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【展評】頭山ゆう紀「残された風景」(2025.1.11-2.23|POETIC SCAPE)
頭山ゆう紀の個展は、2018年のスタジオ35分での展示以来7年ぶりだという。かなり長いブランクだったわけだが、今回のPOETIC SCAPEでの個展からは、その時期に培われた視線と感情の深まりがしっかりと伝わってきた。可愛がってくれた祖母が、末期癌で闘病することになり、頭山は仕事を一時辞め、同居して看護にあたる。その合間に「買い物に出る僅かな時間に息抜きに撮っていた近所の写真」(モノクロームとカラー)が淡々と並んでいた。看護のストレスと孤独感を抱え込みながら見つめる風景は、時には空虚に、時にはみずみずしい生命感をたたえて見えてくる。それらを、まずは受け容れ、その細部を繊細な手つきでなぞっていくことで、静かな緊張感が漂う写真群が形をとってきた。赤々舎から刊行された同名の写真集も、丁寧に構成されている(デザイン・須山悠里)。次の一歩を踏み出す準備作業が完了したことを告げる、いい展示だった。
レビュアー:飯沢耕太郎
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頭山ゆう紀 「残された風景」
会期:2025年1月11日(土)〜2月23日(日)
会場:POETIC SCAPE
関連リンク:http://www.poetic-scape.com/#exhibition