そして、これらの人たちに、実は共通点がある。
20歳前後の女子
が、ほとんどということだ。
思うに「近隣の店舗等で22:00頃までアルバイト」をしているのであろう。
そんな「アルバイト女子」たちの「ターミナル駅までの送迎専用バス」と化しているのが、この「22:38発」の大きな特徴ということになる。
私は以前の記事の中で、「ショッピングモールの外周を沿うように路線バスが走っていること」を書いたことがある。
実際に、私もネットで検索してみたのだが、この時間の路線バスは、とても「使い勝手」が悪い。
ショッピングモールの最寄りのバス停では、すでに1時間に1本の運行となっており、「22:01」の次が「23:05(最終)」であった。
つまり、22:00までアルバイトをして、帰り支度をしたとすれば、「23:05(最終)」まではバスに乗ることができないことになる。
その点、シャトルバスは「22:20」「22:38(最終)」と走っている時間なので、バイト先から10分歩いたとしても「シャトルバス」のほうが使い勝手がいい。
そして何よりも、ショッピングモール内は、まだまだ明るい。飲食店は閉店しているものの、自販機はあるし、ベンチもあることで、ちょっとした「待ち」には十分対応できる。
施設内のキレイなトイレも使え、警備員も巡回しているなど「安心、安全」要素が満載状態だ。
さらに、ショッピングモールが運行している「シャトルバス」であれば、「ターミナル駅」に送り届けてくれることも確実である。
普通に考えれば「シャトルバス一択」なのだ。
問題は、以前の記事と同じ話となるが、
「ショッピングモール利用者でもない人が、ショッピングモールの無料シャトルバスを利用していいのか?」
ということであるが、私の基本的な考えは変わらない。
「生活の知恵みたいなものだし、節度を持って利用していれば、別に、いいんじゃないの?」
きっと「アルバイト女子」も、そのことに「気づきながら」利用していることであろう。
車内を映すミラーで確認できる「アルバイト女子」たちは、この時季は冷房が効いている「静かな車内」でスマホを操作し、また時には窓の外をボーッと眺めている。
私の運転する「シャトルバス」は車通りがほとんどなくなった夜道をターミナル駅に向かって走って行く。途中にある「賑わいのある飲食店」も「有名なケーキ屋」も、この時間は当然に真っ暗だ。
再び、目の前に光が広がり始めた頃、そこが「ターミナル駅」となり、駅前ロータリーをクルッと回ると、シャトルバスのバス停に到着する。
バスの扉を開けると、私は、いつもと変わらず
「ありがとうございました」
と声をかける。
アルバイト女子たちも決まって
「ありがとうございました」
と返してくる。
「暗黙の了解が成立している、アルバイト女子」たちの降車を確認すれば、私の乗務も終了だ。
(今日も一日、お仕事おつかれさま)
アルバイト女子が駅に向かう後ろ姿を眺めながら、自分自身につぶやく。
これが、私の「終バス担当日」の日常となっている。
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