私がBBQ研究家になるまで その3『 BBQのサスティナビリティ(フードロスとゴミ問題)』
皆さんこんにちは、 BBQ研究家の岩井です。
前回投稿した「私がBBQ研究家になるまで その2『残念な人生をBBQが救う』」では、コミュニケーションの補助ツールとしてBBQを活用しはじめる20代のお話を書きました。
今回は、その3『 BBQのサスティナビリティ(フードロスとゴミ問題)』と題して、BBQにつきまとう大量のゴミ問題やフードロスをどうやって解決してきたのか?を綴っていきます。
ちなみに、私がBBQをやる場合、参加者100人でも45ℓのゴミ袋1つに収まる程度しかゴミがでません。
また、肉だけで4〜500g/人のお肉を用意して、野菜もいっぱい使うけど、トマトのヘタ、ネギの根っこやうっかり落としてしまった食べ物以外でフードロスは出しません。
今回のnoteは、BBQ研究家の片鱗を感じてもらえると思いますし、Share Style BBQのコアな部分に触れていきたいと思いますので、乞うご期待!
最初に取り組んだBBQの課題解決
前回も書きましたが、私は農業高校から東京農大に進学したことで7年間畜産を学びました。
当然のことながらマウスの解剖をやりましたし、鶏のと殺解体や実験動物の殺処分もやりました。
その結果、食べ物を粗末に扱いたくないという想いを非常に強くもっています。(←この頃のエピソードも別のnoteで共有したいと思います)
そんな私の想いに反して、BBQは食材を無駄にしやすいレジャーでした。これまでに何度も何度も、たくさんの食べ物をゴミとして捨てました。
そこで、なぜ?どこから?食べ物がゴミになってしまうのか?を考え続けるようになり、フードロス0を目指すようになります。
食べものがゴミになる理由
さて、食べ物はいつ、どんな理由でゴミとして扱われるようになるのでしょうか??
参加費から捻出した予算で食材を買い集めているのにイベントが終わるとたくさんの食材が廃棄になってしまう。その理由は、BBQに限って言えば、こんな感じで4つに分類できます。
各問題を潰すために、準備、保存、調理というプロセスを見直せば、BBQにおけるフードロス問題は必ず改善されます。
BBQの必需品『取り皿』の廃止!!
上記であげた問題点のうち、食材の準備、保管や焦がさないようにするなどの調理の問題は比較的簡単に解決できました。
この中で最も難しかったのが、取皿によそられた食べ物が放置されそのまま捨てられてしまうとか、冷めてしまって食べ残すという問題でした。
そこで、わたしは決断します!
「取り皿を廃止にしよう」と。
その代わり、焼き上がったお肉は、大きなお皿によそり、それを各々が直接フォークでとって口に放り込んでもらうことに。
オペレーションの変更はスムーズにはいきませんでしたが、いくつかルールを作ることでうまく周りはじめます。
取り皿廃止に伴うルール形成
ルールは大きく4つです。
ルール1.
フォーク又は手で食べられるメニューだけを出す。
(汁物、米や麺類など小皿やお碗がないと食べられないものは出さない)
ルール2.
焼けたお肉をカットしてお皿によそう専用のテーブル/まな板/包丁を用意する
ルール3.
お肉をお皿によそったら、参加者がお皿を持って会場を回り、みんなにおすすめする
ルール4.
