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シャトルバスドライバーは本日も快走中です!!#22

8月3日(土)14:17 「運転手さん、蜂が~!!」大阪のシャトルバス運転手、蜂に刺されて重症!?

 現在の時間は14:07だ。ショッピングモール発14:17の発車時間まで、約10分の停車時間がある。

 この時の乗客は約15名ほどであり、乗車も完了し、着席している状態であった。

 その時「扉付近に乗車していた」女性のお客様が

「運転手さん!蜂が入ってきました~」

と言葉を発した。特に騒ぐわけでもなく、事実を淡々と伝えるような、冷静な感じだ。

さすがの私も「蜂が車内に侵入した時」の対処法など、学んだことなどない。

とりあえず「追い払う」しかないと思った私は

共に「A4サイズ」である

ブラスティックケースに入った「運行表」と運行表をはさんでいる「バインダー」

を持ち、バスの中扉付近に静かに近づいた。

蜂が入って来たという割には、皆「落ち着いて」座っている。そして、乗客たちは静かに「天井」を指さした。

確かに、扉付近の天井部に「蜂」が一匹ピタリと止まっている。

(いやいや、完全に「スズメバチ」ですやん!!スズメバチに刺されたら、私「死」にますやん!!)

「困ったことになった」と思った。でも、なんとかするしかない。
 一つ幸運であったのが、スズメバチが止まっていたのが「扉付近の天井部」だったことだ。

(今、手に持っている「プラスチックケース」と「バインダー」を使って、なんとか、静かに外に出せないものか?)

私は、この「A4サイズ」の2枚を使って、天井から扉に向って「蜂ルート」を作るかのようにかざしてみた。

(上手く外に出てくれ!!)

私は心の中で祈った。

この単純すぎると思える作戦が失敗し、「スズメバチが、車内を飛びまわる」ようだったら、乗客を避難させる必要もある。私自身も「大阪のシャトルバス運転手、スズメバチに刺されて重症」と全く笑えないネットニュースになっているかもしれない。

(無理矢理払ってはならない。静かに止まっているスズメバチを刺激せず、とにかく外に出すんだ。)

誰かに教えてもらった事ではない。これはもう、直感レベルの判断であった。

乗客も静かに見守っている。

蜂はフワッと飛び立つと、「思惑どおり」に扉の外に導かれていくように飛んでいった。

単純すぎると思っていた作戦は、見事に大成功だ。

私は「ふぅ~」と息をついた。そして、周りの乗客からは自然と拍手が起こっていた。

 私も「スズメバチ」に集中しすぎていて、周りの状況を忘れていた。確かに、周りの乗客からすれば「危険を顧みず、スズメバチに勇敢に挑んだバス運転手」と映っていたことであろう。

拍手に気づいた私は、軽く頭を下げ、運転席に戻った。

(ホント、上手くいって良かった!!)

乗務終了後、

「スズメバチ 車内」と検索してみた。この記事を読んでいる皆様にも「同様のこと」が起こった場合には、ぜひ参考にしてほしい。

スズメバチは

①「明るい方向」に飛ぶ習性

があるとのこと。
車内や室内に入り込んだ場合は、

②扉や窓を開放して、車内(室内)をなるべく暗くして「明るい屋外」に飛んでいくのを待つ

ことが基本であるようだ。
この時に

③絶対にスズメバチを攻撃するような行動をとらない

ことが重要らしい。

咄嗟ではあったが、私の行動は「ほぼ満点」に近い行動だったようである。

 改めて、「良かった~」と思った私はご褒美として、「ミスド(ミスタードーナッツ)」に立寄った。ど底辺アルバイトドライバーの「ささやかな癒やし」である「ダブルチョコレート」は今日も最高の美味しさであった。

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