秋の夜長、教養のシャワーを浴びませんか?
主催団体が夜スク☆からシェアランに変わりましたが、続けます、
夜ゼミ「ヨーロッパの政治哲学」。
夜ゼミ@カフェスロー 2019年度後期のテーマは
「ヨーロッパ啓蒙思想の旅」。
旅先案内人の上野大樹講師からのメッセージです。
これまで、夜スク講座「ハンナ・アーレント入門:共和国の〈はじまり〉」(2018年度)や、夜ゼミ「ヨーロッパの政治哲学・入門」(2019年前期)では、われわれの生きる現代世界を深く、奥行きのあるパースペクティブから眺め理解するために、戦争の世紀でもあった20世紀を生きたユダヤ人政治哲学者ハンナ・アーレントについて学んできました。
そのなかで浮かび上がってきたのは、現代社会のかかえる潜在的な危機はいま突如はじまった問題ではなく、そこにいたる歴史の道程が存在しているということ、そして少なくともその端緒である啓蒙思想にまでさかのぼって理解する必要があるということでした。
全体主義・ポピュリズム・グローバリズムといった今日の問題は、啓蒙思想が打ちだした近代的な価値からの逸脱だと単純に割りきることはできません。だとすれば、啓蒙や近代社会の本質について、一度立ち止まってじっくり考えてみるべきでしょう。
そこで、2019年後期は「啓蒙の世紀」と呼ばれる18世紀ヨーロッパが生みだしたさまざまな政治哲学・社会哲学を、国を横断しながら眺めていきたいと思います。
当時は、グランド・ツアーと呼ばれる大陸ヨーロッパ周遊旅行が流行しました。哲学・思想はどうしても抽象性や体系性が前面に出てしまいますが、当時の啓蒙知識人たちはさまざまな国の文化を実地に体験し見分を広めることも、思想家にとって不可欠なことだと考えていました。
啓蒙思想家たちで、分厚い体系的な哲学書を書いたひとはむしろ少数派で、多くはいわばエッセイストやモラリストとして、気の利いた小品を数多くものしていました。じつは、そうした哲学者のなかでもずば抜けて難解な書物で有名になったカントでさえ、生地の港湾都市ケーニヒスベルクに集まってくる異国からの多種多彩な情報にアンテナを張り巡らせ、世界の多様な異文化に関心を寄せながらエスプリのきいた人間観察を著していたのです。
後期の夜ゼミでは、そうしたあまり大部ではないエッセイ的評論をとりあげ、ドイツ・フランス・イギリスをまたに掛けながら啓蒙思想のエッセンスをかいつまんで学んでいく予定です。
各回ともそれぞれでできるだけ完結した内容になるよう努めますので、新規参加ももちろん歓迎いたします。
こんな方にお勧めーーーーーーーー
・昔、学び足りなかったことを再度学びたい人
・社会に出た今だからこその視点を持って、新たに学びたい人
・学問と暮らしを、結び付けなおしたい人
・講師始め、社会経験豊かな人たちの集まりだからこそのコミュニケーションを楽しみたい人
・講師始め、参加者同士が持つ知識や経験の交換をしてみたい人
ほか、老若男女、国籍、性別問わず、 ご興味ある方どなたでもご参加ください!
大体2か月に1回のペースで無理なく、じっくりと学び続けることを目標にしています。
どんなに時代が変わっても色褪せない古典を学ぶこと。
1人では難しくても、共に学ぶ仲間がいれば続けられる。
参加者ひとりひとりが主体的に学び、一人では学び得ない部分を講師と仲間たちと補い合うスタイルの学びとなります。昔ちょっぴり齧ったという方も、全くの初心者という方も、まずは一度覗きに来ませんか?
事前学習をお勧めいたしますが、必須ではありません。
みなさまのご参加をお待ちしております。
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■2019年9月26日(木)
■18:30開場、19:00~21:00
■参加費について
2,000円(学生500円)※1ドリンク込み。当日現金のみ。
■お食事とお飲物につい■
◎お食事
【事前予約限定・料金別途】で、旬なオーガニック野菜をたっぷり使ったお弁当(税込1,000円)をご用意いたします。
ご希望の方はお申込フォームの該当箇所にてご選択ください。
※お弁当のご予約は開催日7日前までのお申込みに限りお受け致しますので、予めご了承ください。
◎お飲物
参加費にはホットコーヒーor ティー1杯分が含まれております。
◎9/26(木)の回は.へお申込みの方はこちらからお願い致します。
https://forms.gle/YpZkkDVnKukPTDTNA
<各回の予定>
第4回:9月26日(木):カント『啓蒙とは何か』
→『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』中山元翻訳
光文社古典新訳文庫が入手しやすいようです。この文庫に収録されており、多分翻訳も他のものより読みやすいはずです。
第5回:10月24日(木):カント『世界市民という視点からみた普遍史の理念』 or ヒューム「商業について」in『道徳・政治・文学論集』
第6回:12月5日(木):ヒューム「完全な共和国についての設計案」in前掲書
第7回:2020年1月~2月 (ディドロ「スピノザ哲学」in『百科全書』。著作集2巻)
第8回:未定 (ヴォルテール『哲学書簡』から数編)
<講師紹介>
上野 大樹(うえの ひろき)1983年生まれ。
一橋大学社会学研究科研究員。京都大学にて博士号取得。専門は政治思想史。一橋大学、立正大学、青山学院大学などで講義やゼミをおこなう。