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息を吸って吐くように「顧客を創造」しよう。

to HANOWAのみんなへ

先月のインスタライブみんなは聞いてくれたでしょうか。子育てと仕事を両立して自己実現を目指す上で外せないテーマだったと思います。

子育てと仕事を両立する人はすべからく持ってるマインドが1つあると思います。そのマインドは、何も働くお母さんだけの話じゃなく、スタートアップでも出世してCXOになるような人はみんな息を吸って吐くように実践していることです。その辺りを触れてみたいと思います。


企業に社会保障を期待するな

まずシャウトしたいことですが、
こんなことを書いてるからと言ってあらいは何も家庭持ちに対して優しいなんてことは一切ないです。

生馬の目を抜くような厳しい競争の中に晒されてるわけです。気を抜いたら全員死ぬ中で、成果を上げない人を雇っておく余裕などありません。
そんな前提に立ってみた時、言っちゃ悪いですがHANOWAを使ってくれるユーザーでも勘違いした人が本当に多いなといつも思います。分かりやすいのでユーザーで悪いですが例を挙げます。

歯科医院はあなたを扶養する場所ではありません。

全部ではありませんが、勘違いしてらっしゃるお母さん医療従事者さんに、

「子育てしてても働きやすい医院はありませんか?」

と言う方がいます。
これの何がナンセンスかと言うと、いい歳して子どももいて、学生時代のまま社会との関わり方がストップしていると言うことでしょう。
お客の相手をするのが社会人で、お客のままでいるのが学生です。

これは国としての姿勢も何だかなぁと思いますが、企業に対して競争環境に晒して納税を求めながら、しれっと社会保障としての機能も(結構)期待しているところはなんとかして欲しいと個人的に思います。企業は国民を扶養する場所でも無ければ、社会福祉施設でもありません。競争の中に晒された一民間の機関です。スタートアップであれ医療機関であれ、毎日生きるか死ぬかの競争の中にあります。

そんな中で、さらにまずい因子が人材不足です。
その人個人の職業観はたとえ学生のままだったとしても、その職業の需給バランスが極端に偏ると、提供できる価値が向上しなくても報酬が上がります。

需給差で上がった報酬は環境依存

お分かりのように、この報酬アップは内的変化を伴うものではなく、外的変化によるものです。
その個人そのものの内的変化は、多少はあるかも知れません。長年やってれば。ただ、明らかに外的要因による報酬アップの割合が昨今は強く、時代が変わった時も自分でなんとかして再現できるような現象ではありません。

ここまで読んでギクっとする人は、何も歯科医療従事者に限らず、今時のスタートアップにも、あるいはHANOWAの中にもいるかも知れません。

その報酬アップは、
外的変化によって落ちてきたボタ餅でしょうか?
あるいは内的変化によって勝ち取ったものでしょうか?

外部環境の変化が目まぐるしいことはみんなも承知のはずです。どんな技術によって自分の仕事がリプレイスされるのか、常に明日は我が身です。

「顧客の創造」

そんな目まぐるしい今、普遍的な指針を50年前にドラッカーは明確な一言にまとめています。

企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客の創造である。

ドラッカー マネジメント上巻 p.73

例えば、
「子育てしてても働きやすい医院はありませんか?」
とあらいに聞くと「医院はテメェを扶養する場所じゃねんだよ!」と罵声を浴びせられます(可哀想に…)。

しかし
「保育園と家庭の都合で9:00以降15:00までしか働けません。でも20代は口腔内写真も撮って30分以内でメンテもやってホワイトニングの成約にも繋げる厳しい医院でしこたま鍛えられてきました。短い時間でも単価アップに貢献できる自信はあります。」
なんて言われた日には、お、おぉ、いいですね。だったら…
となりそうです。うちの会社はこっちから1to1で医院を斡旋しませんが、なんか応援したくなっちゃう人に間違いありません。

この顧客の創造

例えばHANOWAだと何やかんやで2万人程度顧客がいるとします。
ここでいう創造するとは、
2万人を3万人、4万人にすることだけではありません。

目の前にいる2万人は、必ずしも全ての欲求が満たされた人ではないはずです。
例え同じ人間でも、光を当てる角度を変えると、また新たな欲求を持った個人が浮かび上がってくるはずです。
その瞬間、もう1人の人格を創造したことと同じインパクトをもたらします。

これは医療✖️人材という限定された市場に根を張って今現在商売を営むHANOWAにとって無限の可能性を生みます。

前者の顧客の創造とは、ゼロサムゲームです。人口に限りがある以上、必ず奪い合い、結果企業は消耗します。
後者の顧客の創造とは、プラスサムゲームです。人の欲求が今のところまだ尽きた歴史はありません。

僕が観察する限り、どれだけ勤務する時間が制限されようと、院長から求められて仕方がない医療人材は、すべからく、ことごとく顧客を創造しています。

人材過剰になっても選ばれる人であれ

今日日、エンジニアやUIデザイナーといった職種は需給による報酬競争が熾烈な勢いを増しています。

その高い報酬そのものは、ご自身がリスクと、一定の学びへの投資と、SIerなど漆黒の職場で働く日々を経て手に入れた、何にも変え難い勲章です。
少なくともあらいはそこに対して投資をしてこなかった人間です。
自分ができないことに敬意が払えなくなったらリーダーを辞めるべき時でしょう。

ただ、あなたの報酬は、コードを書いたから発生するのではありません。
Figmaを作ったから発生するのではありません。

ここの領域に止まるのであれば、企業の中であなたにこれ以上のポジションや責任はないでしょう。誤解して欲しくありませんがそれがダメとは言っていません。それも生き方です。

ただ、すべからく次々と新たな機会を得る人は皆、コードを書くのではなく「顧客を創造」しています。Figmaを完成させるのではなく、「顧客を創造」しています。

CXOになるような人達は皆、息を吸って吐くように、「顧客を創造」します。それは社外のみならず、自分の一つ上の上長が今抱えているタスクや悩みから解放して、上長がやって欲しいと思っていたことを炙り出し、それを解決します。技術や資格を持っているだけの人は確かに、需給によって報酬が高まります(トゲがある言い方だったらごめんね)。

しかし、技術があって、「顧客を創造」できる人は例え人材過剰に社会が戻っても、必ず求められ続け、飯が食え続けます。


息を吸って吐くように「顧客を創造」しよう。


追伸

覚えておいて欲しいのですが(みんなが自分の事業を起す時の為に)、
技術ができて顧客を創造できる人は、大概、雇われる必要がありません。その人たちはほとんどの雇い主のことをバカだと思っています。

これを書く以上、みんなが「顧客を創造」できる力をつけるその何倍ものスピードであらい自身が成長し、「やっぱうちらのリーダー違うわ」「やっぱあらいさんには敵わないわ」と思わせる覚悟を持って書いてます。
そんなヒリヒリする戦いの中で健全にビジネスマンとして成長していきましょう。