4.点滴の滴下計算器
看護師をしていて
デター!
キター!!
ヤダー!!!
と思うのが
点滴の滴下の計算。
医者から
「輸血、これ2時間で落として。」
「ソル3 100ml/hでいっといて。」
などなど。
医者の指示通りに点滴を落とさなければならないのだ。
特に壊死性タイプの抗がん剤は
血管外漏出のリスクを避けるために
輸液ポンプが使用できず
点滴の滴下計算が必須となる。
私は集中治療室で最初の3年間を過ごし
抗生物質以外はほとんど
輸液ポンプとシリンジポンプを使用していたため
ほとんどこの計算をしたことがなかった!
経験年数はそこそこあるのに
集中治療室で働いてたのに?
こんな計算もできないなんて!!
と自分を恥じつつ
こっそり点滴台の奥で
計算をしていた。
名札の裏に隠した点滴滴下計算の式に当てはめて
「これ、計算あってる?自信ないから一緒にみてくれる?」
と多忙な同僚の手を止めるのも
本当に気が引けた。
何より「うわ〜」と思うのは
オツボネナースが
「あんたー!
点滴の滴下の計算わかってんの??」
などと新人さんへの指導が聞こえてくると
ギョッとする。
例えば
「ソルデム3A 500ml を4時間で点滴しといて」
という指示があったとすると
大人用の点滴ライン(1ml=20滴)で落とすと
全体の輸液量(ml)➗かかる時間(分)×20(滴)=1分間の滴下数
だから
1分あたり
500ml➗4(時間)×60(分)×20(滴)=41.6…滴となる。
1分間(60秒)で40滴ということは大体3秒に2滴
という計算が必要になる。
これを
患者さんの清拭のタイミングを図りつつ
患者さんのオペ出棟の準備の動線を考えつつ
シビアな病状説明を聞いた家族と患者さんは大丈夫だろうかと気にかけつつ
ナースコール対応と不整脈アラームの対応をしながら
同時並行で計算しなければならない。
本当に勘弁して欲しい。と思う。
何よりもこの計算をしているときに感じるのが
「え、そんな計算もできひんの???」
みたいなことを言う
意地悪な看護師の存在。
ベテランナースに多いのがこのパターン。
わからないことをわからないと言わせないと
本当に事故が起きる。
と毎度思うが
ベテランナースの中にはこれを言わせな空気を
出す人が一定数いる。
看護師の悪しき風習だと思う。
「人の命を預かる仕事なんやからそれぐらい覚えてきて!」
などと使命感をたぎらせ、良いナースのように見せる人がいるが
本当に使命感を持ってやっているナースは
後輩にも本当に親身で優しいのだ。
医療機器も日々新しくなる。
病院の体制も刻々と変わる。
私は「難しいことは文明の力に頼ろうよ。」と考えている。
点滴の滴下のことで
怒られてきた看護師は数えきれないほどいるだろう。
先輩が怖いとか、そういう理由でうまく計算できなかった人もいただろう。
私はいっそのこと
堂々と
点滴台の前にでも
「点滴の滴下計算機」
それが、専用の機械として
病院の点滴台の横には普通置いてます!
と言う世界になって欲しい。
看護師って考えないといけないことが
たくさんある中で、
この計算に時間と労力を費やすのは
本当に勿体無いと思うし
何より、こんな計算できて当たり前よね?と
圧力をかけてきた
看護師が
「昔は計算したけどね、、
これで
点滴の量と時間の入力したら
一発で滴下数でるよっ。」
と優しく後輩に教えるようになって欲しい。
ストレスの高い仕事なんだから、看護師の負荷はなるべく減らしたい。
〈欲しい点滴の滴下計算機〉
①点滴の滴下の専用の機械であること。
これは結構大事。電卓ではだめです。
理由は、点滴は滴下計算機で計算するもの。と言う思考になる必要があるから。
②裏にマグネットがついていて、病棟の目立つところに貼れる。
単純に、このタイプが使いやすいのと、スペースの問題。
③マーケットは新人看護師から。
私の妄想を含むが
もしこんな商品があっても、ベテランの看護師たち、つまり管理職看護師がこのような商品を「買おう」とはおそらくならない。
「点滴の滴下数を計算できて当たり前」が古い看護師の美学だからだ。
看護師専用のグッズを売っている雑誌などで、
計算の苦手な新人看護師が買う⇨同期が何それいいね!⇨怒らなそうな先輩の前で使う⇨実は計算苦手なベテランが買う⇨病棟に一つは置いておこうとなる⇨各病棟に一つは置いておこうよとなる。
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