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がん治療で使う病床の違い;一般病床、療養病床、緩和ケア病床

こんちは!副業社労士まさゆきです。

母の病床が、一般病床から療養病床に移りました。末期がんで緩和ケア病床に移る可能性があります。3つの病床の違いを比較してみました。

【病床には5分類がある】
医療法で、病床は一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床の5つに分類されます。緩和ケア病床は「がん対策基本法」2016年改正で制度化された病床です。
2019-1-1-A.pdf

【一般病床の入院日数は短縮が続いている】
一般病床とは、主に急性期の疾患を持つ患者さんを受け入れる病床です。皆さんが怪我した時入院する普通の?病床です。
一般病床の入院日数は短縮が続いています。2019年の平均在院日数は16.0日で、前年よりも0.1日短縮しました。短縮の要因で大きいのは診療報酬(病院に国から払われる治療費)の仕組みです。入院すると「入院基本料」が病院に払われますが、それとは別に、入院期間に応じ、以下の診療報酬点数が1日毎に加算されます。
14日以内:450点(1点10円です)
15日以上30日以内:192点
つまり、入院期間が短いほど病院は儲かります。母も14日で一般病床から療養病床に移されました。

【一般病床と療養病床の違い】
療養病床は、長期入院が必要な患者のための病床です。一般病床との違いを見てみます。

一般病床に比べ、療養病床は治療・看護にかける人手が少なくなります。治療設備も少ない。代わりに長期入院用に談話室、入浴設備があります。

【療養病床には医療型と介護型の2種類がある】
療養病床には、医療型と介護型の2種類があります。どちらに入院するかは病気の種類で分かれます。詳細は添付「医療区分表」ですが、医療区分2,3に該当すれば医療型、該当しなければ区分1で介護型療養病床となります。がんは医療型療養病床です。
001218901.pdf

なお、「介護型療養病床」は2023年に廃止となり、現在は「介護医療院」に制度移管されました。社会保障費削減のため、医療型と介護型をきちんと区別する目的です。「医療型」は医療保険が、「介護型病床(介護医療院)」は介護保険が費用を払います。

【医療型療養病床の費用】
療養型病院の入院費用の一部は医療保険で負担しています。自己負担割合は収入に応じて変動しますが一般的に1割です。症状、年齢、地域によって異なりますが、自己負担額の目安は月10万~20万円です。内訳の一例ですが、おむつ代約30,000円/月、病衣代約10,000円、食費自己負担分約40,000円、差額ベッド代約80,000円(4人部屋1か月:全国平均:2020年厚労省データより)といったイメージです。母の場合、一般病床に1か月入院(県立病院)した自己負担は約100,000円でした。

【緩和ケア病床】
緩和ケア病床は心身の痛みや辛さを和らげる治療やケアが中心で基本的にがん治療は行いません。
入院期間は1か月程度が限度です。法改正により、30日以上緩和ケア病床に入院すると診療報酬が下がる仕組みとなったことによります。実態は「最後の看取りをするための病床」です。
「順番はありません。適切な患者さんを当方で見極め、適切な順番で緩和ケア病床に移します」と説明を受けました。

今でも死因の第1位はがん、人生100年時代になれば死因の殆どはがんになると言われています。他人ごとでないです。ご参考になれば…ではまた次回。

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