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BTSとモヤモヤ本とSpeak Yourself

少し前に『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』を読んでというブログを書きました。

今回は、このゼミの皆さんのオンラインイベント第二弾「大学生が読み解くBTSと社会 〜『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』×『BTSオン・ザ・ロード』『BTSとARMY』『BTSを読む』〜」を視聴しての感想です。

まとまりが悪くなるかもしれないけれど、頑張って書きますね!
頑張ってまでなんで書くのかというと、「問題を言葉にすることが考え始める契機である」というイベントの中でのお話が大きいです。
言葉にすること、自分はどう感じ、どう考えたのか。それを書くことで改めて整理されて理解が深まると思っています。

見ないようにしてきたものと向き合う

前のブログでも書いたんですが、自分が加害者側の人間だとは信じられないでいたんですよね。なんかそれを認めるのには勇気がいるというか。本当に怖いんです、自分のしてきたこととか見ないふりをしたことを思い出しては沈痛になるレベル。
でも、向き合わないといけないなと感じる。
わたしがそう感じるようになったのは、モヤモヤ本(略させていただきます)を読んだことも大きいですが、やはりBTSの存在が大きいです。

今回、BTSの話にももちろん触れていたんですが、彼らの昔の楽曲で歌詞やMVがミソジニーじゃないかって指摘されるものがあったり、ブラックミュージックやその背景を理解しないまま”消費”するような行為があったりしたんですけれど、それを彼らも指摘されることで学びながら今という場所にいて、常に”善い人”であろうとすることの歩みを止めないわけです。

彼らは過去の間違いを認めながら、勉強をしながらどんどん進化している。そんな彼らを見ていると、わたし自身は加害の歴史などを含めたいろんな出来事を過去のことだから関係ないと言えるのか?歩みを止めたままでいいのか?ってなるんです。

政治的な問題=人権の問題

(いやぁ、MVのリンク貼るとジンくんのワールドワイドハンサムな顔でキャプが出るから筆が止まるよね←止めるな)

この「Spring Day」のMVがセウォル号惨事のことを歌っていることは、ファンの中では有名な話ですが、それってファンになることで、あの事件を必ず知るってことなんです。

・亡くなった方たちのことを忘れない
・その時の政治のことを忘れない(ろうそくデモのことなど)
・寄付など実際の行動も伴っていることで、自分も実際に行動しようとなる

優しい曲調の歌で一番に感じ取れるのは「亡くなった方への鎮魂」だけれど、『オメラスを歩み去る人々』がモチーフとして使われていることに、悪政に対しての「見てみないふりはできない」という強い意志も感じます。

『オメラスを歩み去る人々』
自分たちが心地よい暮らしをするのと引き換えに地下に閉じ込められている一人の子供がいるというのを知って、そのまま何も知らなかったことにして暮らす人がいる一方、心地よい暮らしも何も保証もない場所に歩み去っていく人たちがいる、という話

イベントのお話の中で、【政治的な問題=人権の問題】だとBTSは分かっているんじゃないか、というのがありましたが、本当にその通りだなと思います。理不尽なことがある時は、抵抗して戦う、行動する、表現すること、それをずっと続けてきたんだろうなと。

じゃあ、そんな彼らのファンになったわたしはこのメッセージを受け取って、人権の問題があると感じた時に目を瞑っていられるか?そのまま何も知らなかったことにしてオメラスで暮らせるのか?ってなるんです。
とても暮らせないです。

オルタナティブな男性性

今回、この言葉が一番ガツンと印象に残っています。
BTSに感じる「オルタナティブな男性性」。
彼らの動画を見ていると、とても平和で親密であったかくてなんかもう本当に幸せしかないんですけれど、なんでこんな居心地がいいのかなって思ったら、そこには”威圧的な男性”がいないんだと気づいたんです。

年上の男性が意味もなく偉いとかそういうのもないし(わたしがジンくん推しなのは長男ジンくんから一切そういうのを感じないというのが大きいのかもしれない)、互いを尊重しあっていて、誰かの意見に萎縮したり遠慮したりする構図もないし、かといって彼らに個性がないかというと、逆に全員が全く性格も違うし個性的で。そして何よりみんな褒めるのが上手!!
(あ、待って、急になんか饒舌になってきてずっとBTSのいいところをしゃべり続けそうなのでちょっと舵を戻すわ!ギュイン)

