「元」通関士が語る「通関士になってから行く『営業』は意外と楽しい」話(後編)
今回は「通関士の営業」について、記事をまとめています。ひたすら「申告書を作成」して「貨物現場で作業」してという、皆様が想像する「通関士像」とは、違った角度から、話を進めております。
「通関士」は基本「事務職」であるため、対顧客という面では「電話」や「メール」等でのやり取りがほとんどです。
ただ、そんな中でも
「顧客と良好な関係を築きながら、通関件数をグングン伸ばしていく」
ことにより、結果として「あなたの通関士としての評価」が上昇していくこともあります。
「通関士は会社員」
であるゆえ、
「(減免税関係の)難しい通関をこなす」
「正確なHSを、素早く導き出せる」
「与えられた通関を時間内にこなせる」
という「The、通関士」的な側面ばかりが、「あなたの評価につながるわけではない」ことを肝に銘じておく必要があります。
前置きが、少し長くなりましたが、「通関士の営業」の後編も、お楽しみいただければ嬉しく思います。
②「通関士」が営業に行くと、逆に「こちらが」もてなしを受けることがある。
「もてなし」って、なんやねん?高級料亭にでも招待してくれるんか?
もちろん、そういう話ではありません。
「あんなことも、こんなこともありました」ではブレブレのまとまりがない記事となる可能性がありますので、今回は「一例のみ」紹介したいと思います。
私が「通関士」として(現在でもテレビCMに出てくるような)「超大手」企業の「開発センター(製造工場兼物流センター)」を訪問した時の話です。
その「開発センター」は「ちょっとした田舎」に広大な敷地を有しており、「大きな国道には面していた」ものの「ローカル線となる鉄道の最寄り駅からは、少し距離がある」ところにありました。
こちらが「営業する身」であったため、事前にキチンと顧客担当者にアポをとったところ
「当日は、電車でいらっしゃるんですか?私どもの人間が、(開発センターの)最寄り駅までお迎えにあがります。」
(えっ?私が「営業」に行くのに、向こうから、迎えに来てくれるの?)
営業日当日に「最寄り駅」で拾っていただいた私は、想像以上に立派な「開発センター」に、まず、驚いていました。
開発センターの1Fは、まるで「資料館」のように、自社製品が展示されており、その一角にあった応接室に招かれた私は、コーヒーをいただきながら、担当者の方と「雑談」を行うことになりました。
(えっ?コーヒーも出てくるの?)
「よろしければ、この後、私どもの製品の製造工程を見学されませんか?工場内を案内させていただきたいと思っているのですが」
(私一人のために、工場見学ツアーをやっていただけるの?)
私も多少なりとも「営業部署」たるものを経験したことがあるですが、基本「玄関先の挨拶程度」が多く、「応接室で『お茶やコーヒー』をいただく」こと自体、マレなことでした。
ところが、
「私は、通関士です」
として、顧客訪問すると「歓迎モード」のお客様が意外と多く、「関連部署の担当者」を、ご紹介いただいたり、「上級役職の方」が、対応くださったりと
(なんか、「小旅行」とか言って、軽い気持ちで来て、すいません!!)
と、(もちろん、口にすることはありませんが)却って、こちらが恐縮してしまうことが、多くありました。
私が勤めていた「通関業者」のみならず、「通関士の顧客訪問を推奨している会社」は多くあります。
「なんで、通関士の私が、顧客訪問せなアカンねん!!」
と、思ってしまうかもしれません。ただ、「自分は通関士だ!!という誇りを胸に」顧客訪問し、顧客から「あなたは通関士さんです」とシッカリと認識いただけることは、
「なんか、自分、通関士ヤッてるな!!」
と仕事に対する「充実感」を感じると同時に、言葉で表現するのは難しいのですが、一種の「快感」になると、私は思っています。
そして、この事も「通関士の楽しさ」として、ぜひ、ご紹介させていただきたいと思いました。
本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。