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【山形】1人で行ってみた、田んぼの孤島にあるホテル

銀座の一等地にある不妊治療クリニックとのいざこざを経て、現在は転院先のまともな病院に通っている。

診察や検査などで数回通ったくらいのタイミングで、もし今後妊娠することができたらしばらく遠出はできなくなるということと、気持ち的なリフレッシュも兼ねて、旅の予約をした。山形にある、妻が好きそうなスタリッシュなホテルだ。

しかし、旅行まであと数週間くらいのタイミングで、不妊治療の第一段階が成功。うまく行けば妊娠するかもしれないということで、念のため妻はやめておくことに。突然2人旅に誘っても快く来てくれそうな友達は私にはいない、かといってキャンセルするのももったいない、ということで、1人山形旅が敢行される運びとなった。

旅のこだわり

私が旅の目的地を選ぶときにこだわっているのは、「混んでいないこと」。東京にいると、サウナに行っても、ラーメン屋に行っても、麻雀に行っても、大体混んでいる。旅行の時くらいは、静かに過ごしたい。

今回予約したホテルは、山形県鶴岡市にある「スイデンテラス」。見るからに人気がありそうだが、"晴耕雨読の時を過ごす、田んぼに浮かぶホテル"という穏やかそうなコンセプトを掲げているし、写真から読み取れる雰囲気的に人でごった返していることはないのではないか、そうだ空いているに違いないと思い込み、羽田空港から飛行機に乗り込んだ。

3名席の通路側に座った私の隣には、20代後半くらいのカップル。女性の方が手土産的なものを持っていたので、どちらかのご両親に挨拶にでもいくのだろう。この飛行機に乗っている人のほとんどの目的地が、あの田んぼホテルだったら嫌だなぁと思っていたが、このカップルに関しては大丈夫そうだ。

移動は自転車

旅行先ではなぜか無性に自転車に乗りたくなる。今回は、鶴岡駅前にある観光案内所で、なんと無料で自転車を借りることができるという情報を掴んでいたので、庄内空港からシャトルバスに乗り、その足で観光案内所へ。

2日間ともお世話になりました。

レンタル自転車に跨り、素晴らしいクオリティのカップラーメンでお馴染みの、「龍上海(りゅうしゃんはい)」へ向かった。

自転車走行中のイヤホン使用はNGだが、1人旅の旅先ではよく、東海オンエアの虫眼鏡さんのラジオを聴いている。普段はCHOCOZAPのランニングマシンで走っていてYoutubeの動画が見れない10分間くらいしか聴かないのだが、旅先で1人で黙々と歩いている時は、あの耳触りの良い声を求めてしまう。

脳内で虫眼鏡さんのラジオを再生しながら、30分ほどかけて「龍上海 鶴岡店」に到着。人気店であり、土曜日のお昼時。多少の行列は覚悟したが、思いのほか人がいない。すぐに着席し、ラーメンにありつくことができた。

赤湯からみそラーメン

田んぼの孤島へ

山形が誇る有名ラーメン店を後にし、タラタラと自転車を漕いで駅に戻ったころには、「スイデンテラス」のチェックイン時刻が迫ってきたので、駅前に駐車していたタクシーへ。5分ほどで到着したのだが、本当に田んぼのど真ん中にホテルが建っている。

この建物の周囲一面が田んぼになっている。

まずは、私の大好きなサウナに赴こうとチェックインカウンターに向かうと、飛行機で隣り合わせたカップルがいた。やっぱりか。反射的に目を逸らし、部屋へと向かった。

壁際にはいろいろな本。ソファで読んでいる人も。
辺り一面に水田。
私が乗っていたものよりハイスペックなチャリ。
有料でレンタルできる。

別棟にあるサウナ付きのスパを訪れると、何と隣にジムがあるではないか。仕事が忙しい時期で、平日にほとんどCHOCOZAPに行けていなかった私にとっては嬉しい誤算。こんなこともあろうかと履いてきた運動靴の底をピカピカに磨きに部屋へ戻り、サウナ前に一汗流すことにした。

ランニングマシンは、初めて見る自走式タイプ。
自分がハムスターのように思える。

全国屈指のサウナの実力

スパのロゴもスタイリッシュ

その後入ったサウナのクオリティには言うことなし。「SAUNACHELIN(サウナシュラン)2021」で第6位にランクインした実力は伊達ではない。まず、滞在中トータルで3回サウナに入ったが、いずれも空いている。人がいない。6〜8名入れそうなサウナ室には、多い時でも3人しかいなかった。

またすごいのが、整いスペース。初日に男湯となっていた「天色の湯(あまいろのゆ)」は、露天風呂の先一面が田んぼになっているのだが、湯船の前方にコンクリートのスペースがあり、それが古民家の縁側のようになっていて、座ったり寝転んだりして外気浴を楽しめる。開放的。

もちろん、セルフロウリュがあるサウナ室のクオリティは高く、屋外にある水風呂もキンッキンで、とても素晴らしかった。

翌朝ももちろんGO

いざ、ぼっち飯

夕食、朝食付きのプランを予約はしていたものの、メニューなどはほとんど見ていなかった私。サウナやジムには満足していたものの、旅の総合評価における食事の比重は大きい。ワクワク、そしてソワソワしながらディナー会場へと足を運んだ。

結論、とてつもなく良かった。サーブスタッフの方の対応が丁寧すぎて、注文を終える度に毎度ドリンクメニューを持って行ってしまうので、ぼっち飯ならではの、食事がひと段落した際の、あの手持ちぶさたな時間をドリンクメニューを眺めることで消化する、というのがしづらかった。と無理やり文句を言うくらいしか、注文をつける点がなかった。

前菜5種、メイン5種の中から3品選んで良いということで、ここはもうメインのみ3品選択してしまおうかと思ったが、何とか堪えて前菜1、メイン2のスターティングラインナップに。中でも、あまり期待はしていなかった「金華豚のグリル」なるものが、ホームラン。断面がほんのりピンクがかった牛のような見た目だ。牛肉のような豚肉って、なぜこんなに感動するのだろうか。

金華豚(きんかぶた)のグリル
山形牛赤身肉のロースト
地元のお酒。特別純米 吾有事(わがうじ)
こういうつまみ的なものが、食べ放題。

ホテルがある山形県鶴岡市の日本酒だという、「吾有事(わがうじ)」を飲み、大満足で会場を後にした。

さいごに

翌日の朝食こそ時間帯的に少し混み合っていたものの、基本的には静かで、穏やかなホテルだった。私はちょっと座っただけだったが、ライブラリーがあったり、私はビビって行かなかったが、SAKE LOUNGEなるところで山形のウマイお酒が飲めたりもする。

田んぼを見ながら読書。
チェックイン後から24時まで、
セルフでお酒が飲めるらしい。

そして大体の場所に、なぜか人があまりいない。予約は一杯だったはずだから、あまり混みすぎないような設定にしているということか。だとしたら素晴らしい。客層はほとんどがカップルかファミリーだったように思うが、ひとりだった私も存分に楽しむことができた。都会の喧騒に疲れたら、また行こう。

普通に土日だったが、人口密度の低さが良い。

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