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〈番外編〉がんばれ!新人タクシードライバーさん!!

 まずは、前提条件としてお断りしておきたいことがある。
 これから、普段私が見かける「新人タクシードライバー」さんの話をしたいのだが、

①タクシードライバーさんは、ど底辺シャトルバスドライバーの私より十分な稼ぎがある職業であり、私は上から目線で語れる立場ではない。

②新人タクシードライバーさんなりの「営業方法」を模索している段階であると思うので、私の話は「大きなお世話」の可能性がある。

 以上をふまえた上で、この8月からシャトルバスの発着となる「ターミナル駅の北側」で見かけるようになった「新人タクシードライバー」さんの話を進めていきたい。

 私は「ターミナル駅⇔ショッピングモール」を結ぶシャトルバスドライバーである。

ターミナル駅の「北側ロータリー」にはタクシー乗り場が設けられており、直接に駐車できるスペースが「1台」。そして、ロータリーの内側に「タクシー用の待機スペース」があり、約6台を停めることが可能である。

 私は約4ヶ月強、このシャトルバスの発着点である「北側ロータリー」をシャトルバスで往復しているのだが、

「このタクシー乗り場に、タクシーが停まっているのを、ほとんど見たことがない」

 この「ターミナル駅」は駅前の整備が令和5年にスタートし、従来までは「路線バス、タクシー、シャトルバス」が同じ「南側ロータリー」内に発着スペースを構えていたのだが、「路線バスを駅の南側」、「タクシーとシャトルバスを駅の北側」に分けることになった。

 つまり、この事情を知っている「ベテランタクシードライバー」さんたちは、駅の「南側」で従来とおりに待機することで、「タクシー乗り場が設けられていない場所での客待ち」をしており、実際に駅ナカショッピング街もある南側は、人通りも当然に多い。

 私もシャトルバスで「南側」を横切るのだが、「暗黙の了解」となっている「南側の客待ちタクシー乗り場」には、自然と人が集まってきており、タクシーもかなり稼働しているように見える。

「北側の専用タクシースペース」には拘らず、南側で客をガッチリ獲得しているベテランタクシー運転手さんを見ながら、「これこそ、稼げるタクシードライバーの『経験の差』というものなんだろうな」と感心していたほどだ。

 この8月に入って、「ターミナル駅の北側」にある「普段停まっていることを見たことがない」タクシースペースに1台のタクシーを頻繁に見かけるようになった。

「○○交通」

地元では有名なタクシー会社なのだが、「このターミナル駅に限っては、ほとんど見かけない」タクシー会社のタクシーだ。

 運転手さんは40代前半くらいだろうか?若くは見えるのだが、とにかく「出で立ち」がパッとしない。

 真新しいのだが、明らかにサイズ感の違うブカブカの制服。ボサボサの髪。そして、昭和ですか?と尋ねたくなるような(ドラえもんに登場する「のび太」君のような)「眼鏡」をかけている。

大きなお世話であっても、その「古き良き昭和」のような「貧素でみすぼらしい」雰囲気に、思わず同情したくなる感じである。

 さらに、その「タクシードライバー」さんは、現在はシャトルバスの利用者しか利用することのない、「北側」にある専用タクシー乗り場で1時間、2時間と「ひたすら」客待ちをしており、その「健気」な姿に「タクシーアプリとかの呼び出しはないの?」「南側は忙しそうだよ!もうちょっと、要領良くてもいいのでは?」と余計なアドバイスをしてしまいそうになるほどだ。

先日、シャトルバス乗務中に対向車として1台のタクシーが、遠くから近づいてきた。

「○○交通」

すれ違いざまにチラッと見ると

「あの運転手さんだ!お客さん乗せて走ってる!!」

後部座席にシッカリと「高齢女性」を乗せて走っていることを確認した私は、思わず嬉しなってしまい、心の中で「ヨッシャー!!」と叫んでしまった。

「○○交通の新人タクシードライバーさん!がんばれ!!」

私は結局、「このタクシードライバー」さんのファンのようになってしまった。


 ただ、この話は「私の見た目」で新人さんと勝手に判断してしまっている。
 実は、このタクシードライバーさんは、ベテラン中のベテランで「あえて人が少ない所で待つ」という「独自戦略」で、十分に稼いでいるドライバーさんかもしれない。

その時は

「見た目で判断して、すいませんでした!!」

と、すぐに謝りたいと思っている。

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