「元」通関士が語る「こういう人は通関士を目指して、キャリア転換のキッカケをつかむべし!!」(後編)
前回に引き続き
「こういう人は通関士を目指して、キャリア転換のキッカケをつかむべし!!」
の「後編」です。
後編である今回は、
「40代以後でも通関士に挑戦して、通関士になりたい」
と思っている方に向けた内容となっています。
前編を読んで、「なんだ、結局は『若い人』だけか・・・」とガッカリしてしまった方は、まだ諦めないでください。
私が考える「40代以後でも『通関士』になれる方法」をご紹介したいと思います。「若い人と同じ戦い方」では無理ですが、この業界の仕組みを理解することで、見えてくるものもあると思います。
後編も、ぜひ、最後までお付き合いいただければと思います。
②※40代でも可能※現在「国際物流業者」等の「同業」にお勤めの方で営業やCSなど、通関部署と異なる部署に配属されている人
40代以後の方で通関士試験に挑戦し、通関士になることができる最短ルートはコレだと思っています。
国際物流業者において、
「営業所内で必要な通関士の数が、退職または異動により、不足してしまった場合に、不足した通関士を一体どう補充するのか?」
を考えた場合に導かれる答えとなります。
「会社に所属する社員の中から、通関士有資格者を探し、通関部署に異動する辞令を出す」
この時に通関部署とは別の部署に所属している「あなた」が通関士有資格者であれば、あなたに「通関部署」への異動の辞令があり、「通関士」になる可能性があります。そして、この時の異動に「年齢は関係ない」と思ってください。実際に私も「40代で急に通関部署に異動」になった人を見てきています。
逆に、「この一般的な会社における、通関士数の調整方法」をふまえた上で、考えていただきたいのが
「現在、求人票に『通関士募集』と求人広告を出している会社は、一体どういう状況?」
ということです。
このロジックを理解しなければ、あなたは一生「負け戦」を強いられてしまいます。
「社内において、異動が可能な通関士有資格者が完全に不足している、危機的状況」
である可能性が考えられるということです。
そして、「未経験通関士の40代のあなた」が「通関士試験合格」をキッカケに求人票に応募した場合はどうなるのでしょうか?
完全に「無理ゲー」となる可能性があることは、容易に想像できるのではないでしょうか?
ただ、このような「通関士不足の危機的状況」であっても、将来性を考慮して「若い人なら育てていきたい」会社も出てきます。
しかし、中高年の方には厳しい現実となり、
「40代以後で右も左も分からん『素人通関士』なんて、構ってられないよ!!」
となることで、結果として
「通関士募集。経験者に限る」
という求人になりがちになるのです。
これが、「求人が出ている」のにかかわらず、「未経験通関士は全く相手にされない」という理屈になっているのです。
40代以後で通関士を目指してみたい方は「国際物流業界に身を置きながら、通関士を目指す」という、一見「回り道」と思える方法をとることが良策であると、私は考えております。
これこそが「王道」と思っており、今現在、すでに「国際物流業者」に身を置いている40代以後の方であれば、今から「通関士試験に挑戦」しても、まだまだ「通関士になるチャンスはある」と考えるべきです。
また、現在では「異動希望を自己申告」できる会社も増えていますので、制度の積極的な活用で「じゃ、来期から通関士ね」という辞令があっても不思議ではありません。
逆に、現在「国際物流業者に所属していない場合」であれば、上述の「王道」に乗ることを考える必要があります。この場合は、国際物流業者への転職を視野に入れながら、営業部門でも、倉庫部門でも配送部門でも、自分の経験を基にアプローチする方法を考えることになります。
とりあえずは「通関士」をいったん、横に置き
「国際物流業者の社員」になることを、まず考えましょう
ということです。
「それも難しいのでは?」
と言われてしまいそうですが、「求人数から見る分母数」を考えてみて下さい。
「物流の求人」≫「通関士の求人」
は明白であり、圧倒的な差があります。40代であれば、物流センター長候補などの管理職求人も存在します。(この時も国際物流事業の有無には注目する必要あり)
そして、いきなり「未経験ですが通関士やらせて下さい」より、「通関部署とは違えど、物流会社内に身を置きながら、チャンスを伺う」方が格段にゴールに近づくことが明らかなことは、今までの説明で「ある程度」は理解いただけたのではないかと思います。
ただ40代以後の転職は多かれ少なかれ「苦戦を覚悟」する必要があると思われます。
「通関士は会社員である」
を理解した上で、「この先、あなた自身が会社員でいられる可能性」を考慮しながら、通関士資格取得を「慎重に」検討いただくことをオススメしたいと思います。
私は「通関士オススメ派」であっても、同時に「あなたの大切な時間」を無駄にしてほしくないとも願っています。
本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。