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アンダーグラウンド
最近ゆるっとらくがき絵日記の更新を始めたのだけど「あ!これは絵日記のネタになりそう」って出来事があるとネタとしてiPhoneのメモに残して、そのまんまどこにも書かず終わるってことが増えてしまいnoteの更新がついおざなりに。
逆も然りで、思ったこととか出来事を結構なんでもツイッターにつぶやくから後から「これ絵日記で描いた方が絶対ネタとして生きたよな…」って思うことも100回くらいあったり。バランスが難しい。まあどれも、取るに足らないような些細でくだらないことばかりなんだけども。
最近の出来事を今回もずらずら書いていく。
■Spotifyで自然音を聞くのにハマっている
どこに行くにも何をするにも音がないと生きていけないノーミュージックノーライフ人間で、最近は一周まわって(?)自然音を聴くのにハマっている。
特にお気に入りなのが、Spotifyで自然音って検索して出てくる「波-細かい砂のビーチ-」と「せせらぎ-密やかな流れ-」、「雨-森の穏やかな雨-」と「虫の音と小雨-白神山地1-」あたり。
これを書いてる今も聴いてる。焚き火音とか鍾乳洞の雫の音とか、岩肌に打ち付ける波の音とか色々バラエティ豊富にあって良い。
水の音は人の心をリラックスさせる効果を持つ波形らしい。でもたしかに水の音ってずっと聞いていたいと思う。海辺とか川辺も何時間でもぼーっとしていられる。きっとちゃんと癒しの効果があるんだろう。
■布団シーツを変えた
夏に向けて、ベッドシーツを無印良品のサッカー織に新調。
欲しいサイズだけ売り場になくて、その場でオンラインショップを見ても在庫なしだったので「うわ〜こりゃ取り寄せで何週間か待つか」と萎えつつ店員さんに声を掛けると、「あ!ほんのつい5分前くらいに入荷したところですよ!待っててください!」と言って持ってきてくれた。
そんなラッキーなタイミングで手に入り、るんるんで家に帰ってすぐに洗濯。その日は天気も良くて夜までにはカラッと乾いたので、勢いよく洗いたてのシーツに包まれたベッドに飛び込む。肌触りがサラサラ涼しくて、気持ちがよい。
本当にベッドが好きすぎる。疲れ果てて泥のように眠りにつきたい時とか、〆切明けで次の日も予定何もなくて「わたしを邪魔するものは何もない!」って状態で眠る時とか。最高に幸せだと思う。おふとん大好き。愛してる。
■らきすたを一気見した
主題歌は歌えるのに観てないアニメのひとつである"らきすた"を一気見した。最初は「なるほどこういう女子高生の日常ほのぼの系ね〜」と淡々と見てたんだけど何気にかなりふざけてるネタを度々ぶっこんでくるのがシュールで面白かった。普通に声出して笑ったし、22話の「ここにある彼方」ではぼろぼろ泣いてしまった。
最初から最後までわたしはかがみん推しだったな。かがみん可愛い。舞妓さんちのまかないさんのすみれちゃんも然り、わたしはしっかり者の優等生姉御肌だけど本当は寂しがりやでちょっと抜けてるキャラが好きなのかもしれない…
それにしても"もってけ!セーラー服"は本当色褪せない名曲ですごい。今でもカラオケで絶対歌うもん。畑亜貴さんは、一体どういう思考回路でいたらこんな頭にこびりついて離れない歌詞が書けるんだろうか。
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■村上春樹の「アンダーグラウンド」を読んだ
この間、用事で国会議事堂近辺に行った時、「そういえばこの辺の複数の駅で地下鉄サリン事件があったんだよな」とぼんやり考えていた。
事件当時はまだ4歳だったからあまり覚えていないんだけど、幼少期から毎年3月20日が近くなるとテレビで特番が組まれていたのを見ていたから、この事件が未曾有のテロ犯罪だったことはよく知っていた。
その日家に帰ってから事件のことを調べていると、村上春樹が地下鉄サリン事件に巻き込まれた方々62名にインタビューした記録がまとめられた本があるのを知った。
村上春樹の作品は好きでいくつも読んだことがあるけど、彼がインタビューしたものをまとめた本を読んだのは初めてだった。村上春樹は、ノンフィクションでも一気に読ませる力がものすごかった。
まず、彼が地下鉄サリン事件という題材を選んだことにも驚いたし(この本の出版は事件から2年ほどしか経っていないから事件の翌年には着手していたことになる)ここまで多くの証言を集め記録に残したことがすごいと思った。
この本のかなり重い質量ゆえの、村上春樹の真剣さと真摯な姿勢も伺えた。印象的だったのが、まえがきにあったこの一文。
"そのような姿勢で取材したのは、「加害者=オウム関係者」の一人ひとりのプロフィールが細部まで明確にされ、一種魅惑的な情報や物語として世間にあまねく伝播されたのに対して、もう一方の「被害者=一般市民」のプロフィールの扱いが、まるでとってつけたみたいだったからである。"
"おそらくそれは一般マスコミの文脈が、被害者たちを「傷つけられたイノセントな一般市民」というイメージできっちりと固定してしまいたかっただろう。"
"私はできることなら、その固定された図式を外したいと思った。その朝、地下鉄に乗っていた一人ひとりの乗客にはちゃんと顔があり、生活があり、人生があり、家族があり、喜びがあり、トラブルがあり、ドラマがあり、矛盾やジレンマがあり、それらを統合したかたちでの物語があったはずなのだから。ないわけがないのだ。それはつまりあなたであり、また私でもあるのだから。"
大きな事件や災害が起こると、被害者の数字や加害者の動機や素性ばかりが注目されて、被害者ひとりひとりに対する解像度はけして高くない。もちろん被害者の個人情報は保護されるべきだとは思うが。
地下鉄サリン事件に対しても、どんな人たちがこの事件を起こし、どれだけの被害者が出て何人亡くなって、今もなお後遺症に苦しむ人がいるという情報だけをわたしは認識していて、一人ずつのその日あったドラマを想像しようともしていなかった。
この本には、何が「善」で何が「悪」かではなく、ただあの日あの場所にいた人が何を思い何をしていたのかということだけが鮮明に映し出されていた。村上春樹はけして自分の意思を主張せず、最大限の配慮と共にインタビューに徹する。
それはとても新しい視点で、そしてそこで被害者に語られた出来事は自分にも当てはまるあまりにも普通の日常で、等身大の恐怖を感じた。
あとがきの「目じるしのない悪夢」、この章だけでも読む意味があると思う。最近では何かと村上春樹好きと言うと彼の独特な言い回しを揶揄した芸?のようなものが目につくようになったけど、村上春樹の思考を文章に落とし込む能力は本当すげえな…と圧倒された。読んでよかった。
本作と対になる、「約束された場所で」も購入した。こっちは電子書籍にはなっていなくて、文庫本で。同じく村上春樹が元オウム真理教信者にインタビューした記録を集めた本。
これはこれから読むところ。
■おしまい
ベッドが好きだ、らきすた観た〜だのだらだら書いて最後に重い話題になってしまったけど、久しぶりに日記が書けてよかった。
やっぱり文章書くの好きだなあ。村上春樹の本を久しぶりに読んで、「こんな文章が書けるっていいな」とつくづく思ったけど、拙くてもどんなに低い完成度でも、文章に落とすっていうこと自体がとてもストレス発散になると思う。楽しい。
また。