10/13 人外魔境

10月13日。
今日は友人の住む京都に遊びに行った。私は友人と呼べる人間関係をわずかにしか持っていないが、私はたいてい影響を受ける側として振る舞うことが多い。それでも、私が影響を与える側として振る舞うことも存在し、この友人との関係においては、私は常にこの彼女を振り回す側として存在しているのだった。童心に帰ったような感じがして、ちょっと恥ずかしくも思う...。

遊びの内容を私がチョイスするというのはなかなか面白い。彼女はたいてい、うん〜いいんじゃないとほわっとしているが、彼女の興味の方向とも一致すればいいと思い、古本屋を巡りその後カラオケに行こうよと提案した。正直、遊びの内容など無くても、河原とかで何時間でも話せるような気がする。彼女も乗ってきたので、なるほど、と正直彼女の好みを理解するのは毎回新鮮だ。

ところで、最近何をしているかとか、最近どう?という質問はあまりにも指示範囲が広くてどう答えるものか、迷ってしまう。記憶しておくべきもの、引き出すべきものが日常の記憶を圧迫していて、正直何も覚えていない。少しでも引き出せるようにと、以前は紙で書いていた日記をキーボードでも書いてみようと思いたってこのように書いている。

本筋に戻ると、古本屋巡りは想像以上の収穫だった。一軒目のところは高すぎたが、まあまあ古い年代の海外文学があって良かった。タイトルだけメモした。カフェのような外観、入りやすい雰囲気が印象的だった。

二軒目はアパートにある古本屋で、鍵がかかってて、さながら不法侵入を試みる泥棒だった。失礼があったのか、店主の方がドアを開けて何ですか?と怪訝な顔で私に尋ねるので、私は面食らって、すみません...と謝りながら営業してますかね?とそのまま店内に入った。めちゃくちゃヤバそうな店主で、こういっちゃ失礼だが、捻くれてそうで良かった。店内は本の日焼けを防ぐためか、照明はオレンジがかったぼんやりとしたもので、自然光が一切入らず室内の本棚が存在感を放っていた。肝心の本はというと、人外魔境、サド選集やらなんやら、異彩を放つ本や陰鬱かつ混沌とした本ばかりで店主の趣味が窺えた。他のお客もなんだか売ってある本とおんなじ感じの雰囲気を漂わせていて、私は場違い感というか浮いていたので、入り口で何しにきたんですか?って感じの反応だったのも頷ける。マジ泣ける。他のお客さんが立ち読みしながら時折ヒヒって笑ってたのが怖くて、ここで殺されても誰も見つけてくれへんよなと最悪の妄想をした。(他の客の本のチョイスを、本の位置を覚えることで盗み見を可能にしふ〜〜〜ん?とさせていただいた)(震えました)

三軒目のとこは古い本がたくさんあって良かった。全部は見ることができなかったが、美味礼讃の上下巻を買った。以前から気になってはいて、立ち読みの段階で心惹かれるものがあった。可愛らしいおじいちゃん店主で、買う時に、こんな古くて汚い本でいいの?と言うものだから、えっ新しい本があるんですか?笑と冗談で答えるとたいそう笑っていた。有名な本だね、こういうの読むの?と聞かれ、まぁ、こういうのは好きですねと答えると、おじいちゃん、若い人がそんなに来ないんだろうな、とても嬉しそうな感じだった。で、入り口に売られてる鬼滅の刃のヘアゴムとか、呪術廻戦のキーホルダーを指さして、こういうの好き?学校のお友達はこういうのつけてる?と(厚かましいけど)タダでくれそうな雰囲気だった。丁重に申し訳ないけど断った。可愛らしい人だった。

カラオケでは友人が入室後わずか10分でミルクティーを4杯飲んでいたのでおもしれぇなと思った。

また京都に行って本を仕入れてみようかな〜〜


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