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僕の中のサイコパス煉獄が煉獄さんになるまでの話。


<鬼滅の刃 〜無限列車編〜 感想>

僕は原作未読、アニメは放送当時見ておらず今年に入ってネトフリで観ただけなので、無限列車編に関しては予備知識ゼロで挑みました。

結論を言うとボロクソに泣きました。

(以下ネタバレ含みます。)

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いやもう、炭治郎をこれ以上苦しめないでくれ、って思ったよね。
家族が惨たらしく殺されて深い悲しみの中で立ち上がり剣を振るい鬼殺隊に入った炭治郎に、家族と幸せに暮らす夢を見せるのはあまりにも惨い。

今回出てきた鬼は他の鬼達より人間の心をよく理解している。
一般人達を唆して動かしている辺り、人身掌握の術に長けていた。
慎重で、丁寧に時間を掛けて計画を進めていくところは、自身の力を過信してゴリ押ししない頭の良さ、そこにプラスして人の心を壊すことを楽しむ残虐さもあり、まさに強敵。

炭治郎が振り返らず雪道を進んでいく姿はあまりにも苦しかった。

鬼滅に出てくる鬼はわりと、これマジでどうやって倒すん?みたいな絶望感強いよね。

倒したのにまだ、倒したのに何故、この辺が非常に少年漫画的で何度も盛り上げてくれる。

ただ彼が死んだ時に今までみたいに過去の回想みたいなのがなかったので、どういう経緯で鬼になったのか語られなかったのが気になる。

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鬼滅の刃は担当の美容師さんからオススメされて見たのだけど、美容師さんから「煉獄さんはサイコパス」という予備知識を入れられていたので、僕の中ではサイコパス煉獄だった。

アニメでも柱が集められて竈門兄妹の処遇を問われた時も1ミリの曇りもない精悍さで、処分した方がいいと思う!みたいに言ってたのでそれはそれはサイコパス煉獄だった。

クソデカボイスで、んまいっ!!!と弁当を貪りながら人目を憚らず叫び、お前いつまばたきしてるんだ?というイッちゃってるくらいカッと見開いた目でハキハキと喋る姿は完全にやばいやつである。

しかし、サイコパス煉獄の強さ、カッコ良さ、その強さを生み出す精神は、あまりにも魅力が有り余ってスクリーンから飛び出し、我々の心に炎の柱を立ててしまった。

その煙が目に染みて、皆、涙が出たのだ。

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父親から認めてもらえない子供は、普通であれば折れて、捻じ曲がってしまう。
僕自身がそうだし、過去の回想が始まった時に煉獄さんもそうなのだろうかと思った。

しかし彼は、自身は折れないと誓い、それどころか弟まで気遣う優しさまで見せた。

母親との回想で、強さを持つものは、才に恵まれたものは、弱き者達を守るために力を振るうのだ、という、煉獄さんの存在、強さの核となる言葉が出てきて、この人は常に人の上に立つ者が持つべき精神をしっかり守って生きてきたのだと感じさせる。

それは彼の使命であり、心であり、魂そのものなのだ。

上弦の鬼に最後まで何度鬼になれと言われても、彼は常に弱き者達を守るために刀を振り続けた。
鬼に対する恨み以上に、彼の正義が常に彼を動かしているのだ。

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煉獄さんの最後は壮絶で、悲しく、そして感動的だった。

炭治郎達と共に嗚咽を漏らして泣いてしまった。

こんな涙がボロボロ流れるシーンを最後にして映画館の照明を点けられても全然現実に戻る心の準備出来ないんですけど??

前から後ろから右から左から鼻水をすする音が聞こえていて、たぶんどいつもこいつも同じ気持ちだった筈だ。

もう煉獄さんの姿を見るだけで涙が出るレベルになってしまった。

僕はもう彼をサイコパス煉獄なんて呼べないぞ。

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そういえば夢から覚めるために何度も何度も即座に自決しまくる炭治郎は煉獄さんよりサイコパスだった。

夢とはいえ痛みも伴うだろうし、とんでもない恐怖もあるだろうに、そりゃ鬼もドン引きしますわ。

長男だから耐えられたのか?

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僕は鬼滅の刃では伊之助が一番好きなんですけど、彼は今回の映画で非常に良い味出してたなぁ、と思いました。

炭治郎とのやり取りはツッコミが誰も居なくて、伊之助が何を言っても「分かった!」と全てを包容してしまう炭治郎の優しさと天然ぷりに笑いが出る。

辛い展開も多い中で良い緩和剤になる笑いを沢山提供してくれた。

煉獄さんの最期に伊之助が、それでも生きていくしかないんだ、と泣くところでまた泣いた。

脳筋な伊之助も、煉獄さんの強さや優しさ、偉大さを肌で感じて、想うことが沢山あったのだろうし、それを言葉にする力もなく叫びながら走り回る姿も彼らしかった。

あいつ今回一回も素顔見せてねーな。

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子供達に人気、のわりには残酷な描写、グロテスクなシーンも多い鬼滅の刃。

僕もグロ耐性が低いのでアニメ本編でも時々うっ、と思うことがあったが、今回の映画の中盤辺りは肉塊の中で戦うので沙耶の唄か???ってなりました。

見れるレベルではあったんですが、普通に気持ち悪いなと思ったし、伊之助が気持ち悪っ!って言ったの、あ、代弁ありがとう、って感じでしたね。

沙耶の唄シーン長いしね。苦手な人はちょっと気をつけた方が良いですね。

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つらつらと色々思い出しながら書きましたが、アニメの蜘蛛の鬼との戦いの時点で劇場版か??レベルの作画力を見せた鬼滅の刃、劇場版はやはり更に迫力が凄い。

戦闘シーンは本当に食い入るように見入ってしまうし、最後までテンポ良く進んでいくので最高です。

世間で流行れば流行るほど冷めてしまうタイプの人の気持ちはよーく分かるのですが、流行り物には必ず理由があるので是非触れてみて欲しいなぁ、と思う作品です。

僕もとりあえず一話見てあまりの暗さに一回見るのを辞めたし、序盤ずーーっと修行だから見ててしんどいとこもあったんですが、どんどん面白くなるので。

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皆、サイコパス煉獄が煉獄さんになるまでを見届けよう。

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