びわ湖マラソン(24.3.10)走りました〜レース本番編〜
またしても寒さとの戦い
スタート時の気温は2度、曇天、時より雪が舞う。寒さのため各ランナーはギリギリまで上着で暖を取りたいため、荷物預けがギリギリになり、したがって各ブロックへの入りもギリギリになる。
7500人ほどの参加人数は地方都市の大会としては最適で、特に混雑を感じない。
マラソンは冬のスポーツなので、基本的に「寒い」ものであるが、それにしても今シーズンは寒いレースが続く。近年は温暖化の影響で真冬でも暖かさを感じるレースが多々あったが、どうも今シーズンは違うようだ。
押さずにハイペースで
手足の感覚が麻痺しそうな底冷えで、低体温症の恐怖を感じながらスタート。スタート直後に太陽が顔を出し一安心、それも束の間で、また曇って寒い。
身体が上手く動かない中で、5キロを30分ちょうどのハイペースで通過。
琵琶湖にかかる近江大橋を渡る。この幹線大橋を通行止めにする影響が小さくないことは、自分にも分かる。地元住民の理解なくして、マラソン文化は成り立たない。改めてそう思う。
「プランS」発動
10キロ、15キロと淡々とペースは上がる。
最近はフル4時間半、7キロを45分、1キロ6分20秒を基準に走っているが、「行けたら行こう」とも思っていた。
「行こう」と思った。1キロ6分を切るペースで行けるところまで行って、その後は粘る「プランS」だ。
15キロを過ぎて、少しキツくなってきた。そのタイミングでの「白姫餅」が絶品で息を吹き返した。
「名古屋ウィメンズ」を走っている鈴木亜由子選手が気になる。
「一緒にパリオリンピックを走る」夢はやぶれたものの、何とか走って欲しいと、親類のおじさん的目線で思う。まだ余裕がある。
中間点を2時間5分切りで通過する。前走より速い。前走越え、コロナ禍以降自己ベストの更新が視野に入る。
あの雪山は?
スタートから、ほぼ一貫して琵琶湖を左手に見て走るコースである。さらに10キロ以降は琵琶湖を北上する。北上とは、アゲンストの北風との戦いである。
中間点を過ぎて、風はさらに強まる。左手前方、琵琶湖を越えた先の雪山が気になる。
あの雪山から琵琶湖を越えて、強烈な冷気が降ってくる。
「冷凍庫の精肉」を思い出した。精肉はメガパックで買うと安いので、大量購入して冷凍にしている。当たり前だが、冷凍にすると鮮度が落ちない。
自分もまるで冷凍庫に入れられたようで、だから鮮度を保って走れているのか?まだ余裕がある。
25キロを過ぎで、フィニッシュ地点を通り過ぎる。この類のコース設定は、思い付くだけで「湘南国際」「青島太平洋」とままあるが、結構嫌な設定ではある。
アゲンストの風がキツい。益々雪山が憎たらしい。後で調べたところ比良山地だったらしい。標高1200メートル程度で3月にしっかり積雪があるとは、恐るべし。
少しづつペースが落ちるが、30キロを3時間切り、2分弱貯金がある。
コロナ禍以降自己ベストの更新は確実である。あとはどこで着地するか?キロ6分30で纏めれば4時間20分は切れる。
35キロからがマラソンだ
この大会の大スポンサーが佐川急便グループのようだ。35キロ手前で、佐川急便(SGホールディングス)の陸上競技場のトラックで折り返す。そこでの近江牛ローストビーフの給食は、これまた絶品だった。
35キロ地点でもキロ6分ペースをクリア。
その直後に「35キロからがマラソンだ」との声援が聞こえる。
冴えないじいさんの声に「あんた、走ったことあるんかいな」とツッコミたくなる。まだ余裕がある。
冗談はさて置き、その通り。
コロナ禍以降、初めて勝負しようと思った。最後の7キロ、本当のマラソンを走ろうと思った。
ターゲットは4時間15分。
「全日本マラソンランキング」が頭に浮かぶ。今シーズンは、あと一つ4月に「あおもり桜マラソン」を残しているが、4月だから今シーズンのマラソンランキングの対象外だ。ここで記録を残さねば、と思う。まだ余裕がある。
35キロからはフィニッシュ地点に向けて、このコース唯一の南下、すなわち、フォローの風を受けてのビクトリーランである。この勝負、もらった。
自身100レース目の区切り
全般に静かな大会である。派手な応援はないが、豊富なボランティアが心からのもてなしと声援をくれた。
自身100レース目の節目の大会であった。
4:14:33、会心のレースだ。
他人と競うなどおこがましい。過去の自分と競っても勝ち目はない。「今の自分と戦う」これが還暦を過ぎた自分のスタイルだ。
100レース目に良いレースが出来た。
今の自分に出来るベストの走りだ。
単純に嬉しい。