シェアエコのトラブルを防ぐ6つの基準とは?【本人確認・レビューなど】
どうもこんにちは。シェアリングエコノミー協会の渡部です。
今回も、CtoCプラットフォームの安心の証「シェアリングエコノミー認証マーク」について解説をしたいと思います。前回は制度の大まかな概要についてお伝えしましたが、今回はもう少し具体的な内容をご紹介します。
前回したのは「認証マークって何?」という話。今回は「実際に認証マークを取得するために必要な基準って何?」という話をします。
シェアエコに必要なルールとは?
シェアリングエコノミーは、これまでのeコマースと異なり、商品やサービスの提供者に「企業」や「団体」ではなく「個人」が含まれることが大きな特徴です。
提供者が「個人」であることは、「企業」の場合と比較して、信用力が低くなりがちなことを意味しています。プラットフォームを運営する事業者は、提供者(ホスト)が信用できる人であることを証明し、取引が円滑に進むよう配慮しなければいけません。同時に、トラブル防止の観点から、利用者(ゲスト)だけでなく提供者(ホスト)も保護する必要があります。
認証制度では、シェアリングサービスを提供する際にプラットフォーム事業者が守らなければならない基準を以下の6つの分野で定めています。
その6つの分野とは、どんなものなのでしょうか?
① 登録事項
まず、「企業」に限らず「個人」が提供者(ホスト)になることが多いシェアサービスでは、相手との連絡手段を確保することが重要です。相手が誰なのか、本当に実在する人物なのか、提供しているサービスが適法なのかなど、事前にプラットフォームを介して確認できる必要があります。
具体的には、連絡手段を確保するために連絡先(メールアドレス、電話番号など)の登録させることや、本人確認書類を提出させること、弁護士などの限られた人しかできない仕事に対してその資格を保有しているかの証明書類の提出させることなど、利用登録に関することを定めています。
② 利用規約等
シェアリングエコノミーの安全性・信頼性を高めるには、提供者(ホスト)が適切な行動を取ることが大切です。そのためには、プラットフォーム上で利用規約がきちんと明示されると同時に、そこに書かれた内容がいざという時に確実に実施される必要があります。
具体的には、提供者(ホスト)及び利用者(ゲスト)が遵守すべき利用規約を明確に定めること、違反があった場合は利用停止、会員資格の取消しなどの処分があることを明記することなど、利用規約の制定・運用に関したルールが定められています。
③ サービスの質の誤解を減じる措置
個人が提供者(ホスト)になるということは、いわばアマチュアによるサービス提供が行われるということ。利用者(ゲスト)は、注意深く、賢く、サービスの目利きをする必要があります。プラットフォームには、サービスの質や内容が誤解なく伝わるための仕組みが整えられている必要があります。
具体的には、ユーザー同士が事前にサービス内容を確認できる機能(メッセージ機能など)を提供することや、「FAQ」などでサービス内容の誤認防止をすること、プラットフォーム上のウソ情報や利用規約に反する内容を削除することなど、「思っていたのと違った」を防ぐための方策について定められています。
④ 事後評価
提供者(ホスト)や利用者(ゲスト)の判断を助ける仕組みとして、レビュー機能があります。ユーザー同士の事後評価が表示されることで、取り引きの判断をやりやすくなります。ただ、レビューが故意に操作できるようなものでは意味がないため、プラットフォームには信頼性の高い事後評価を保つ仕組みが整えられていなければなりません。
具体的には、レーティングやレビューを用いた分かりやすい評価の仕組みを設けることや、低い評価を受けたユーザーが別人になりすまして複数アカウント登録するのを禁止することなど、評価の仕組みについてのルールが定められています。
⑤ トラブル防止及び相談窓口
シェアリングエコノミーでは、提供者(ホスト)と利用者(ゲスト)の間のトラブルは、当事者間で解決することが基本です。ただ、プラットフォームには、それをサポートする機能(登録の機能、ユーザー間の情報交換機能、評価の機能、決済の機能、情報保護機能、本人認証機能など)が整っている必要があります。
具体的には、提供者(ホスト)や利用者(ゲスト)が問い合わせできる相談窓口を設置していることや、トラブル発生時に当事者間で解決できない場合の事業者サポート体制があることなど、ユーザーのトラブル対応について定められています。
⑥ 情報セキュリティ
ITを活用したシェアリングエコノミーでは、その分、個人情報や決済に関わる情報を多数扱います。プラットフォームには、情報セキュリティの措置がきちんと整備されていなければなりません。
具体的には、個人情報の取得、利用、保存などに対して基本的な取扱方法を整備することや情報責任者を設けること、万が一情報漏えいがあったときにきちんと報告連絡体制が備わっていることなど、情報セキュリティについて定められています。
まとめ
以上のような6つのジャンルの基準が守られていることが、シェアサービスが最低限守らなければならないルールだと考えられています。
シェアエコ認証マークは、提供者(ホスト)や利用者(ゲスト)が安心・安全にサービスを利用してもらえるよう、シェアサービスがこれらの基準を満たしていることを認証するものです。先日新たに2サービスが追加され、現在22サービスが認証マークを取得しています。
シェアリングエコノミーの認知が拡大する中、新しくシェアサービスを利用してみようという人が増えてきています。しかしその一方で、「安心・安全の面で不安がある」「どれから始めたらいいか分からない」といった声も聞こえてきます。新たにシェアサービスを利用してみたい方は、シェアエコ認証マークを取得しているサービスから選んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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