各自マイグラスとフォークをセットにして持ち歩く
このルールを作ったおかげで、フードロスが激減しましたが、他にもいろんな効果がありました。
・暖かい状態で食べてもらえる
・テーブルの上に散乱していた紙皿が無くなってスッキリ(ゴミも減る)
・参加者同士のコミュニケーションが活性化
・子どもも大人も好きなものを好きな分だけたべられる
などなど
その他の課題解決
取り皿廃止の他についても解決方法を箇条書きにまとめました。かなり雑ではありますが、詳細や解説は、別のnoteにまとめたいと思います。
・メニューは7種類程度に留める
・1人当たり分量を決めて余計なものは買わない
・事前に食材を分類し、袋から出した状態でクーラーボックスに詰める
・グリルにつきっきりにならないで良いメニュー(食材)を選ぶ
・蓋付きのグリルで蒸し焼きにする
・調理器具を多めに用意する
・調理する場所(キッチン)と食べる場所(ダイニング)をきちんと分ける
BBQから出るゴミを減らす
フードロス0を目指すと同様に、ゴミも極力減らすように改善をしてきました。
BBQをやる時に出るゴミは、ざっとこんな感じだけど、とくに多いのは缶ビールと、食品トレーやビニール袋などのプラスチック類。
・缶ビール
・食品トレー
・紙皿
・割り箸
・プラコップ
・ペットボトル
・段ボール
・ビン
先に書いた通り、紙皿は廃止し、同じく誰のか分からなくなるという理由で缶ビールや500mlのペットボトルも廃止しました。
割り箸はリユース可能なフォークに置き換わり、マイグラス持参を呼びかけてプラカップの持ち込みも禁止にしました。
食材は全てスーパーに事前発注しているのですが、クーラーボックスを持ち込んで個別包装する前の野菜やお肉をそのまま入れてもらうことで食品トレーやラップを排除しています。
これら一つ一つの改善をどのように実現していったかということについては、改めて別のnoteにまとめていきたいと思います。
私が目指す『BBQのあるべきおいしさ』とは
誤解を恐れず言うとBBQの参加者から「おいしい!」という感想が欲しいわけではないんです。
「こんなにおいしいBBQはじめて!」と褒められたいわけでも、「おれのBBQスキル凄いだろ!」と調理技術を自慢したいわけでもないんです。
不味ければ、その食べ物は残ってゴミになってしまうから、一定程度のおいしさを保たなければならない。
この"一定程度"というのもすごく大事で、過剰においしさを求めると、長時間燃料を燃やしたり特別な食材を手に入れるために輸送コストがかかったり、環境負荷が増すことの方が多いからです。
だから特別な食材も稀少な調味料も長時間加熱が必要な調理方法も基本的には採用しません。
おいしければ、ついつい食べちゃうし、参加者の中から「残ってるなら持って帰って良いですか?」って聞いてくれる人もでてくる。
食べ物を無駄にしないためには、最低条件としておいしくないとダメ!と考えています。
残さず食べなさい…とはいっても
「(地球環境のためには、まずくても)残さず食べなさい!」というアプローチでは、地球も人類も救われません。
「おいしいからつい食べちゃった」の結果として気付いたら地球と人類が救われていた!という状態を目指したいんです。
努力や布教活動のいらない仕組みで世界に波及するようなムーブメントを起こしたいなって考えています。
『おいしいBBQの科学』『たのしいBBQの心理学』
スポーツのように、誰かに頼まれなくても皆が進んで、楽しみ喜びながら熱狂する活動(レジャー)を作ったとします。
その結果として、ゴミが減り、CO2が削減され、貧困が無くなるような仕組みを創造できれば、世界は継続的に豊かになっていく!!私はそう考えています。
例えば、ただ生活するだけで、衣服を着るだけで、呼吸をするだけで、社会がより良くなる仕組みを、人類は生み出すことがきっとできる。
そんな夢のようなイノベーションは、必ずしも未だ見ぬテクノロジーがもたらしてくれるわけではなく、コストゼロでルールや価値観を変えることでも実現できます。
私は、BBQの参加者を観察し、イベントそのものを俯瞰して見つめ直し、人の心理や行動原理にアプローチする方法をずっとずっとずーーっと模索した結果「BBQを科学しよう」という考えに至りました。
そこから導き出されたのが、おいしい BBQの科学と、たのしいBBQの心理学です。(←このテーマは改めて別のnoteに書きたいと思います。)
科学とは、突き詰めると再現性があるかどうか?です。個人の感想でしかない「おいしい」と「たのしい」をより多く引き出すためのファクト(原因)集めから、私の研究がはじまりました。
かれこれ15年研究してきたので、おいしくて、たのしくて、サスティナブルなBBQの仕組み(大枠)を作るに至りました。
今年(2019年)は、評判が評判を呼んで約40回2,300人とBBQをやりました!
これからも研究を継続しながら、Share Style BBQを体験してくれる人を1万人→10万人→100万人と増やす方法を考えていきたいと思います。
おしまい
これにて、3回シリーズで投稿してきた『私がBBQ研究家になるまで その1〜3』が完結しました。
お付き合いありがとうございました!
今後は、具体的なBBQのノウハウや研究成果をどんどん投稿していきたいと思います!
私が、アドバイザーやライセンス契約で関わっているBBQ場に伝授している内容も盛り込んでいく予定です!
家庭で実践できるものもありますので、キャンプやBBQをあまりやらない方のお役にも立てると思います。楽しみにしていてください。
引き続き応援よろしくお願いします。
直接、感想言われると恥ずかしい(〃ω〃)
余談ですが、過去3つの記事をFacebookで紹介したところ、たくさんのコメントを貰えてとても嬉しかったです。この場を借りてお礼を!!皆さんありがとうございます。
ただ、同僚や後輩から面と向かって「あんな原体験があったんですね!」「すごく面白かった」「次の投稿がホント楽しみです!!」って言われると、めっちゃ恥ずかしい。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?