ナムさんが「男らしさという概念はもう古い」ってインタビューでバッサリ言っていたのは、わたしもとても印象的で覚えているんですが、同時に男らしさへの異常な執着をする人や無意識なジェンダー差別をする人たちをたくさん見てきたなーって思いだしてしまって。
事務職の女性のことを「女の子」と呼ぶ人とかめっちゃいたなって。「女は愛嬌」とか何回も言われたし、九州に転勤になった時に「わたしはお酒は作りません」って言ったら「これだから東京の女は(笑)、、、」みたいに冗談めいて言われたけど、あれって、きっと本心だったんだろうなと思います。
でも、わたしあまり戦っては来なかったなって思って。それはいま深く反省しています。わたしより若い女性に同じような想いをさせることに繋がっていると思うから。

そういえば、今回のお話の中で「謝罪するマスキュリニティ」というのもありましたが、自分の過ちを認めて謝罪して学んで繰り返さないようにしていく、というのは本当に大切だなと思いました。
今まで知らずに行っていた無意識の差別を認めてちゃんと謝罪して学んでいく。

手前味噌感が出るんですが、先日夫が(最近一緒にBTSの動画を見たり韓国のドラマをよく見ている)ボソッと言ったんです。
「実は前はちょっと馬鹿にしていた」って。
でも、彼らの音楽や映像作品を見て考え方が変わってきたのかなと思います。「謝罪するマスキュリニティ」ってこういうことかもなって。
自分が偏見を持っていたことをまず認めるって怖いと思うんですよ、それを口に出すというのも。
イベントの中でもお話がありましたが、そういうのを認めて口に出すと、男性的な社会からは排斥されがちになるし、それが怖くて、おかしいなと思っても口に出さないでいた男性も多くいただろうなって思います。
(あれ?うちの夫が会社で浮きがち←なのって、、、)

でも、とてつもなくかっこいいBTSが見せてくれる「オルタナティブな男性性」を見てかっこいいなって思って、変わってくれる男性が沢山いるんじゃないかなっていう期待もしています。
わたしはBTSとこれからのオルタナティブな男性像に明るい未来を見ています。

そういういい影響を与えられる稀有なグループですウリバンタンは。
男性ファン増えてほしいなー。
ゼミの先生がチラッと登場されてその短い登場時間に「沼落ちしてる」って仰って、ほぼBTSの話しかしないで華麗に去っていったのがもう個人的にスタオベでした。(嘘です、他のお話もされてました、先生ごめんなさいw)

Speak yourself

そういえば、今回のイベントの注意点として、悲しいことに嫌がらせがあるみたいなことが書かれていて、とても悲しくなったと同時に怖さがやっぱりありました。
それは、声が大きくて「論破」しようとしてくる人たちの存在がチラついたから。

実はわたしも最近、Twitter(本アカではなくBTSアカの方)でJINくんと韓国ドラマについていいねしてきた方がいたのでプロフィールを見に行ったら、めっちゃゴリゴリの日の丸背負ってらして元首相の参拝のやつとか某百田氏ツイートのRTとか満載っていうことがあって。
多分ちょっとした嫌がらせだったんでしょうね。子供じみてるって思ったけど、5分くらい気分が悪かったです(立ち直りは早い方)。
でも、BTSアカウントの方だから、わたしは匿名なわけで怖さってあまりないはずなのに、それでも怖かった。

だからと言って、こういうブログを書くことを止めようとはもう思わないです。それはBTSを知ってしまったからであり、モヤモヤ本を知ってしまったから。
わたしは、わたしがどう思ったのか、どう感じているのか、どういう姿勢で歴史や差別に向き合っていきたいのかを語ることを、もう止められないです。

そして、大学生の若い彼らが顔を出してしっかり自分の意見を言って、怖い思いとかもしているはずのに、随分と大人のわたしはそういうことを言わずにいたなという恥ずかしさもあります。

言わずに傍観者でいたことで、わたしが怖がる加害者に加担していたなって。

モヤモヤ本を読めたこともとても素晴らしいことだけど、わたしは今回のイベントも含め自分の顔と名前できちんと表に立って意見を言っていく大学生の彼らと出会えたことが一番勇気をもらえました。
本当にありがとう!

またオンラインイベントがあれば参加したいです。

長くまとまりのない文章になりました。

ここまで読んでくださった方も、ありがとう!

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Ai Yonekura
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