![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142211008/rectangle_large_type_2_31d94c3bc9c792795b9047913293f76b.png?width=1200)
シャトルバスドライバーは本日も快走中です!!#10
5月28日(火)AM9:45 大雨警報の朝。逆に、みなぎる「ヤル気」
今日は、出勤前から「激しい雨」だ。発生した台風は、日本の「はるか南」を通る予報であるが、台風の影響で発達した雨雲により日本列島各地で大雨警報が発令されている。
このような「警報級の大雨」の今日。すっかり顔見知りとなった、親切なショッピングモールの事務スタッフの方が、「こんな大雨の日は、運転し辛いですよね。大変ですね」と私に気遣って声をかけてくれる。
「いやいや、こういう日こそ、逆に燃えるんですけど」
口にはしないが、私には「逆に」ヤル気がみなぎっている状態だ。
私は、決して「逆境に強い人間アピール」をしたいわけではない。むしろ、この現象を「公共交通の使命病」と、勝手に名付けてしまっている。つまりは病的感覚であるという認識だ。
「こんな荒れた天気であっても、バスはキッチリと走ってくれている」
利用者の方々に「やっぱり、バスは頼りになるよね」という「安心感」を与えていると感じられることが、自分自身の「存在意義」に変わる。一種の快感状態になっているというべきであろうか。
読者様にとっては「どういう感覚か、まったく理解できないんだけど」と思われても不思議ない「この感覚」は、静岡で路線バスに乗務をしていた時にも、何度も経験してきた。
公共交通でない「シャトルバス」の乗務であっても、その時の感覚が蘇ってくる。
そして、「バス運転手」をされている方の中にも、きっと「私と同じ感覚」の人はいるはずだ。
人の役に立てる喜び。普段と違う微妙な変化に気づいてくれるお客様。
本日、担当する「朝勤務」は勤務開始から4本連続で「ターミナル駅→ショッピングモール」というダイヤ構成だ。
つまり、AM8:00~AM9:00台に該当する便は
ターミナル駅→ショッピングモール
(約10分休憩後に「ショッピングモール→駅」を回送)
を繰り返している。
ターミナル駅に「シャトルバス乗り場」が設けられているといえども、基本的には「駅では長く駐停車しない」ダイヤ構成となっているため、「ショッピングモール内のバス停」で時間調整を行っているイメージだ。
今日は、さすがの「朝からの大雨」。私は、時間調整という名の「休憩」もソコソコにして「早めの」折り返し回送を行うことにしていた。
駅で傘をさしながら待つ「お客様」を早めに拾いたいからだ。
バスは普段より約7分早く「駅のターミナル」にさしかかると、シャトルバス乗り場で「大雨の中」待っているお客様が、すでに3名いた。ターミナルのロータリーを回っている間に「駅ナカで避難していた」と思われる人達が加わり10名程になった。
私はいつもどおり
「お待たせしました~」と扉を開けた。
いつもより早い、バスの到着に気づいてくれるお客様は、やはりいる。
「今日みたいな日は、本当に助かります」
「雨がヒドくて、駅に避難していたら、バスが見えたので・・・ありがとう」
乗客の大半が「ショッピングモールの従業員」であるAM8:00~9:00台は「特に」運転手の私に、率直に伝えてくれる。
「今日の雨はヒドイですね~」
私は、簡単な会話を笑顔で行う。
今日の乗務終了は13:03だ。大雨の中、休憩もソコソコに走り続けた私に待っているものは「いつも以上の疲労」であった。
それでも、今後も「同じ」行動をとるであろう。
このことを私は
「公共交通の使命病」
と勝手に名付けて呼んでいる。