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「通関士試験」と「通関実務」は別物?未経験の方が「通関士」となるために

「勇気ある一歩を踏み出せた」人が未経験でも通関士となっていく。世の中にある「変な煽り」に惑わされる必要はありません。

 私「元」通関士は、通関士試験合格前は「運送会社」に勤務しており、「トラックで配達や集荷」を行う毎日を送っていました。
 その後、通関士試験に合格することで、通関業界に飛び込んだ「いわゆる異業種転職組」となります。
 そんな私でも「国際物流業界に20年(うち、通関士は11年)」勤めることができました。

世の中には

「通関士試験と通関実務は全くの別物である」
「通関士試験に受かっただけの未経験通関士が通関士として転職することは不可能である」

と主張することで「変に不安を煽る」人が一定数、存在しています。

ただ、一度冷静に考えてみてください。
 世の中で「現役で通関士」を行っている方は「通関士資格を持って実務にあたっている」わけであり、かつ「全員、未経験からスタート」しています。
 つまり、大抵の人は通関士試験合格をキッカケに「通関士」となり、その後、「通関士になってから」実務や業界のルールを覚えていくことが「普通のこと」ということです。

 では、未経験の人で「通関士になれる人」はどういう人なのでしょうか?

「アレコレ考えず、雑音に惑わされず、通関士になろうとして、勇気ある一歩を踏みだすことが出来た人」

私は「この一言に尽きる」と考えております。

未経験「通関士」の人は「どうやって、実務を覚えていくの?」。その答えは「見よう見まね」です。

 
 「未経験通関士の方は、どうやって、実務を覚えていくの?」

これも、ややこしく考える必要はありません。簡単に言うと「見よう見まね」です。

「通関士」は一人親方ではありませんし、一人事務所の社長でもありません。つまり、配属される営業所には「必ず誰かしらは周りに居る」ということです。

 そして、新人通関士の方が、いきなり「貿易を全く知らない顧客」の「意味もわからないような、複雑な商品」の通関を行うことはありません。

つまり、

①通関実績のある顧客の担当となり、営業所内に保管されている税関申告書の過去実績を参考にしながら「見よう見まね」で、自ら税関申告書を作成

②先輩通関士(会社によれば「審査チーム」という部門がまとめて審査する場合がある)のWチェックにより「間違い」が発見された場合に税関申告書を修正

を日々、繰り返していくことで、実務に慣れていくことが一般的となります。

 先輩方が忙しくて、自分にかまってくれないのではないか?

会社の社風による雰囲気の違いは、多少あったとしても
「新人通関士を放置して、無理難題な通関を押し付けて、知らん顔」ということは、まずありません。少なくても、私の経験上では一切ありません。

 先輩通関士も、あなたと同じ「新人時代」があったわけであり、新人通関士の「あなたの苦労」は当然に理解してくれています。

「この申告は、新人には難しいだろうな」
「この申告は、ココが間違いやすいだろうから、Wチェックで間違いを発見したら、教えておこう」

 たとえ、あなたにとって「反りの合わない、面倒くさい先輩」だったとしても、逆に「営業所内にいることだけで心強い」と思う時も来ることでしょう。

 最後に、この話の関連として、「これは、やめたほうがいい」ということを一つだけアドバイスしておきたいと思います。

 通関士が未経験であるにもかかわらず、余計な知識を詰め込みすぎて、「通関士の仕事を知っています」という姿勢で就職または転職して入社してしまうことです。

 この場合、まわりの「先輩通関士」は「あなたは知っているもの」として話をどんどん進めていくこととなります。中途半端な知識ばかりが蓄積した結果、「重大事故」を起こしてしまうことになりかねません。

 もちろん、人それぞれに「プライド」があるので無理強いをするつもりはありませんが、「通関士」もそれなりの専門職である以上、「未経験」を名乗れる間に、「正しい知識」を一日でも早く習得されることをおススメしたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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