小さな山の中で家具職人をしている若者の話⑩嫌いな虫を好きになる-おまけ-
前の話↓
シティで暮らしていると、世界にはこんなに色んな生き物がいるんだってことを忘れてしまう。
家の中に迷い込んでしまった虫はなるべく殺したくない。
捕まえて外に逃せられたらベスト。
でも捕まえられない虫は殺すしかない。
ごめん!!ってめっちゃ思うし、殺虫剤かけられて苦しんでる姿を見るのがすごい辛い。
昔からそう思っていたんだけど、ここで虫と触れ合う時間が増えてよりそう思うようになった。
これはただ私の主義ってだけで、
きっと他人に強要することはできないし、殺さないで!って伝えたところで簡単に「はい、わかりました」とはならないんだろうなとも思ってる。
この感覚に名前はあるんだろうか?ってずっと探しているの。
ベジタリアンとかヴィーガンとか、似たような感覚なのかな?
私は生物全般を愛でているから、植物を踏んだりするのも悲しい。博愛主義とかそんな感じかな。
でも食べ物は感謝して頂くことにしているし、家では切り花を生ける。
矛盾してるかな。
ただ、身近なものほど大切にしやすいという話なんだろうけど。
最近は綺麗な蝶々の標本が欲しいなんて思っている。
虫の中で一番好きなのは蝶々。
彼らはとても美しいね。
この標本について蝶が可哀想と思ったことはなかった。(今この文を書いてて気がついた)
ただ美しいと愛でている。
私のこの感覚は偽善かしら。
リアルレザーが問題視されている今、虫の標本にも同じことが言えるのかな。
そんなことを考えていたら、文化って一体なんだろうとかどんどん話が盛大になって終いにはどこか遠くへ消えてしまった。
色々なことを日々考える度に、自分の無知さを痛感する。今はまだ曖昧なこの感覚と私自身の考えを、老いと経験と共に追求していくことにしよう。
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