50代会社員に必要なのはリスキリングの前にリマインディング
こんちは!副業社労士まさゆきです
8月11日の日経朝刊一面に、「『指示待ち』学校 人育たず」の記事を読みました。国の指示待ちになりがちな学校が、社会の変化を先取りして外国籍の子供の日本語指導を進めている、という内容です。記事の中で「欧米キャッチアップ型社会なら指示待ちで何とかなったが、人口減少や地球環境の悪化といった未知の領域に入った社会では通用しない」学校に限りません。
1980年代、日本は「JAPAN AS NO1」と呼ばれました。第2次世界大戦後目標だった欧米をキャッチアップし、自動車・家電等工業製品の品質・価格競争力で優位に立ちました。
企業の中心にいる50代会社員は、子供から大学生、新入社員の間、欧米キャッチアップの価値観の中過ごしました。中堅社員でバブルが崩壊、「失われた30年間」を合理化・人員削減・事業統廃合で過ごした50代は、未知の領域に入る社会に戸惑っています。
中国経済が減速し日本経済は構造転換を迫られます。地球環境の悪化はサプライチェーンに影響します。キャッチアップ型社会の経験しかない50代に創造性・創意工夫・変化への順応が求められます。リスキリングが求められる所以です。
しかし、50代はリスキリングに抵抗感があります。その要因は下記の3つ
1)リスキリング=DXに対する抵抗感
DXが変化のキーワードですが、50代会社員にはDXに苦手意識があります。
50代~60代のキャリアコンサルに「どんなITスキルを身に付ければいいですか?」と質問したところ「ゴメン、私ITが判りません…」そのぐらい50代はDXを苦手に思っています。
2)自分を過小評価してリスキリングの意欲が持てない
創造性・変化への順応、特に創造性には引き出しの多さが不可欠です。50代の豊富な経験は引き出しの多さです。若手は学びたいと思っていますが、問題は当人にその自覚がない事です。
会社人生の大半を「失われた30年」で過ごし、バブルの後処理に苦しんだ50代は、「こんな経験は役に立たない」と勝手に思っています。自信の無さを隠すため若手に高圧的になる人もこの世代には目立ちます。自信を持てれば優しく出来るはずなのに。
3)「安定した未来を反故にされた上にリスキリングか」と納得出来ない心
50代後半は、それまでの「会社に忠誠を誓えばそれなりの役職に就け老後も安心」という価値観が崩れ焦っています。40代に役職で追い越されるケースが珍しくない。「約束と違う上にリスキリング?納得出来ない」という気持ちです。
同世代として、気持ちはよく解ります。でも、現実は変わらない、変えようがない。
ならば、現実を受け容れて、自分が変わるしかない。リスキリングの前に、リマインディングしましょう。
4)リマインディングしよう
[DXに対する抵抗感]
この抵抗感、食わず嫌いなだけかも知れません。
DX人材といいますが概念は広く、デジタル人材やIT人材を含みます。
①デジタル人材;アナログをデジタルデータに変換できる人材
②IT人材;デジタル化したデータで業務を合理化する人材
③DX人材;ITで合理化された業務を活用してビジネスモデルを変革する人材
エクセルを使えれば①はクリアしています。「紙書類をPDF化してエクセル台帳を作成、PDFアドレスのリンクを台帳に貼り付け」られれば②が出来る事になります。ハードルは意外に高くありません。
50代が入社した時には、携帯電話もパソコンもなく、注文書はFAXでした。30年間でIT機器は一変していますが、50代は対応してきました。DXも大したことないと言えませんか?
[自分を過小評価しがちな心]
記憶力は10代より50代の方が優れているそうです。経験と紐付けて記憶できるからです。「都道府県の人口を多い順位に並べよ」50代は経験で解けますが、10代は暗記が必要です。
また、経験には時間が必要で、知識を覚えるようにショートカット出来ません。貴重な財産です。
50代になったら「出来ない事を数える」より「出来る事を数えましょう」。体力が衰えを感じ始める年齢ですが、気にしないでポジティブに。
[今更リスキリングかと納得できない心]
安定した未来を反故にされたのは、50代だけではありません。それ以降の世代全てです。ならば、先駆者として未知の領域を楽しんでは?その姿勢に若手は「かっこいい」と思うはず。
リマインディングが出来たら、リスキリングへのハードルは低くなります。
ではまた次回
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