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🟡娘に贈る回顧録 44/7300 折り紙遊び

娘はおもちゃをあまり欲しがらなかった。
いわゆる、○○人形とか○○のお家の
類いのもの。
それよりはパズルやブロック、積み木のように
自由に何かを作る物を好んだように思う。

その中でも楽しんだのは折り紙だ。
幼稚園で習ってきたものを家でも作って見せる。
折ったり千切ったり貼ったりして一緒に遊び、
作品を棚に飾って眺めたものだ。

小学生になり体調が悪い日が多くなってからは、
ますますのめり込んで、本1冊分を制覇したことも
あった。
お布団にくるまれながら、手先だけで出来る遊びは
飽きること無く続けられた。
小さなパーツをたくさん作り、色合いを考えながら組み立てる。見事な久寿玉が出来上がる。

折り紙は作って楽しむだけで無く、
分数の勉強にも役立った。
ノートで計算してもわからないものを、
折り紙で説明する。
半分に折る、は1/2。さらに折って、1/4。
それが倍になると?

図形の勉強にも使った。
立方体、三角錐、四角錐、円柱、円錐。
展開図の理解にも役立った。
折り線から逆に考える事が出来るようになった。

膝に乗せて一緒にひとつひとつ作った時間。
ダイニングテーブルで一緒に座り
山になるほどパーツ作りに没頭した時間。
小さな手で丁寧に作る真剣な顔は可愛らしかった。
ただの紙から作られる様々な形に喜んだ顔も
思い出した。

今では一緒に何かをすることは少なくなった。
遊ばせているつもり、教えているつもりが、
実は癒されていたのだと思う。

作品はひとつも残っていないけれど、
折り紙で遊んだ記憶は母との楽しい思い出に
なっているのかな?
きっと忘れているだろう。

それでも、良い。
私が覚えているから。

楽しい時間をありがとう。

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