大学のレポートの練習 ノンフィクションしか書けません

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  • セフレを好きになった女の話

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冬の始まり 8 (最終回)

「いやー、まぁ、 ちょっとは気持ちあるよ」 これが精一杯だった。 実質告白なのだが、これが告白かと言われると微妙である。なぜなら、告白を私はほとんどしたことがないから。付き合って欲しいとも言っていないし、これは私の気持ちを相手にぶつけてすっきりさせたかった、ただの自己満足に過ぎない言葉である。 彼はしばらく黙って、すぐにふざけて話を逸らした。 私は、そっちはどうなの?と聞くと 「(私)ちゃんやっぱ俺の事好きだったかー」「彼女いらないし、俺らセフレだからなぁー。あと、俺

    • 冬の始まり 7

      あぁ、やっぱり今日もLINE来てないな。 携帯を開く度、私は彼からの通知を期待しては、公式LINEの通知だけが溜まったロック画面だけを眺めている、そんな毎日を過ごしていた。 考えたくもないのに携帯を開く度に嫌でも彼からの通知が来ているかもしれないという希望を勝手に抱いてしまう自分が情けなかった。 でもそうなっても仕方がない。全て私が悪いのだ。最後に会ったあの日、私は彼の態度に嫌気がさして、全ての返事に無気力に返していたから。きっと見限られたのだ。彼女でもないくせに面倒くさい

      • 冬の始まり 6

        町田駅。 私が嫌いな駅ランキングでも上位に食い込むほどの駅。1位2位が高校や大学の最寄り駅だとしたら、その次と言ってもいい。そうさせるほど嫌いにさせたのは、2回も彼と会うために訪れた駅だからである。今回はその2回目のお話。 その日は雪が降っていた。関東の雪のくせして、一部地域では積雪となるほどの大雪だった。私の地域では大した影響が無かったため大事に考えてはいなかった。ヘアメイクをしてもらい、新しく買った服に着替えて、彼と会うことに心を弾ませながら電車に乗ったのもつかの間だっ

        • 冬の始まり 5

          2023年という新しい年を迎えてすぐ、私は都内にいた。そういえばイヤホン返ってきてないな、そろそろ返ってきてもいい頃なんだけど。 そう思って彼に「私のイヤホンはいつ帰ってくるの?」とLINEを送った。 するとすぐに返信が来て、その後電話がかかってきた。「今日俺バイトでさ、その後でもいい?何時に来れる?」 22時。彼のバイト先がある新宿までやって来た。そういえば初めて会った時も新宿のここで待ち合わせをしたなと思いながら、分かりやすいので同じ場所で彼を待った。 すぐに彼が来て、

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        • セフレを好きになった女の話
          8本

        記事

          冬の始まり 4 クリスマス

          町田駅に着いて、私は彼の車に乗った。 助手席に座るのなんて何年ぶりだろう。まだ10代であった私は、男の人の助手席に座ることなど滅多にない。だからこそ、運転ができるということだけで男性の評価は大きく上がる。 車内では、急アルで入院していたことについての話で大盛り上がりした。2年前に付き合っていた元彼以来久々に見る夜の神奈川の道を懐かしいと思いながら、好きな人と過ごせる23時のクリスマスは自分にとって有り余るほど幸せだった。 話している最中に、ふと横顔を見た。血管の浮きでた手を

          冬の始まり 4 クリスマス

          冬の始まり 3

          黒のオフショルダーにミニスカート 網タイツとこの日のために買った黒のエナメルブーツ 黒のロングコート 久々にした韓国風の巻き髪を、シルバーアクセを付けた手で何度も整えて彼を待った。 元彼と付き合っていた時は出来なかった黒く背伸びをした服装。彼の好みだと聞いていた私は自信に満ちていた。今日はイルミネーションを見に行く日。 日比谷のイルミネーションを提案してくれたのは彼。彼が来ると、イルミネーションを探し回った。思ったよりだったので、私がミッドタウンのイルミネーションが見たい

          冬の始まり 3

          冬の始まり 2

          失恋ソング聞き飽きたな。 私は元彼と会った時に付けていた香水を身に纏い電車に乗っていた。若干遅刻をしていた焦燥感と、関わったことがない類の男と会うことの尋常ではない緊張感に襲われて苦しかった。 新宿駅東口に到着すると、たしかに彼がいた。 そういえば初めて会った時は分からなかったけれど、隣に並ぶと意外と背が低いことに気づいた。 いくら会うのが2回目とはいえ、ほぼ喋ったことがないのだから初対面と何ら変わりない。私は必死に上辺の愛想を振りまきながら会話を模索した。 結局ご飯屋が

          冬の始まり 2

          冬の始まり 1

          頭が痛い。 鉛色の空が私を憂鬱とさせる。 携帯電話をしきりに見ては彼の通知が無いことに苛立ちを覚える。彼女でもない私には何も言う権利がない。 彼と出会ったのは11月のことである。 私は、別れることなど頭に無かった彼氏と突然別れた。失恋を何度もしてきたからこそ、今回の彼氏のことはそう引きずらないだろうと思っていたのだが、思いのほか引きずってしまった。世間はクリスマスムード一色となり、街を歩けばより一層孤独を感じた。このままでは終わりが見えないと思った私は、元彼となってしまった

          冬の始まり 1