AURORA:朝から晩まで毎日ヘビロテ

一人のミュージシャンにこれくらいハマったのは、ポール・サイモン、スティング、以来かもしれない。朝から晩まで、毎日、途切れることなくヘビロテしている。

きっかけはNHKの「BS世界のドキュメンタリー」で放送された「オーロラ 私の歌を探して」だ。ノルウェイの自然豊な森の町に暮らすAurora Aksnesの歌を友だちがネットに流し、流行に火がつき、彼女は15歳で突如として寵児になった。アルバムをリリースし、ノーベル平和賞のステージで歌い、ワールドツアーをこなし、その中で極度のストレスに自分を見失いそうになりながらも、しなやかに再生し、セカンドアルバムを録音する過程が描かれる。

ビジュアルにはen.wikipediaにあるこの写真が感覚的に近い。「もののけ姫のサンが、クリムトのデザインしたコスチュームを着て、国際化した元ちとせのように歌い踊っている」という雰囲気だ。(写真はen.wikipediaから引用)

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シンガーとしては声が素晴らしい。実力なしではできないアカペラから声を音楽のパーツとして使うような手法まで自由に使いこなす。その変幻自在の声から、汲めども尽きぬ多彩なメロディーが生まれてくる。自作曲のプロデュースにも強いこだわりがあり、現代的でダンサブルなビートミュージックからバラードまで、耳なじみがよく聞きやすいのに、細部までものすごく緻密な音作りをする。メインリリースのアルバム3枚を、朝から晩まで毎日ノンストップでずっと聴き続けていて、どの音で立ち止まってもなにかしらの発見があり、まったく聞き飽きない。
ソングライターとして彼女は英語で詞を書くが、ノルウェイ人で英語ネイティブではないことが逆に幸いしていて、隠語や流行語でないシンプルでわかりやすい英語表現を使って、とても深いメッセージを語りかける。内容は自然豊かな場所で育ち暮らす立ち位置からみた社会のあり方や人の暮らし方への疑問、ジェンダーとしての女性への共感・励まし、性別やLGBTQの垣根を透過的に乗り越えてしまった愛などで、どれをとっても現代的で、自然で、力強い。

音楽を言葉でぶつくさ表現しても大したことは言えない。聴いてもらうのが一番だから、動画を貼り付ける。彼女の相当な不思議ちゃん・天然なところも写っていて、チャーミングだ。Enjoy。

ちなみに、彼女は「アナと雪の女王2」の「Into the Unkown」の北風でもある。

Apple WWDC 2020のイントロも彼女。


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