
ちょうどのお金がないからまずは両替
弊店みたいな子どものお小遣いで食べたり買ったりできる店は数少ないと思うのだが、
こういった小さな店のいいところの一つが、
子どもたち自身がお代の計算をするというところだと思う。
「おっちゃーん、駄菓子買います!」
「ええよ〜。自分で計算してなあ」
と言って、袋だけを渡す。

てな感じで、もう私は計算しないので、
子どもたちは何度も試し算をしてお金を持ってくる。
自信のない子は、
「おっちゃーん、合ってるかみてくれへん?」
と言ってくるので、見てあげる。
大概は合っているので、
「すごいやん! やるやん!」
って褒めてあげる。
お釣りの計算もさせる。
30円分買って100円を出して来たら、
「お釣りなんぼや?」
って聞くようにしてる。
「70円やろ?」
「すごいやん! やるやん!」
って褒める。
するとだいたい
「当たり前やろ? 何年生やと思てるねん!」か
「計算得意やねん!」
と返してくる。
ところがよく有りがちなのが、
ちょうどお金がない時、
例えば、40円のものを買いたいのに、
100円しかない時は、
「おっちゃーん、両替できる〜?」
って聞いてくる。
「できるで〜。100円を10円玉にしたいんか?」
「そう」
100円をもらい10円玉を10枚渡す。
すると、10円玉を4枚で40円のものを買う。
それって、お釣りでええねんけど。
ちょうど払わなあかんと思ってるのだろうか?
昨日来た子は、
「おっちゃーん、両替できる〜?」
「できるよ〜」
10円玉を10枚渡して来た。
「100円玉にするのかな?」
「うん」
10円玉を10枚もらい、
「はい、どうぞ」
100円玉を渡す。
するとその100円玉を私に渡し返し、
「100円のかき氷のいちごください」
ん?
両替する必要ないねんけど。
子供らしいし、面白いから、
ま、いっか。

と、ここまで書いてから思い出した。
開店当初、お釣り不足を懸念して、
”できるだけお釣りがないようにお支払い願います”
って貼り紙してたんだよね。
今は貼り出していないんだけど、
それをずっと守ってくれてるんかなあ。
それやったら泣けてくるなあ。
こんな子どもたちが増えたら、
世界から戦争なんて無くなるのになあって思った。
(らおばん)
いいなと思ったら応援しよう!
