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マークの大冒険 追憶のバルベーロー編 | 再会
前回までのあらすじ
マークとホルスは、ついに楽園イアルの扉を開く。だが、そこには一人の男が待ち受けていた。彼は自分がこの世界の創造主であること、そして、天国の鍵をマークたちにここまで運ばせたことが自らの計画だったことを告げて姿を消した。
現代、エジプトの荒野にて_____。
「ユダ、これはどういうことだ!お前が俺たちをここに?」
荒野に13人の者たちが円を描くように向き合って立っていた。突然の再会と復活にユダ一人を除いては驚きを隠せない様子だった。
「相変わらず荒々しいなペテロ、久しぶりの再会だというのに」
「自分の過ちを考えろ!ユダ、なぜ裏切った!!」
「黙れ、全ては師のお考えだ。もうじき師もここにいらっしゃる。それで、全員揃ってるか?マリア、ペテロ、ヨハネ、アンデレ、トマス、マタイ、ヤコブ、小ヤコブ、ピリポ、バルトロマイ、タダイ、シモン。よし、無事にいるようだな」
「ユダ、今からここで何が起こるの?」
マリアと呼ばれていた女性がユダに訊いた。
「そうだな、久しぶりの再会を噛み締めているほどの時間はないからな。話すとしようか。俺たちは、今からここで____」
約2000年前_______。
「ところで、わざわざキミをここに呼んだ理由だが、キミには裏切り者を演じてもらいたい」
「裏切り者?」
「そうだ。裏切り者はこの私だが、キミにその役を演じてほしい」
「師が裏切る?どういうことですか!?どうしてそんなことを......」
「時期に理由は分かる。キミが未来の鍵の一部だ。頼んだぞ。なに、簡単な仕事だ。私を司祭長に売り渡せばいい。そしてキミは、司祭長から報酬をもらう。それだけだ」
「師を奴らに売り渡せと?」
「そうだ。報酬の銀貨30枚のうちのひとつに印がつけてある。座標だ」
「座標?しかし......」
「バルベーローの扉を開くには、この計画が必要となる」
「師が来た場所ですか?」
「そうだ。4つの中にこの私アイオーンはある。話は以上だ。明日が最期の晩餐になる。しばしの別れとなるが、キミとは必ず再会することになるだろう」
「最後の晩餐?どういうことですか?」
「話は終わった。明日の晩餐でまた会おう。そうだ、最後にこれだけ伝えておこう。晩餐での席順が重要となる。誰がどこに座ったか、よく覚えておくんだ。そして、エジプトの荒野で、私とキミたち13人の弟子は再会する」
「エジプト?」
バルベーロー
古代エジプト語由来の言葉で「大いなる発出」を意味する。ユダの福音書で言及されているキリストが来た世界。超越的な高次の圏界を意味する。ユダの福音書は、現在発見されている30の福音書のひとつ。2世紀にエイレナイオスによってマルコ、マタイ、ルカ、ヨハネの四福音書が正式なものに定められ、それ以外は異端書とされた。
アイオーン
至高者を指す言葉。プレーローマ(神の力の全てを指す概念)の最上位には、4つのアイオーン、すなわちテトラクテュスが存在する。
現代、エジプト・ピラミッド内部、楽園イアルにて____。
「あれ、鍵がないっ......!?さっきまで百合に変形した二本の鍵があったのに!」
マークが振り返ると、先ほどまで扉の鍵穴に刺さっていた2本の鍵が消えていた。
「犯人は、あいつしかいないだろう。俺たちは利用されてたんだ。奴が企む計画のために」
「新しい契約と言っていた。それが計画なのか?」
「分からんが、奴が良からぬことを企んでいるのは確かだ。止めねえと、面倒なことになりかねない」
「何が目的なのか全く読めない。救済と言っていたが、彼にとっての救済とは何なんだ?」
「いずれにせよ、俺が奴を叩く」
「え?揺れてる?地震か!?すごい衝撃だぞ、ここまで振動が伝わって来るなんて。ホルス、一度ここから出よう!外の様子が心配だ」
「あいつの仕業かもしれないな」
「たぶんね。さあ、行こう!」
「ああ」
To Be Continued...
Shelk🦋